『新撰21』読書会(13)「豊里友行+高山れおな」

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A enom @A_mayoa

スタートいたします。 #shinsen21 twitter読書会『新撰21』 第十三回「豊里友行+高山れおな」

2010-09-04 21:59:32
中村 安伸 @yasnakam

#shinsen21 沖縄に関するモチーフが多いというのもありますが、印象に残ったのは比喩。「蝶とまり湯槽のような空動く」「しらさぎが鍵穴のよう埋立地」といった直喩の句もあるし、隠喩の句も多いですが、的確で意外性もあって、惹かれるものが多かったです。

2010-09-04 22:09:01
A enom @A_mayoa

社会性俳句の系譜に分類されがちな句ですが、むしろ現代では新鮮な印象ですね。同じモチーフが繰り返し出てきますが、沖縄という地であれば、何を見ても、あの戦争の記憶に行き着くのは当然と思います。もっと、こういう連作こそ総合誌等で読みたいですね。 #shinsen21

2010-09-04 22:16:52
A enom @A_mayoa

前半の、眼前にある沖縄の景、事物から引き出されるイメージを、そのイメージの側から現実につなぎとめていく、といった作りに惹かれます、無骨なのでしょうが。後半は少し言葉が整理され過ぎてしまった印象の句も。一般的な感慨に収束されてしまうのは惜しい気がします。 #shinsen21

2010-09-04 22:25:45
A enom @A_mayoa

「鮮やかな原野遺骨に星のさざなみ」「逃れのがれ洞窟に根を張る百合の悲鳴」「捨て石の戦火を泳ぐ亀甲墓」など、現在から過去へ遡りまた現代で閉じる。俳句という短い形式に時間の流れを盛り込みつつ、目の前で破裂した爆弾のように、一瞬の、非常に鮮烈な印象を残す。 #shinsen21

2010-09-04 22:34:17
A enom @A_mayoa

「百合の悲鳴」はひめゆり学徒隊の悲劇でしょうか。今はひっそりとした洞窟のそばに咲く花から、当時の状況を描き出す。「捨て石」、後方からの支援なしに銃撃戦の中へ飛び出していく兵の姿を、沖縄独特の亀甲墓が白くぼやりと緑の中に点々と浮かぶさまに喩えて。静と動の配置。 #shinsen21

2010-09-04 22:43:08
関悦史 @Seki_Etsushi

そうですね。「逃れのがれ洞窟に根を張る百合の悲鳴」なんか、時間の経過と「逃れのがれ」た人たちの「悲鳴」の生々しさが「洞窟(ガマ)」と「百合」で具体に結晶している。見て感じ取っている側の受け取っている圧力も。@mne424 #shinsen21

2010-09-04 22:55:02
中村 安伸 @yasnakam

#shinsen21 原爆、沖縄戦というような言葉を生のまま使った句があって、意外なほど句としては弱い感じがしました。そうしたテーマは正面から向き合おうとすればするほど、その衝撃に飲み込まれてしまうのかもしれません。読者側の問題でもあるでしょう。

2010-09-04 22:57:09
関悦史 @Seki_Etsushi

見直すまであまり気に留めていなかった句としては「地球独楽春夏秋冬痩せ細る」の滅びのメタファーと求心性のほそみもじわじわ来る。 #shinsen21

2010-09-04 23:00:27
A enom @A_mayoa

同感です。RT @yasnakam: #shinsen21 原爆、沖縄戦というような言葉を生のまま使った句があって、意外なほど句としては弱い感じがしました。そうしたテーマは正面から向き合おうとすればするほど、その衝撃に飲み込まれてしまうのかもしれません。読者側の問題でもある・・・

2010-09-04 23:01:21
関悦史 @Seki_Etsushi

「洞窟に残る沖縄戦の蝉しぐれ」「鳴き通す沖縄戦の空蝉」とかですね。メッセージ性が強い句に直接「沖縄戦」を入れてしまうと暗喩のバネが利かない平板な説明になってしまう @yasnakam #shinsen21

2010-09-04 23:04:06
A enom @A_mayoa

沖縄を題材にしていない句では、「ふれるなら刃の匂い木下闇」「八月の水平線をかき鳴らす」が良かったです。後者は、映画『緑の光線』へ想いが。青春性を感じさせる句としては、これらのほうが良い気が。高山さんが論であげている句は少し甘さがあるかな。 #shinsen21

2010-09-04 23:07:28
関悦史 @Seki_Etsushi

「蜘蛛の巣の雨は果肉だ春の風邪」「ケータイの螢烏賊とぶ街は楽器」「ごきぶりが月面探査の台所」とか現物から出たらしい句でのちょっと兜太っぽいような暗喩の使い方の輝かしさの感覚は魅力。 #shinsen21

2010-09-04 23:08:15
中村 安伸 @yasnakam

#shinsen21 「基地」に関しては実体のあるものだからでしょうか「基地背負う牛の背朝日煙り行く」とか、かえってユーモラスな感じが出てますね。

2010-09-04 23:10:50
A enom @A_mayoa

今この句をあげようとしてたところ。面白い把握ながら、雨がちの春の景を描き、身のうちの物憂さを眼前の木にひっかけてみせたようで。RT @Seki_Etsushi: 「蜘蛛の巣の雨は果肉だ春の風邪 #shinsen21

2010-09-04 23:11:41
中村 安伸 @yasnakam

#shinsen21 「月はトランペット果肉の僕ら踊る」おなじ果肉という隠喩でも「蜘蛛の巣の雨」に比べると飛躍に乏しいかもしれませんが、「果肉の僕ら」という省略を効かせたリズムが句の官能的な魅力を増している感じ。

2010-09-04 23:14:43
A enom @A_mayoa

「退屈な歩幅コンビニ星人でいる」は現代のリアルながらユーモラス。この取り合わせも面白い。 #shinsen21

2010-09-04 23:15:08
yanoreina @8no07

AもBも AかBか という表現は、テーマを重視した俳句、思考そのものを作品にするからなのかしら。 #shinsen21

2010-09-04 23:20:18
A enom @A_mayoa

「月と太陽(ティダ)」のタイトルもとても良いですね。アジアで文様としてよく見かけるもので、その端の沖縄を感じさせるし、それだけが戦争で傷つかず、変わらない唯一のものとして、切なさも。 #shinsen21

2010-09-04 23:20:48
関悦史 @Seki_Etsushi

「基地」の句では「逃げ水の基地がぶつかる邪馬台国」も意外感のある歴史の重層を「逃げ水」がうまく繋いで地誌の厚みみたいなものが出ています。 #shinsen21

2010-09-04 23:22:04
中村 安伸 @yasnakam

たしかにその文体多いですね。 RT @8no07: AもBも AかBか という表現は、テーマを重視した俳句、思考そのものを作品にするからなのかしら。 #shinsen21

2010-09-04 23:27:02
関悦史 @Seki_Etsushi

「能面が迫る孑孒の足音」は「能面」は珍しい素材(虫・小動物はよく出ますが)。ありえない「孑孒の足音」がリアルで面白い。 #shinsen21

2010-09-04 23:28:13
中村 安伸 @yasnakam

#shinsen21 「死者も僕らも甘蔗(きび)穂波のマラソン」の「僕ら」という人称も特徴的。連帯感のようなものを求めているところが社会性俳句っぽいということなんでしょうか。

2010-09-04 23:31:04
A enom @A_mayoa

「手のひらの宇宙を開く赤ん坊」は、「にぎりしめにぎりしめし掌に何もなき」を思い出しました。類想ではなく、やはりその地で句を詠んだ篠原鳳作への、先達へのリスペクトとして。 #shinsen21

2010-09-04 23:33:09
中村 安伸 @yasnakam

#shinsen21 「糸瓜咲くプルトニウムの根の回路」は解釈しにくい。「糸瓜咲く」だから花だが、糸瓜の実は長崎に落とされたプルトニウム型原爆の形状を思わせる。そうすると「根」と「回路」にもアナロジーが。それ以上に「の」で強引に繋ぐ文体の力強さで読ませる句か。

2010-09-04 23:33:11