小出先生の京大原子炉は大丈夫なの?

今中先生、小出先生のホーム、大阪府熊取の京都大学原子炉実験所。 外見には長閑な住宅地の中の公園の様な風情ですが、いくらチビでも立派な原子炉。本当に大丈夫なのか、実はかなり疑っておりました。 buvery先生との会話が切っ掛けで、f_zebraさんに詳しく教えていただくことが出来ました。
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buvery @buvery

バカボンが小出さんを敵認定しています。在日認定みたいなものだな。

2013-05-13 13:19:52
T.K. fukushimaタグ付けよう @aizujin_k

@buvery これだけは、東海アマの言っていることに一理あると思いました。私も、小出さんがなぜ熊取の京大原子炉を批判しないのか糾弾したことがあります。200メートル足らずのところに一般住宅や商店があるんですから。

2013-05-13 16:13:09
buvery @buvery

熊取原子炉の出力は5MW、発電用の原子炉は1GWだから、規模が0.5%程度なんです。RT @aizujin_k: 小出さんがなぜ熊取の京大原子炉を批判しないのか糾弾したことがあります。200メートル足らずのところに一般住宅や商店があるんですから。

2013-05-13 16:53:36
T.K. fukushimaタグ付けよう @aizujin_k

はい、その時にも、そういう説明を戴きました。しかし、グーグルストリートで見ても、誰でも直近まで出入り可能な穴だらけのセキュリティに見えます。放射能漏れがあったとき、知らずに子供が近くで遊んでいてもわからない。@buvery 熊取原子炉の出力は5MW、

2013-05-13 17:11:01
buvery @buvery

炉心を溶融させないためには、発生する熱を除去すれば良いのですが、熱が小さいと、色々手段がとれます。空冷でもよければ、溶融することはないから。でもこういうのは、@f_zebra さんに聞いた方がよいですね。RT @aizujin_k: 放射能漏れがあったとき

2013-05-13 17:13:39
T.K. fukushimaタグ付けよう @aizujin_k

@buvery そうですね。私には解らないことですが、実際に大事故が起きる可能性は低いのだろうと思っています。だけど、小出さんの理屈ならまず自己批判だろうと・・・@f_zebra

2013-05-13 17:19:35
T.K. fukushimaタグ付けよう @aizujin_k

@buvery でも、@f_zebra さんに、一度詳しくお聞きしたいです。小さな実験原子炉の実情もある程度理解しておきたいなあと思います。

2013-05-13 17:51:33
Flying Zebra @f_zebra

@aizujin_k 話の流れが読めてませんが、私に分かることでしたらお答えしますので何でも聞いて下さい。京大炉は正直よく知りませんが。 @buvery

2013-05-13 23:50:48
T.K. fukushimaタグ付けよう @aizujin_k

@f_zebra 有難うございます。京大のは、発電炉に比して極めて小出力とのことですが、一般住宅商店の密集地にあり、敷地内に子供でも入り込めそうな警備状況に見受けられます。危機対策の観点からどう評価すべきなのか疑問でした。@buvery

2013-05-14 05:16:11
Flying Zebra @f_zebra

@aizujin_k 外からしか見たことがありませんが、確かに厳重な警備ではなさそうですね。規制の枠組みの違いを含め、時間がある時に少し調べてみます。しばらくして回答がなければ忘れている可能性が高いので、催促して頂ければ。 @buvery

2013-05-14 08:12:37
T.K. fukushimaタグ付けよう @aizujin_k

@f_zebra 素人の思いつき質問でお手数をお掛けして申し訳ありません。@buvery

2013-05-14 09:12:36
Flying Zebra @f_zebra

T.K. ‏@aizujin_k さんの質問をきっかけに、研究炉の安全性について調べてみました。知らなかったことも色々あって、自分でも勉強になりました。せっかくなのでご紹介します。以下字数節約のためメンションは省略します。 @buvery

2013-05-14 19:40:27
Flying Zebra @f_zebra

まず「研究炉」の定義ですが、原子炉等規制法では、試験研究の用に供する原子炉(試験研究用原子炉)および研究開発段階にある原子炉(研究開発段階原子炉)を「研究炉」として規制しています。臨界実験装置も研究炉に分類されます。

2013-05-14 19:41:17
Flying Zebra @f_zebra

常陽、ふげん、もんじゅもこの分類では研究炉ですが、IAEAの分類ではこれらは発電炉と同じ動力炉に分類されています。また、臨界実験装置についても別の分類です。熱出力はJAEAの研究炉でも数10MW、大学の研究炉はほとんどが数MW以下です。臨界実験装置は200Wくらいです。

2013-05-14 19:42:00
Flying Zebra @f_zebra

発電炉と異なり炉型や燃料、冷却系統はバリエーションが豊富ですが、いずれも発電炉に比べると施設規模が小さく、低出力、低温、低圧です。冷却系が全く不要な施設もありますが、強制循環水の冷却系を備えた施設でも最終ヒートシンクは大気放熱です。

2013-05-14 19:42:25
Flying Zebra @f_zebra

例えば熊取のKUR(京大炉)は熱出力5MW、冷却材(軽水)の温度は炉心出口の最高温度で55℃です。当然加圧もされておらず、大気圧です。大型PWRだと熱出力は3,400MW、出口温度で300℃以上、圧力は15MPa(約150気圧)になります。

2013-05-14 19:43:17
Flying Zebra @f_zebra

KURを含め、大学研究炉の多くはスイミング・プール型の原子炉です。その名の通りプール状の四角い水槽に水を張り、中央に上部から燃料や制御装置を吊す形になっています。水で十分に遮蔽されているため、窓から運転中の炉心を見ることもできます。

2013-05-14 19:44:23
Flying Zebra @f_zebra

出力が小さいことに加え、冷却材が加圧されていないというのは安全上非常に大きなメリットです。加圧された系統は配管に小さな穴が開けば内部流体が噴出して穴を拡げますが、大気圧であれば滴る程度で済みます。ボイラーの取り扱いに国家資格が必要な理由はここにあります。

2013-05-14 19:45:18
Flying Zebra @f_zebra

ちなみに、もんじゅのような液体ナトリウム冷却炉も過酷事故が極めて起きにくいのですが、冷却材が加圧されていないのが大きな理由です。ただ、ナトリウムの場合は空気に触れると容易に発火するため、火災リスクは大きくなりがちです。(過酷事故には繋がりにくいです)

2013-05-14 19:46:00
Flying Zebra @f_zebra

福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、研究炉でも電源機能等が喪失した場合の炉心および使用済燃料の健全性を評価しています。その結果、大学の研究炉については全て炉心等の損傷に至ることはないことが確認されています。

2013-05-14 19:46:23
Flying Zebra @f_zebra

なお、評価では常陽については3.5ヶ月後に使用済燃料の冠水が損なわれ、HTTRでは28日後に使用済燃料収納ラックが損傷、JRR-3では43日後に使用済燃料の冠水喪失、という結果が出ています。これらは全てJAEA(日本原子力研究機構)が所有する高出力の研究炉です。

2013-05-14 19:46:47
Flying Zebra @f_zebra

もう少し補足すると、冷却材が大気圧のため冷却材喪失が起きにいことに加え、元々最終的に空冷なので、最終ヒートシンク喪失もあり得ません。そして原子炉のある建屋は気密性の構造で、常時負圧に保たれています。(電源を喪失すれば換気系は止まりますが)

2013-05-14 19:48:05
Flying Zebra @f_zebra

このように、研究炉では過酷事故のリスクは極めて小さいのですが、核物質を扱うため、IAEAの保障措置の対象となっています。つまり、厳密な核物質計量管理やその補助手段として封じ込め・監視が行われ、頻度は少ないものの査察も行われています。

2013-05-14 19:48:48
Flying Zebra @f_zebra

研究炉でも発電炉と同様に、管理区域への入出域は厳密に管理されます。出域時はハンドフットクロスモニタという機械で全身の汚染をチェックされます。主な目的は被曝の検知・防止ですが、意図しない汚染の持出しや核物質の意図的な持出しを防ぐことも重要な目的です。

2013-05-14 19:49:58
Flying Zebra @f_zebra

なお、保障措置(SG:Safeguards)とは、原子力の平和利用を担保するため、核物質並びに設備、資材および情報が、核兵器その他の核爆発装置の製造等に転用されないことを確認する為の措置のことです。

2013-05-14 19:50:30