Keiyamamotoさんによる『社会的なもののために』(略して社もため)ツイート
【社もため①】遅ればせながら市野川・宇城編『社会的なもののために』(ナカニシヤ出版)を読了。大変刺激に満ちた読書体験であったと思う。第四章でも議論されていたように、社会的なものといえばアレント、つまりは画一性と必然性の領域として片付けがちな私にとって、広大な領域が開かれた感じ。
2013-02-28 10:32:09【社もため②】労働/保険/連帯/都市と地方/植民地/移民/宗教など、「政治的なもの」の興隆の影にあった社会的なものの豊穣さに気付けたことは大きな収穫であった。
2013-02-28 10:32:35【社もため③】特に第五章の日本における社会的なものは自身の研究にとっても大変示唆的。急速な近代化のプロセスにあって、社会的なものが、民衆を規律の対象として捕捉しようとする統治の側と、そこから否応なく逃れてしまう「異質なものたち」のあいだで、
2013-02-28 10:33:09【社もため④】非常に怪しげで混沌とした場を形成する。酒井隆史さんはこの異質性のなかにオルタナティブなヴィジョンを見て取るのだけれど、これは自分がデモクラシーをつうじて考えたい問題と通じるところがあると思う。要再読
2013-02-28 10:33:38【社もため⑤】討論においては、たまに論者同士のあいだに走る「緊張」も見どころかと。討論内容も日本、イギリス、ドイツ、フランス、アメリカの各研究者がいるのでバランスが取れており、
2013-02-28 10:34:10【社もため⑥】欲を言えば中国とかアジア他の地域の研究者の社会的なものの考えも聞きたかったかな。本書は広漠な社会的なものの領域の当座のマップ作成のようなものであり、各章の主題がどのように切り結ばれ、いかなる社会的なものの全体像が描かれるのか
2013-02-28 10:35:50【社もため⑦】についてはまだ詳らかではない。脚注やブックガイドなども充実しているので、専門の研究者のみならず、広く社会思想史や政治思想に関心のある初学者にも手に取りやすいものとなっているのも親切ですね。大変勉強になりました。(了)
2013-02-28 10:36:43補足: オタクコンテンツの最近の四文字略記風習に則るなら、『社会的なもののために』は「社もため」ではなく「なもため」「ののため」になると思います
2013-02-28 11:14:13「社会的なもののために」をもっと読み込むための文献一覧
by nabesoさん
「社会的なもののために」勉強ページ」
https://sites.google.com/site/katientie/archive/ForTheSocial?pli=1