ザイバツ・ヤング・チーム #6

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆0と1のノイズは……クアースの肉体と装束を素材とするノイズは、金属の輪の周囲に収束を開始する。それは一瞬の事だ。まず、そこにオブシディアン色のローブが生じた。そしてそれを纏う者が生じた。その者の左手首にはクアースの鉄の輪が嵌まっている。その者の顔はフードの闇の中だ。◆

2013-03-15 15:08:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆「サラバ。クアース=サン」ローブ姿の存在は無感情に呟いた。「彼のイサオシは永劫に刻まれよう」「……!」ディミヌエンドは鎖の破壊すら忘れ、雷に打たれたような畏怖で見つめた。ローブの者はウィッカーマンにオジギした。「ドーモ。ゴグウ・ニンジャ=サン。ダークニンジャです」◆

2013-03-15 15:09:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆「ドーモ……ダークニンジャ=サン」ウィッカーマンはアイサツを返した。「さきのサンシタのヘンゲというわけではないようだが。面妖なジツを。そして、おれの名を口にしたな」「……」ダークニンジャはカラテを構えた。ウィッカーマンは一歩後ろへ退き、間合いを取る。◆

2013-03-15 15:09:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆「お前は一人寂しく飼い主の戻りを待つ哀れな犬だ。だがその忠誠が報われる事はない。お前が省みられる事はない」ダークニンジャは墨壷を一瞥した。「そのけなげな努力は何一つ実を結ぶ事がない」ローブの闇の中に眼光が灯り、ウィッカーマンを射る。「お前は誰からも必要とされぬまま滅びるのだ」◆

2013-03-15 15:10:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「クフフフフ下郎」ウィッカーマンは喉を鳴らして笑った。だがその瞳に満ちるのは敵意と憎しみだ。「チョップひとつ満足に打てぬサンシタがメソメソ泣くを聴いて、おっとり刀で馳せ参じたか」「その墨壺をいただく」ダークニンジャは低く言った。「お前には過ぎた玩具だ、ゴグウ・ニンジャ=サン」1

2013-03-15 15:25:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ズガタッキェー!」ウィッカーマンは目を見開き一喝した。空気が震える程の怒気!「アバーッ!」やや遠くで発せられた悲鳴はナミコモ!両目から血を、口から吐瀉物を噴き出し、既に生命衰え果てたモータルは、いにしえのニンジャスラングがもたらしたニンジャリアリティショック反応で事切れた。2

2013-03-15 15:33:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ダークニンジャの超自然の熾火めいた眼光は、ウィッカーマンの怒声にさざ波ひとつ返さなかった。「念のため訊いておくとしよう。答えよ、ゴグウ・ニンジャ=サン。この地上において、お前の他にカツ・ワンソーの手のものの覚醒ありや」「……知らぬ」ウィッカーマンは呻いた。「おれは備えるのだ」3

2013-03-15 15:52:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「どうして……何が」ディミヌエンドは二者の間に渦巻くカラテ緊張に身を震わせ、呟いた。「テメェの鎖を壊せ、ディミヌエンド=サン!」ドモボーイが呻いた。傷口から零れる血は減りつつある。ニンジャ耐久力の為せるわざだ。「お前、まだイクサできるんだろうがよォ!畜生、何が起きてやがる……」4

2013-03-15 16:05:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「わたし……」ディミヌエンドは我に返り、再び身体に力を込め始める。鎖が軋む。ドモボーイは這いずった。「クアース=サンはどうなった、死んだのかよ……あれは、あるじ……ダークニンジャ=サンなのか?ディミヌエンド=サン、どうなって、アバッ……俺の腕、ダメか……?」 5

2013-03-15 16:29:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ニンジャの血肉を用いて現れ出でる。それはいかなるジツだ」ウィッカーマンが問う。「おれには興味がある。ハトリ者がキンカクにコソコソ逃げ隠れたワザではあるまい。あれは記憶も肉体も失うゆえに」「古事記の世の生き腐れにしては好奇心の旺盛な事だ。ハラキリもお前にとっては遠い未来の筈」6

2013-03-15 16:55:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「おれの眠りは余の者よりも浅かった。眠りを妨げた者がおったゆえ(ウフフフ、そこで死んでおる干し肉もその一人よ)……」ウィッカーマンは謎めいて言った。「それが我が不幸であり、僥倖でもあった。我が君のため、万全に備えられるゆえ。さあ、次はお前。既におれはお前の問いに一度答えたぞ」7

2013-03-15 17:35:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ダークニンジャはウィッカーマンの問いを吟味し、やがて答えた。「ドラゴン・ニンジャが遺した装置の援用だ。腕輪は単なる受信装置に過ぎぬ」「ドラゴン・ニンジャの装置とな……?」ウィッカーマンが眉根を寄せた。「またも忌々しき者の名を口にする……またも六騎士!」 8

2013-03-15 17:45:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

キョート城についてダークニンジャは言及を避けた。最小限の回答だ。「何の装置だ」ウィッカーマンは身を乗り出す。「あの淫売はソガら外道どもと何を企んでおった?」「答える必要はない」ダークニンジャは冷たく言った。「お前は他のカツ・ワンソーの手の者の所在を知らぬ。ゆえに問答は終わりだ」9

2013-03-15 18:03:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「なんたる横柄な態度!」ウィッカーマンは笑った。「まことザイバツ・シャドーギルドとやらのニンジャは増上慢の宝庫。お前が首魁であるな?平安時代、江戸時代、クッフフフ、ましてや近現代!神代に比すれば、所詮児戯に過ぎぬことよ!」「ミラーシェード=サン」ダークニンジャは振り返った。10

2013-03-15 18:21:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「あるじ」重傷を負ったミラーシェードがかろうじて身を起こす。ダークニンジャは無感情にそれを見た。彼は片手を差し上げた。ミラーシェードは力を振り絞り、無言の命令に応えて、懐のニンジャソードをダークニンジャに投げ渡した。「奴の体内にはカトンの炉が……ご注意を……」「イヤーッ!」11

2013-03-15 18:24:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ミラーシェードめがけてウィッカーマンが投擲したカイシャクのクナイを、ダークニンジャはカラテで弾き飛ばした。そして飛来したニンジャソードを掴み取るや、ウィッカーマンに向き直りながらの斬撃を見舞った。「イヤーッ!」 12

2013-03-15 18:30:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ウィッカーマンはワン・インチへ踏み込み、斬撃を回避!そのままショートフックを叩き込みにゆく。「イヤーッ!」だがダークニンジャの身体は弾かれたように後ろへ跳び、これを回避!ローブが生き物めいてはためき、超自然の斥力を生み出す! 13

2013-03-15 18:35:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

間髪いれずダークニンジャは透明の壁を横に蹴るかのように虚空で跳ね、再びウィッカーマンに襲いかかった。「イヤーッ!」鞘走るニンジャソード!イアイ!「イヤーッ!」ウィッカーマンは鎖クナイを鞭めいて繰り出し、これを弾き返す!「イヤーッ!」ダークニンジャは空中回し蹴りを繰り出す! 14

2013-03-15 18:39:51
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ウィッカーマンは上に飛んでこれを回避!三つのクナイ・ダートを同時投擲!「イヤーッ!」ダークニンジャは刃を閃かせてこれらを弾き返す。そして追うように垂直跳躍! 15

2013-03-15 18:46:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」二者は上昇しながら繰り返し切り結ぶ!闇に火花が走る!そして、KRAAASH!応酬の余波で支える鎖を切断された鳥籠牢獄の一つが床へ落下、砕け散る!「アバーッ!」中の虜囚がひとたまりもなく圧死! 16

2013-03-15 18:50:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」切り結ぶ二者はそのまま落下し、台座上の墨壺の周囲をマイめいて動き回りながら、激しい攻撃を互いに繰り出し続ける!ゴウランガ!ドモボーイは驚愕と畏怖を隠すこともできず、床に横たわったまま、ただそれを見守る! 17

2013-03-15 18:55:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ディミヌエンドは最後の拘束を跳ね飛ばした!「ドモボーイ=サン!」彼女は駆け寄った。「アバッ……こんなもの、ツバつけときゃよォ」ドモボーイの減らず口は続かなかった。彼は一瞬失神した。「ドモボーイ=サン」「何がどうなってやがるんだよ……」その目から焦点が失われる。18

2013-03-15 19:05:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「何でだよ……ナンデ」ドモボーイは呟いた。ディミヌエンドは涙をこらえた。目の前ではダークニンジャとウィッカーマンが激しいイクサを続ける。つけいる隙の無い、恐るべき戦闘を。「脱出し、アンカーで帰還しろ」仰向けに倒れたまま、ミラーシェードが言った。「戻れ。ディミヌエンド=サン」 19

2013-03-15 19:12:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆2100〜2200再開に向いた休憩を時間◆

2013-03-15 19:21:20