ライトノベルの「ライト」から考える。
小説を書くことは、現実あるいは架空の環境において作者が配置したキャラ(人間に限らない)のビヘイビアの関数を読者に提示することに他ならないと。その関数が検証に耐えられなければ、論理が破綻した小説だと評価されると。小説世界と社会学はここでつながっているのかな。
2010-09-08 13:52:12で小説の一形態であるライトノベルについて考える。「ライト」って何だろうか。価格でも文体でもイラストでもなければ、読書感がライトって意味ではないかな。作品が深刻なテーマを抱えていても、それを読者はヘビーな問題と認識しない。たとえ作品の環境が現実社会と密接にリンクしていたとしても。
2010-09-08 13:55:29ではライトノベルと社会との関わりはどうなっているのだろう? 多くのライトノベルが敢えて社会とコミットしようとしないのならば、そこにはどんな意味があるのだろう?
2010-09-08 13:59:42要するに、読者は作品には共感しても、作品が触れたテーマについて深く考えたくはない。思考ゼロとは言わないが、あくまでもライトなレベルに留める。それがライトノベルという小説ジャンルの担っている役割かもしれないと思った。
2010-09-08 14:05:05さきほど, @SocratesInLove さんの,ライトノベルについての考察をRTしました.現代の小説にあってライトノベルにないものの一つは,"絶望"だとおもいます.もっともライトノベルをそんなに数読んでいないので,絶望について秀逸なものがあればぜひお教えください
2010-09-08 23:03:25あれだけの作品が発表されているジャンルだから中にはいろいろあって、上遠野浩平のブギーポップは笑わないなんかはそういう批判に当たらない作品に思えます。個人的にお勧めでもある。RT @SocratesInLove:要するに、読者は作品には共感しても、作品が触れたテーマについて深く考え
2010-09-08 23:03:50絶望の表現者として,小説家では中原昌也氏は大変に優れていると思います.わずか2,3行で,どうしようもない空疎な絶望の世界に突入できる.いっぽう,ぎっちり詰まった絶望を描いたのは誰?漱石の“こころ”でしょうか?
2010-09-08 23:05:35絵画だと,我が同郷の香月泰男のシベリアシリーズが,日本で最も絶望の絵画だとおもいます.この絶望は,悼む絶望.海外だと,自分としては80年代のジュリアン・シュナーベル.
2010-09-08 23:09:48絶望の映画作家といえば,大専門家 @wonosatoru 先生がおられるので,恐縮ながらゴダールだな.これも空疎な絶望から出発した人だが,“映画史”はぎっちり詰まった絶望の映画史としか思えない.
2010-09-08 23:12:47絶望といえば,“絶望先生”は欠かせないと思います.これは,おぼっちゃまの(そして我々一人一人の)ひとりよがりな絶望が,端から見ると,どのくらい底が浅くて笑えるかというのが一つの柱.とても高度な笑いのシステムを作り上げている
2010-09-08 23:15:15絶望の秀逸な表現として,最近感心したのが,クリス・マルケルのLa Jutée (1962).ほんの一瞬の幸福が,全体の絶望を非常に引き立てる.http://amzn.to/9lxsJT
2010-09-08 23:20:02さて,漆黒の絶望の描写でうならせてくれるライトノベルあるいはノベルゲームというのははあるのでしょうか?
2010-09-08 23:23:47.@shigekzishiharaたしかにライトノベルに絶望はなかなか無いと思いますが、物語りとしての絶望は逆に多いような気がします(セカイ系)。つまり読者自身に向けての実存的な絶望こそがラノベでは無視されていると思います
2010-09-08 23:56:15うまいこと言うね.感心しました.僕の言っているのはもちろん後者.RT @imagoka: たしかにライトノベルに絶望はなかなか無いと思いますが、物語りとしての絶望は逆に多いような気がします(セカイ系)。つまり読者自身に向けての実存的な絶望こそがラノベでは無視されていると思います
2010-09-08 23:58:09ただ,セカイ系には,脱出/改変があるので,そんなに絶望から始まり絶望に終わるかなと思ってみたり.言うほど読んでないので誤解はきびしく指摘ください
2010-09-08 23:59:21.@shigekzishihara つまり、ラノベに関しては、読んでる読者の実態(職業、経歴など)は横に置いといて、物語りとしての話が進んでいるような感じがします。総じて、「セカイ系の絶望=読者自身の絶望」とはならないことが重要な気がします
2010-09-09 00:02:50@imagoka うまい.まさにそこ!.冴えてるね!! そこが,結局,ラノベのラノベたるところなのかもしれない.
2010-09-09 00:04:53「セカイ系の絶望=読者自身の絶望」とはならない ( @imagoka )のなら,さあ,だれがそれをぶちこわしてくれるのかな? わくわく.
2010-09-09 00:13:29さて,Reich〜Can〜グラス〜Polyrockという流れと同時進行で,“絶望”の表現とラノベの話題を進めてきました.ここで,全てを統合して,Joy Division - She's Lost Controlをお送りして締めにします.http://bit.ly/aeRaSm
2010-09-09 00:20:03ただ動物化のこと考えると、ラノベを選ぶ作業時点で自分の好きな(安全な)ものを選ぶ事になるので、もはやぶち壊したところで、そういうラノベは読まれない現状があるかもです@shigekzishihara「セカイ系の絶望=読者自身の絶望」とはならないのなら,さあ,だれがそれ…
2010-09-09 00:22:36@imagoka そろそろ,ラノベ読者も進化するころでしょう.そもそも優れた絶望の描き手は小説全部を通して少ないと思います.優れた読み手によって優れた書き手が出て来る可能性を信じたい.
2010-09-09 00:27:52@shigekzishihara簡単に書けば、その作品はライトノベルなのか?問題に行くわけですが、別にそこをラノベに求めるわけではないというスタンスになるのだろうかぁ
2010-09-09 01:19:29もしかして、実存的な絶望と作家性とは切っても離せない関係にあり、もはやそこにある絶望は、作品にあるのではなく作家(作品群)に強く求めてしまう可能性を考えてしまうわけだが、ちょっとこの考えは苦しいかな。
2010-09-09 01:24:59