- yaoki_dokidoki
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1連は9行で構成されており、詩の全体は3連で構成されている。したがって、音は9音×9行×3連=243音であり、この各9行ちゅうの8行目ごとに「いちめんのなのはな」とは異なる音の行が挿入される。
2013-03-25 23:40:09第一にここに働いているシステムは、「9音の音数律」である。8行目は 1.「かすかなるむぎぶえ」 2.「ひばりのおしやべり」 3.「やめるはひるのつき」 でありすべて9音の音数律に従っている。
2013-03-25 23:42:16第二にここに働いているシステムは、くりかえし述べているように「8行目における変化」である。「いちめんのなのはな」7回反復し、1回変化をもち、「いちめんのなのはな」を再度1度反復する。さらに9度の9音ののちに一行の空白行が挿入され、3連を分節している。
2013-03-25 23:44:11これらによって第三にここに働いているのはグリッドのシステムである。活字的なモダニズムらしく、表音的な「ひらがな」によって視覚的/音声的なグリッドが引かれる。最終行に付加された「いちめんのなのはな。」の句点「。」は唯一音を持たない視覚的な記号である。
2013-03-25 23:47:31また、さきほど述べたように、9行ごとに挿入される空白行は視覚的なグリッドを同様に補強する。なぜならば、視覚的に明示された「9音×9行」というグリッドに対し、「連+連+連」という上位レベルの分節を形成するからだ。
2013-03-25 23:49:49指摘1:「いちめんのなのはな」という音列には2種の同音反復が含まれている。これを「押韻」と仮によびたい。ここでは「の」「な」という音が2回でてくる。
2013-03-25 23:51:39視覚的な効果としても、「は」は「な」を、「め」は「の」の変則的な反復である。したがって「いちめんのなのはな」は記号的に「いちAんABABA」という視覚的な形式に近似可能である。
2013-03-25 23:53:57第二の指摘:第1連8行目に現れる「かすかなるむぎぶえ」ここには1種の同音反復が見られる。すなわち「か」音である。
2013-03-25 23:56:30また、「す」「な」「る」「む」はそれぞれ小さな結びの玉「。」を活字の中に保持しており、これらが主題である「いちめんのなのはな」のうち「は」「な」と呼応する。
2013-03-25 23:59:03さらに、「なのはな」の「な」音を「かすかなる」の「な」が押韻している。ここから、「いちめんのなのはな」を 「いちめんABAはA」 と記述すると、「かすかなるむぎぶえ」は 「CすCBるむぎぶえ」と記述することができる。
2013-03-26 00:01:48まとめると、A=「の」、B=「な」、C=「か」とするとき、 「いちめんのなのはな」 「かすかなるむぎぶえ」は、 「いちめんABAはA」 「CすCBるむぎぶえ」 と記述される。
2013-03-26 00:03:48また、「ひばりの」の「の」は「いちめんのなのはな」の「の」の反復である。また、視覚的には「ひばり」の「ば」は「は」の反復ともいえるかもしれない。
2013-03-26 00:08:11したがって、A=の、B=な、C=は、D=か、E=り、とするとき、 「いちめんのなのはな」 「かすかなるむぎぶえ」 「ひばりのおしやべり」は、 「いちめんABACB」 「DすDBるむぎぶえ」 「ひC'EAおしやべE」 と記述することができる。
2013-03-26 00:11:34さて、ここまでくると同じように「やめるはひるのつき」には既出の音である「や」「め」「は」「ひ」「の」に加えて、「ぎ」の視覚的類字である「き」が出てくることがわかる。つまり「やめるはひるのつき」は反復(押韻)で満たされている。
2013-03-26 00:21:27したがって、 「いちめんのなのはな」 「かすかなるむぎぶえ」 「ひばりのおしやべり」 「やめるはひるのつき」は、 「いちAんBCBDC」 「EすECFむGぶえ」 「HD'IBおしJべI」 「JAFDHFBつG'」 というふうに反復を形式化できる。
2013-03-26 00:30:09