茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第906回「ぼけの方が、創造的なんだよ。」

脳科学者・茂木健一郎さんの4月11日の連続ツイート。 本日は、洞察系、これでどうだ系ツイート。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、ミラノでおはよう。現地は今午前6時です。

2013-04-11 12:59:58
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート906回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、洞察系、これでどうだ系ツイート。

2013-04-11 13:26:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぼそ(1)何週間か前か、誰かと雑談していて話したことが昨日になってなんとはなしにまた気になり始めたので、防備録としてツイッターに書いておく。それは、漫才における「ぼけ」と「つっこみ」の関係である。周知のように、ぼけは常識に反したこと、間抜けなことを言い、つっこみがそれを修正する。

2013-04-11 13:28:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぼそ(2)ツービートで言えば、ビートたけしさんがぼけで、むちゃくちゃなことを言い、ビートきよしさんが、つっこみを担当する。ダウンタウンで言えば、松本人志さんがぼけであり、浜田雅功さんがつっこみである。紳助・竜介で言えば、島田紳助さんがぼけであり、松本竜介さんがつっこみである。

2013-04-11 13:31:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぼそ(3)それで、先日雑談していた時に私がとつぜんソウダ! と思ったのは、ぼけの方が、つっこみよりも、いろいろ創造的なことをするケースが多いということである。ビートたけしさん、松本人志さん、島田神助さんと並べてみると、映画をとったり、いろいろ活躍されているのがわかる。

2013-04-11 13:33:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぼそ(4)ぼけとつっこみでは、ぼけの方が創造的である。これは大切なポイントだと思う。もちろん、あくまでも役割であって、つっこみの人の才能がぼけの人に劣るというわけでは必ずしもない。しかし、ぼけこそが創造性の本質だということを把握しておくことは、生きる上で大切なことだと思う。

2013-04-11 13:34:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぼそ(5)従来、ペーパーテストで点数を上げて、東大に入るような人を「賢い」と言ってきた。常識の塊だという意味でつっこみエリートと言えよう。だから、あまり創造的なことができない。創造的なことをやるということは、つまり、つっこみどころ満載で、無防備なぼけとして生きなければならない。

2013-04-11 13:35:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぼそ(6)何かをやるということは、つまり身をさらすということだし、諸方面からつっこみどころ満載だと思われることなのだけれども、そういうぼけポジションをとらないと、新しいことなどできるはずがない。つっこみは、いわば後だしじゃんけんであり、賢いことだったら誰でも言える。

2013-04-11 13:36:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぼそ(7)これは、矢作俊彦さんがfacebookで書いていたことだけど、パリのカフェではっと見上げると、前に長島茂雄さんが立っていて、目があったという。そしたら、長島さんいきなり「こんにちは、おひさしぶり。長島茂雄です!」と言って握手してきたという。もちろん初対面である。

2013-04-11 13:37:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぼそ(8)ぼけポジションは、大らかであり、常識にとらわれない。のびやかに生命を全うしている。だからこそ新しいことに挑戦できるのである。漫才がぼけとつっこみによって成立しているように、社会としてのバランスはつっこみがあって初めて成立するが、それは創造性のエンジンではない。

2013-04-11 13:38:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

ぼそ(9)ツイッター上では、つっこみポジションをとる人が比較的目立ち、何かと言えばそれは違うだとか、お前はわかっていないとか、うるさくやっている。ぼけポジションをとるのはむずかしいことかもしれないが、やってみればよい。ぼけ、つっこみは生まれつきじゃないんだから、練習次第だよ。

2013-04-11 13:40:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート906回「ぼけの方が、創造的なんだよ。」でした。

2013-04-11 13:40:40