《要求されたのは「結論」だった》

東電原発事故発生以来、なぜ福島県からの大規模県外避難が起きないのか。改めて、考えてみました。 「県外避難はしない」という「結論」が共有されたからではないか?ということを考察してみました。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

例えば、2011年4月に「帰りたい、帰れるか?」と山下俊一氏に質問した浪江町の女性の「帰る」は、「帰って元通りに生活する」の意図だった。それに対して山下氏は「一年以内に帰れる」と一時帰宅のつもりで答えてる。でも、浪江町の女性は「帰って住める」と思って喜んだ。勘違いは誰の責任か?

2013-05-04 23:44:36
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

やっぱり、福島県民の認識が、あまりにも甘かったのではないか?チェルノブイリの事績を見、まだ原発事故が収まらないことが誰の目にも間違いなくわかる2011年4月の段階で、避難指示地域に戻って住む算段をしたり、妊婦と子どもを避難させない前提で「復興」を目指したりさせる方が異常だった。

2013-05-04 23:48:43
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

思えば、チェルノブイリ原発事故直後の30キロ圏内に関しても、地元の要職にある人々の多くは、住民一斉避難に難色を示している。「有力者」とは基本的に、地域の住民を逃がしたくないものだ。旧ソ連でそれを押し切って避難にこぎつけたのは、たった一人の女性幹部だった。こんな人は普通はいない。

2013-05-04 23:51:51
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

住民の中から不安が生まれ、不信と不満となり、避難につながる。大量自主避難が起きるとすれば、それしかなかったのだ。現実の日本では、不信と不満は生まれたが、愚痴か沈黙で終わってしまった。これまでの習性通りに。

2013-05-04 23:54:28
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

ちょっと知識があれば「1ミリシーベルトで、細胞の遺伝子が1本破壊される。マイクロシーベルトの単位では何も起きない」などという話はスルーできない。しかし、なぜ山下氏の話はそれで通ったのか?殆どの人が、内容や理由に興味を示さなかったからだ。結論だけが欲しかったのだ。

2013-05-04 23:56:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

結論とは。2択で示されるものだ。安全か危険か。避難すべきか留まるべきか。健康被害が出るか出ないか。誰かが悪いのか誰も悪くないのか。中間はない。

2013-05-05 00:16:29
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

結論が示されたら、結論に至る過程は、何でも良い。みんなが同じ結論を持つことだけが必要。過程が食い違っていても構わない。

2013-05-05 00:18:29
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

その中で一番回避しなければならないのは、結論を共有できないこと。違う意見の人が相当数いて、しかも違う意見の人が、集団の中に留まること。ごく少数の違う意見は押しつぶせば良い。違う意見の人が出て行けば良い。「みんな同じ」と安心できないことが、困る。

2013-05-05 00:27:15
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

東電原発事故発生直後、福島県知事は「住民を県外に避難させない」という方針を表明した。菅首相(当時)もそれを追認した。この段階で結論が出たのだ。「遠距離への避難はしない」と。

2013-05-05 00:29:04
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

その後、「県民」は結論の中で、「すべきこと」や「できること」を考えた。「県外への避難はしない」という結論の中では、それぞれが過程を勝手に考えて良い。ただし、節目での「結論」は共有が必要だ。「農業は続ける」「沿岸の漁は当面再開しない」など。

2013-05-05 00:32:13
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

結論にはこういうものもあった。「大人は戦え」「小中学生にはマスクを当面着用させる」「活気を取り戻す為のイベントは正しい」 県のアドバイザーや県教育委員会がなんと言おうが、結論が共有されている間はひっくり返せない。結論を変更しようと思う人が多数になると、ある時点でガラッと変わる。

2013-05-05 00:36:39
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

だから、子どもの小学校への自動車送迎のように、変更される結論もある。水道水への不信のように、表向きはともかく実態は変更されない結論も残る。経済的に無理な結論は変更される可能性が大きいのだ、という推測はできる。しかし、今後の予測は、非常に困難だ。

2013-05-05 00:39:46
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

例えば、どれくらいまで健康影響への不安は許容されるのか?「山下俊一氏の話に科学的な間違いがあり、山下氏は善意で福島県に来たのではない」は、おそらく福島県内の「結論」に加わったのだろう。難しいのは「結論」は暗黙の了解事項(「空気」)なので、いちいち確認してはいけない、ということだ。

2013-05-05 00:44:57
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

しかもこの「結論」は、外部との共有を必要としないどころか、外部の存在を想定さえしないで良いのだ。原発事故に関する「結論」は最大限で福島県全域で共有できれば良いことなので、県外の汚染地との共有は想像さえされていないだろう。当然「結論」が変更されても、県外への周知はしないだろう。

2013-05-05 00:48:38
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

この考察が、どれくらい日本全域に適用できるのか、私にはわからない。「空気読めよ」という話に関する問題は、日本全国で広がったはずだが。その「空気」はどこからどこまでが適用範囲なのか。それを感じ取るのも「空気」の力なのだろう。

2013-05-05 00:51:34
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「結論」を承服できずに、遠距離に移動してしまった私は、言い換えれば「空気を読めない」人だったのだろう。原発事故と、原発に関する日本全体の「結論」は、今年中にまた変わるのかもしれない。変わらないのかもしれない。安倍首相は国民の「空気」をいつまで読み続けることができるだろうか?

2013-05-05 00:54:33
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「空気」または「結論」は、経済的な条件によって変わる傾向がある、と私は先ほど書いた。つまり、景気が「回復」しなければ、「安倍首相は正しい」という「結論」が変わるだろう。そうなると、つられて他の「結論」も変わるかもしれない。

2013-05-05 00:56:36
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

そうそう、一番大事なことを書き忘れていた。「福島とチェルノブイリは違う」「福島はチェルノブイリにはならない」というのが、2011年3月12日には出ていた「結論」でした。この「結論」は、今も福島県内では変更されていないはずです。途中の説明や過程は、今までのところ、無力です。

2013-05-05 01:08:09