ライスのアニメ感想.Ex #11：劇場版パトレイバー1&2雑感

テリー・ライス @terry_rice88

劇パト1見終わる。あれだなあ、非常に都市論なんだな、この作品。都市の移ろいに問題提起して、我々はどこへ行く、みたいなお話で。主役は完全に病的に神経質かつ精緻な古き良き東京の風景なのだろうと。BDで見ると背景の細やかさの美しさもひとしお

テリー・ライス @terry_rice88

都市という巨大な建造物の集合体において、そこに行き交うものはレイバーにせよ、人間にせよ、鳥達にせよ、等価なんだろうなあ。入れ物に対しての流動する中身と言うか。都市があるから人が流転するのか、人があるから都市が流転するのか。鶏と卵どっちが先かという問答にも似てるよね。＜劇パト1

テリー・ライス @terry_rice88

劇パト２終了。うん、背景や画面の切り取り方、レイアウトなどなど、作画的には物凄くカッコイイ画が満載で見ていて飽きなかった。なんというかこの辺りから押井作品って空気の透明感と天候の雰囲気にかなり敏感になっているように思う。それが物質的なものの見方に直結してる印象。

テリー・ライス @terry_rice88

話は監督御得意の現実と虚構の狭間を東京という都市と日本をフィルターにして、その繁栄と豊かさの裏側を語っているようないないような。ああ、あと警察と軍隊とか、戦争と平和とか、男と女とか色々語られてるけど、目に見えていることだけが、真実じゃないんだろうなあ。一番強く感じたのは監督の諦念

テリー・ライス @terry_rice88

都市論ちゅうよりは物質社会への警鐘というか、カウンターというか。東京という街には意識的なんだけど、語ろうとしたことが器に対して大きすぎて、自家中毒を起こしたかのような話だった。それでいて、答えが出る問題じゃないから、割と投げっぱなしのまま話が終わるし。一番の問題はそれが面白い事だ

テリー・ライス @terry_rice88

都市論というか東京論なんだけど、世代が一回り下の庵野監督や幾原監督、榎戸さん辺りの地方出身者の東京観と東京出身者である押井監督の捉える東京観が全く違っていたのが非常に興味深い。押井監督の捉え方は同じく東京出身である宮崎駿監督辺りの観点なんだろうなあ…。内と外の問題に見えるけども

テリー・ライス @terry_rice88

要は東京という土地に憧憬を抱けるか否か、なんだろうなあ。押井監督は東京という都市にうんざりしてるが同時に耐え難い故郷の因縁を感じるっぽい。その結果として東京をさらに発展させたような「攻殻機動隊」のサイバーパンク都市になるわけで、あれが柘植のいう「この街の未来」なんだろうかと。

テリー・ライス @terry_rice88

あーまあ、東京への憧憬なのか都会への憧憬なのかは、良く分からないけど。結構、庵野監督なんかは、東京というのに拘り見せているよね、というのが自分の印象にはあるんですよね。ほら、「第三東京市」とかさ。

テリー・ライス @terry_rice88

劇パト１と２、どちらも意識的に東京という「都市」を扱っているけど、議論の中心は「都市」というよりは「東京」なんだろう。押井監督がパトレイバーで描こうとしたのはそこに一点に尽きるのかもしれない。東京を忌避するために特車二課の本拠地が東京湾岸の埋立地に設定されたと考えるとしっくり来る

テリー・ライス @terry_rice88

Nowhere Land(どこにもない土地）を東京で探すとなると至難の業だ。それくらいに都市として過密な東京を押井監督は嫌ったんだと思う。いつ何が起こっておかしくない剣呑な都市こそが「東京」なわけ。特車二課はそういう所から離れるけどその実、ここも「東京」というのを表現したのかも。

テリー・ライス @terry_rice88

で、あるから。劇パトにおける後藤隊長の剣呑さも、東京に対しての剣呑さでもあり、彼が主格になるのはなんら間違ってないけど、それは東京近隣以外の人たちにとっては、結構なんのこっちゃな問題意識なのかもしれないなあ。けど震災を通過した現在、国民の意識レベルとしてこの意識は高まってるかも

テリー・ライス @terry_rice88

初期OVAはお気楽な警官ものと押井監督の感じる東京観が入り混じって、バランスが取れているんだろうけど、それが以降の劇パトとTVシリーズ、後期OVAで要素が二分してる気もするなと。