JASRACがアーティストの足枷になっている事例

CDに変わる音源販売形式として、ダウンロードカードの販売があります。 3DSのゲームは、既にコンビニなどでダウンロードカードが販売されていますよね。 JASRAC管理になっている自分の楽曲を、ダウンロードカードで販売する場合における問題点をまとめました。
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天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

著作権というか、JASRACが足枷になっている事例を紹介してしまおうかな。

2013-03-17 14:07:48
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

Lacroix Despheresの楽曲は全てJASRAC管理楽曲。この場合、ラクロワの曲を演奏、CDリリースするなど、なんらかの形で「使用」するには、使用者はJASRACに著作権使用料を支払います。

2013-03-17 14:13:28
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

JASRACは音楽を使用した人から支払われた著作権使用料を、6%の手数料を引いてから権利者(ラクロワの場合は作詞作曲をしている翔さん)に支払います。

2013-03-17 14:15:30
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

CDリリースの場合、定価×プレス枚数×6%が著作権使用料としてJASRACに支払われ、そのうちの6%がJASRAC手数料、残り94%が権利者への分配となります。

2013-03-17 14:20:42
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

先ほどの足枷の件ですが、ネットラジオの生放送枠で少し話したFizzKicksカードに関連した事例です。

2013-03-17 14:31:50
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

FizzKicksカードは、裏面にダウンロード用コードが印刷されており、カード購入者はそのコードをWebサイト上で打ち込む事により、楽曲等アーティストが用意したコンテンツをダウンロード出来るものです。

2013-03-17 14:32:59
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

「CDを買ってiTunesで取り込み、スマホで聴く」という流れの代わりに、「カードを買ってWebでダウンロードし、スマホで聴く」みたいな感じです。

2013-03-17 14:34:41
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

消費者観点でiTunes Storeやレコチョクなどの音楽配信と違う部分は、①アーティストオリジナルデザインのカードが手に入る(CDみたいな円盤型にも出来るし、グッズの一部にDLコードを印刷して販売も)②音楽だけでなくPVや画像などアーティストが用意したあらゆるコンテンツをDL可

2013-03-17 14:39:19
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

音楽配信よりもCDが良いという方の中には、ブックレットや盤面のデザイン、ケースが棚に並んでいるのを見たい、という意見もありますが、CDと同じケースにダウンロードカードが入っていてブックレットも付いていればそう違いは無いような気もしています。

2013-03-17 14:46:56
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

さて、著作権使用料の方に話を戻します。CDは枚数と定価、曲数に応じた著作権使用料支払いという事は先ほどtweetしました。では、ダウンロードカードの場合はどうでしょうか。

2013-03-17 14:48:49
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

JASRACでは、インターネット上での音楽利用は「インタラクティブ配信」での利用ということになります。ダウンロードカードもネット上に音楽データを用意して、カード購入者にダウンロードしてもらうから、この点は納得出来ます。

2013-03-17 14:52:07
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

問題は、著作権使用料の支払い方法です。現状、インタラクティブ配信(DL形式)の場合、月ごとのダウンロード回数に応じた著作権使用料の支払いとなっています。これはネット上でのMIDI配信あたりから始まった流れだと思うのですが、いつでも、誰でも、何度でもDL出来る前提の方式です。

2013-03-17 14:54:48
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

在庫数というものが存在しておらず、そのサービス(サイト)が継続している限り、オリジナル(サーバ上のデータ)の複製は無限に作られ続けるということなので、月ごとのDL回数に応じた使用料支払いは頷けます。

2013-03-17 14:56:46
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

しかし、ダウンロードカードの場合はどうでしょうか。カードを1000枚作ったとしたら、ダウンロード出来るのは1000人のみです。

2013-03-17 14:59:07
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

なので、ダウンロードカードの製作枚数に応じた著作権使用料支払いが妥当だと考えるのですが、そのような契約形態は現状用意されていません。

2013-03-17 15:00:18
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

これだけだと、月ごとのDL回数で支払えば良いじゃないか、との声もあるかと思いますが、問題は最低料金の規定です。その月のDL回数に応じた使用料が5000円未満の場合、規定により月額5000円は必ず支払わなければならないのです。

2013-03-17 15:03:50
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

例えば、DLカードを100枚製作、販売したとします。その100人が「1年間すっかりDLするのを忘れてた!」という場合、その12ヶ月間はDL回数0です。なのに、最低料金の規定により5000円×12ヶ月=60000円の支払いが生じます。

2013-03-17 15:10:43
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

10曲入り定価2000円のCDを100枚プレスした場合、著作権使用料は概算126,00円です。通常の音楽配信サービスの場合でも、1曲200円と考えると情報量200円×7.7%×10曲=154円、1ヶ月に100回DLされて15,400円です。

2013-03-17 15:13:48
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

DLカードの使用期限を1ヶ月にして、その月内で全員がDLするのならば、前ツイートのように著作権使用料は15,400円でOKです。でもこれってかなり不便ですよね。CDの代わりにはならないですよね。

2013-03-17 15:17:41
天野翔⊕オーケストラ譜を書くバンドマン @Lacroix_Sho

【JASRACの足枷まとめ】DLカードによる音源販売は、JASRACの規定によりDL期限を1ヶ月のみにしないと、最低料金の規定より余分な著作権使用料の支払いが生じる場合がある。しかもその分が権利者に還元されるかどうかは不透明

2013-03-17 15:20:50