小説風日記

まとめてみた
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常盤治 @TokiwaOsamu

雨で辺りは一層暗く、銀河鉄道の夜の様

2013-03-01 21:02:17
常盤治 @TokiwaOsamu

蛍光灯に照らされた夜桜はどこか不気味だ

2013-03-25 23:38:12
常盤治 @TokiwaOsamu

「もうすぐ出来るから、もうちょっと待ってね。」パチパチと油の弾ける音の向こうから、優しい声が聴こえた。

2013-04-13 15:28:32
常盤治 @TokiwaOsamu

少し冷たさを残した風の吹く、晴れた春の日午後。軒先に掛かった吊り旗が、コンコンと壁に当たりながら色んな表情を見せていた。

2013-04-13 15:44:47
常盤治 @TokiwaOsamu

店の奥には生活スペースと思われる居間があり、古い型のテレビからは昼の番組がBGM代りに流れていた。二度、声を張って呼び掛けてみたが返事がなかったので、開いた戸の曇りガラスを数回叩いてみると、老夫婦はゆっくりと顔を出した。

2013-04-13 15:58:22
常盤治 @TokiwaOsamu

酷く軋む階段を上ると、古びた色とりどりのトタン屋根が視界に並んでいた。街の上半分だけを切り取った、秘密基地のようなその場所は、「立入禁止」と書かれたかわいらしい女性の字のメモが貼られていて、一層僕の好奇心を擽った。

2013-04-28 13:17:40
常盤治 @TokiwaOsamu

店内の様子を伺う為の覗き穴に目を近付けながら、恐る恐る薄い空色のドアを開けると、室内である事を疑うほどの植物で空間が覆われていた。人の良さそうな店主と思われる人物がカウンターから顔を出し、私語厳禁の旨を小声で伝えてくれた。

2013-04-28 13:32:54
常盤治 @TokiwaOsamu

どうやら空いているところなら好きな席に着いて良い様子であった。水槽のある席が魅力的だったが、生憎先客が居たので、一番手前の窓際に座った。 窓のサッシには数冊の使用感のあるメモ帳が立て掛けられ、筆談にお使い下さいと印字されていた。

2013-04-28 13:40:49
常盤治 @TokiwaOsamu

そのうちの一冊を慎重に手にとった。人の想いが込められていることは、中を読まずとも伝わっていたからだ。一枚ずつ、頁を捲る。日々の独り言、日記のようなもの、苦悩のこころ、楽しげな会話、店主への要望など、様々な筆跡で多様に綴られていた。

2013-04-28 14:11:18
常盤治 @TokiwaOsamu

大道芸の賑やかな音楽が窓越しに聴こえていた。ふ、とそれが、放課後の校舎に響く吹奏楽を彷彿させた。 注文したフルーツジュースを店主が運んで来てくれる頃には、店内は静謐さを取り戻し、水槽の水音とクラシックの音楽だけが薄っすらと流れていた。

2013-04-28 16:22:28
常盤治 @TokiwaOsamu

ボーン、と低い音で振り子時計が時を知らせ、その静寂を破る。読書に集中していたら飛び跳ねかねないと思ったが、三度その鐘の音を聞く頃にはすっかり慣れていた。

2013-04-28 16:28:22
常盤治 @TokiwaOsamu

幼い頃、時計の秒針の音が静寂に響き、いつも一人眠れずに夜を過ごしていたことを思い出した。孤独を煽るこの音が僕は苦手で、これが時計を嫌う理由である。

2013-05-01 05:47:37
常盤治 @TokiwaOsamu

雀が座っている足の下を、くるっと通っていった

2013-05-05 16:56:14
常盤治 @TokiwaOsamu

傾斜屋根になった細長い空間には、5人掛け程ある幅の真っ白なソファーが二脚並び、中庭に面したパノラマのガラス窓から入る光で満たされていた。クッションに取り込まれるように腰掛け、遠く聴こえる波音を感じながら、心地よい微睡みに身を委ねることにした。

2013-05-13 02:44:19
常盤治 @TokiwaOsamu

雨の降り出した朝、いつもより彩度の低い街並みに浮かぶ鮮やかな青に思わず目を奪われた。青い傘を持った女性が一人、俯きがちに此方へ向かってきた。寝癖がついたままの黒い髪を頬の横で踊らせ、眼鏡の向こうには少しの鋭さを秘めていた。

2013-05-29 06:56:02
常盤治 @TokiwaOsamu

立ち並ぶ墓の間を通り抜け、大きく枝を広げた樹の下で腰を休める。サワサワと風に揺れるのが、波音のようで心地良い。

2013-06-22 13:11:36
常盤治 @TokiwaOsamu

立地的なものからか、近所のスターバックスは学生で溢れていた。携帯プレイヤーで音楽を聴いていたり、ノートパソコンを開いて何か作業していたり、まるで大学のカフェテリアだ。そう思ってしまうと、忽ち学生時代の孤独が感覚として蘇る。

2013-06-30 02:56:25
常盤治 @TokiwaOsamu

カーテンを開けて灯りの方を見たら、誰かの長い夜が在った。

2013-09-07 05:07:59
常盤治 @TokiwaOsamu

ベッドに横になると、僕の部屋の窓は空に変わる。まだ昇らない太陽の代わりに、ガラスに映り込む白熱灯。

2013-09-07 05:15:36
常盤治 @TokiwaOsamu

換気扇の音と揺れる視界とめぐる思考だけの止まったような時間がある

2013-09-21 03:30:38
常盤治 @TokiwaOsamu

眼前に白く浮かぶコンビニ袋があった。街に溶け込んで空中を浮遊する様は優雅で、見ているだけで心地よさを憶えた。其れは意思をもったかのように上へ上へとゆったり舞い、終いにはビル群の間を抜けて消えていった。

2013-09-21 10:03:54
常盤治 @TokiwaOsamu

風圧で少し重いベランダのドアを開け、商店街で流れるクラシックが仄かに聞こえてくるのが好きだ。

2014-02-26 14:50:28
常盤治 @TokiwaOsamu

君は忙殺されて、たったひとつの約束事も忘れてしまうほどだ

2014-03-04 20:20:27
常盤治 @TokiwaOsamu

本物の雨音が一番素敵だ

2014-03-05 15:53:00