劇評について

ワンダーランドに掲載された『紙風船文様』クロスレビューとそれに対する西尾さん(『紙風船文様』構成・演出)の応答から派生したやりとりのまとめです。
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やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

ワンダーランドに寄せられた西尾さんの「戯曲の解釈は妥当だけれど、それを具体化するための上演方法のアイディアがまずいんじゃないか?」云々を書くのが劇評なんじゃないかということについて考えている。→

2013-05-16 02:28:01
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

それはつまり「意図(やろうとしていること)」と「手段」とその「妥当性」に対する評価ということなのだと思う。でもそういう劇評を欲するのならば作り手の方からもっと発信をしてもいいんじゃないのだろうか(そうあるべきだとさえ思う)。→

2013-05-16 02:34:00
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

というのは、劇評というのはどこまでいっても書き手に「何が」「どう見えたか」でしかないからだ。劇評の中で「意図」と「手段」とその「妥当性」への評価がなされていたとして、そもそもその読み自体が全く妥当でないということは往々にしてあるだろう。→

2013-05-16 02:39:31
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

「意図(やろうとしていること)」が明確であればそれに対する評価も出来ようが、その「意図」自体が書き手が読み取ったものである場合、評価の基準は仮定的なものとしかなりえないだろう。もちろん書き手の側は「意図」を掬い取る努力をしなければならないと思うけど、→

2013-05-16 02:49:29
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

一方で、それならば「答え合わせ」と大して変わらないのでは?それじゃあダメなの?とも思う(言葉で「意図」を明確に説明することのできる作り手とできない作り手がいて、できない作り手にはより一層書き手が寄り添う必要があるとも思うけど)。→

2013-05-16 02:52:50
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

ところで、評価としての劇評以外にも劇評はあり得る(と俺は思っている)。劇評が提示できるのは書き手が「何が/何を」「どのように見えた/見た」であり、ロジックやレトリック、資料的な引用などでそれを肉づけすることで説得力を持たせ文章としての面白みを獲得する。→

2013-05-16 02:59:52
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

つまり、そこで提示されているのは「見方」である。観客に(ここには潜在的な観客、未来の観客も含まれる)ある「見方」(「何を」「どのように見ることができるか」)を提示すること。そのことで作品の/劇団・作家の/演劇の間口が広がる。→

2013-05-16 03:11:23
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

一応今回の『紙風船文様』の自分の評にも触れておくと、「何を」「どのように見た」のかの「何を」の部分がほとんどないのがよくないなあとは思っている。字数(1000字)の問題もあったのだけど、「何を」の部分に役者が入るとうまく書けないというのが大きい。→

2013-05-16 03:15:46
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

劇評に説得力を持たせるためには「何を」の部分に具体性が必要だと思うのだけど、役者の演技を具体的に描写するというのがどういうことなのか、それは果たして可能なのかということが俺にはわからない(というか現時点ではほとんど不可能に感じる)。→

2013-05-16 03:19:36
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

しかし『紙風船文様』は夫婦二人の関係を描いた作品であり、役者の演技の微妙なニュアンスが全体のトーンを決定づける作品であったと感じた。結果として「何を」がない(役者の演技を、なのだがそれを書く力が自分にはない)、「どのように見た」だけの文章になってしまった。

2013-05-16 03:24:53
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

言いたかったのは3つ。作り手の発信がもっとあってもいいのではないかということ。評価とは別の劇評の機能があるのではないかということ。役者の演技に言葉は果たして太刀打ちできるのかということ(あ、これは疑問であり課題ですね)。

2013-05-16 03:28:40
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

西尾さんの文章への直接の応答ではない内容を含みつつ、話があまり整理されていない感もありますが、とりあえず以上が考えたことでした。

2013-05-16 03:30:15
西尾佳織 Kaori Nishio @nishiokawari

@yamakenta 山崎さん、ワンダーランドの原稿への応答、ありがとうございます。拝読して、私もいろいろ考えました。ちょっと、量が膨大になってしまうのですが、書いてみようと思います。

2013-05-16 12:34:56
西尾佳織 Kaori Nishio @nishiokawari

@yamakenta 「『戯曲の解釈は妥当だけれど、……』云々を書く」というのは、劇評の機能のあくまで一例です。それが劇評の全てだとは思っていません。もっと色々できるはずと思っています。ただ、私の言った「コンクリートである」とは例えばどういうことかを、示す意図でした。

2013-05-16 12:40:43
西尾佳織 Kaori Nishio @nishiokawari

@yamakenta 「作り手から発信してもいい」とは私も思います。でも、「そうあるべき」と言われると、「え、そうなの……?(落胆)」という感じです。私は、そこは批評家が頑張ってくれよと思いますが、なかなか批評活動が起こらないので、自分で頑張るしかない、のか、、という思いです。

2013-05-16 12:44:10
西尾佳織 Kaori Nishio @nishiokawari

@yamakenta (そこは、劇評なりなんなりを書こうと思わせる作品のレベルに自分が至っていないということなんだろうか、という考えもなくはなくて、文句ばっかり言ってられる気持ちではなく、ぐぬ、となっています)

2013-05-16 12:47:07
西尾佳織 Kaori Nishio @nishiokawari

@yamakenta 「劇評というのはどこまでいっても書き手に『何が』『どう見えたか』でしかない」というのは、同意です。

2013-05-16 12:48:28
西尾佳織 Kaori Nishio @nishiokawari

@yamakenta 「(批評家による)そもそもの読み自体が全く妥当でない」というのは、その批評家にセンスがないということで、問題にしなくていいと思います。

2013-05-16 12:49:10
西尾佳織 Kaori Nishio @nishiokawari

@yamakenta たぶん、山崎さんのおっしゃる「読みが妥当である」は「作家の意図を汲めている」を指しているのだと思いますが、私は、作家の意図とは別の(作家が思いもかけなかった)、作品に対する妥当な読みがあり得ると思っています。

2013-05-16 12:50:15
西尾佳織 Kaori Nishio @nishiokawari

@yamakenta 「評価の基準は仮定的なものとしかなりえない」のは、当たり前ではないでしょうか。他人の作品に対して、批評家が自分なりの軸を立てるから面白いのだと思います。その軸が的外れな可能性も大いにあるから、批評を書くなんて本当に恐ろしくて勇気のいることだなと思いますが。

2013-05-16 12:52:28
西尾佳織 Kaori Nishio @nishiokawari

@yamakenta 乱暴な言い方をすれば、作家の意図なんて、上演から見えてこなかったのであればハイそれまでよ、でいいと思います。必ずしも、そんなに寄り添ってあげなくていいと思います。

2013-05-16 12:53:56
西尾佳織 Kaori Nishio @nishiokawari

@yamakenta (寄り添って、この作家の言葉を拾い上げたいと思う場合は別ですが。そういうこと、私は望んでいるし、そう思われる作家であれたらよいなと思います。作品についてだけでなくもっと広く、日々考えていることについて、インタビューされるとか)

2013-05-16 12:55:49
やまけん🏳️‍⚧️🏳️‍🌈 @yamakenta

つまり、そこで提示されているのは「見方」である。観客に(ここには潜在的な観客、未来の観客も含まれる)ある「見方」(「何を」「どのように見ることができるか」)を提示すること。そのことで作品の/劇団・作家の/演劇の間口が広がる。→

2013-05-16 03:11:23
西尾佳織 Kaori Nishio @nishiokawari

@yamakenta これも同意です。でも、「何を」「どのように見ることができるか」に至るまでに想定しているプロセスが、私と山崎さんとではきっと違っているんだなと思います。

2013-05-16 12:59:11
西尾佳織 Kaori Nishio @nishiokawari

@yamakenta 私は、上演として舞台に現れるものが全てだと思っています。劇評には、書き手が何を見たかが書かれます。作家がどんなに壮大なことを意図していようと、見えなかったものは、書かれません。見えなかった場合は、上演か、批評家の目か、どちらかが足りなかったのだと思います。

2013-05-16 12:59:59