戦略奇襲についての呟き

 戦略的な奇襲を受ける可能性をゼロにする事は不可能。  とはいえ、態勢整備により可能性を減らす事、より正確には可能性の低さを敵に知らしめて抑止する事は可能であろう。また奇襲を受けてからの対処が迅速であろうと敵に思わせれば、これもまた抑止に繋がる。  一方、態勢の不備は、「奇襲が成功する」という期待を敵に与え、抑止の破綻を誘発しかねないのではないだろうか・・・?
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錆猫 @Nyar_Horten

1990年になり、7ヶ月の間に見られたイラク軍の動きや大統領の大言壮語は、せまりくる危機を示唆していた。しかしアメリカはサウジアラビアやクウェート同様、イラクの脅威の切迫度を認識していなかった(湾岸戦争 砂漠の嵐作戰より)

2010-09-05 09:31:14
錆猫 @Nyar_Horten

1991年1月15日、国連の定めた撤退期限になってもイラクはクウェートから撤退せず1月17日多国籍軍が大規模な航空撃滅戦を開始。2月23日正午、無条件撤退を告げる最後通牒を無視したイラクに対して地上反抗作戰開始

2010-09-05 09:31:28
錆猫 @Nyar_Horten

前者は相手の背後での動きを把握していながら、後者は目の前での明らかな動きを見ておきながら、状況判断と意図の読み違えによって開戦に至り得る事例であると同時に、一方の意図が明確なら其れは躊躇わず行われる事例と言えます

2010-09-05 09:32:00
錆猫 @Nyar_Horten

現在我が国の仮想敵国の一つある国は戦闘教義に関する著作で戦略的な欺瞞行為を「最小のマンパワーと資材のコストで組織的で計画的な方法により様々な種類の欺現象を作り出して自分の力で戦略的優位を獲得する事」と定義しています

2010-09-05 09:32:27
錆猫 @Nyar_Horten

兵団の運用部署に於いて我作戰企図を秘匿し敵の意表に出ずるは戦勝の為の一大要件也。敵の捜索及諜報を防止する為に統一ある組織処置を講ずると共に我計画の立案命令の作為及下達、軍隊及各機関の行動等に対し最新周密なる注意を払い更に敵の判断を誤らしむる為にあらゆる積極的手段を講ずる事必要也

2010-09-05 09:32:50
錆猫 @Nyar_Horten

以上は統帥参考の一節ですが、要するに戦いの原則に於ける奇襲の原則です。彼の国の其れはこれを戦略の段階で適用したわけです(というか、恐らく何処の国でも之に似た事は行ってるでしょうし、又之は恐らく彼の国の兵法家も言及している事かと思われます)

2010-09-05 09:33:15
錆猫 @Nyar_Horten

以上を前提に考えると、防御側の体制の不備を誘引する事により結果的に奇襲的効果を持った作戰行動は比較的容易なのではないかと(日本で考えると、事前に開戦の兆候を知り得たとしても、それによる長期に渡る臨戦体制は国民的に受容れ難い事態でしょう)

2010-09-05 09:33:39
錆猫 @Nyar_Horten

そして之に因って発生する防御側の空白の時間を航空撃滅戦に当てる事により開戦劈頭で敵航空兵力を前線から後退させる事が出来れば、上陸作戦も容易になると思われます

2010-09-05 09:33:58
錆猫 @Nyar_Horten

以上、戦争序盤に於ける上陸作戦の可能性について何となく。海上兵力が考慮されてないのは、恐らく空に上がった航空兵力同様、他所に誘引拘束されてしまう可能性を考慮しつつ、それ以上の状況が思い浮かばなかった為です(要するに、よく分かりません)

2010-09-05 09:34:23