2010.9.18 藤川大祐先生による「即興について」のツイートまとめ

◆藤川大祐先生(@daisukef)のTwitterプロフィールより ●Name 藤川大祐 ●Location Tokyo, Shinagawa ●Web http://dfujikawa.cocolog-nifty.com/jugyo/ 続きを読む
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藤川大祐 @daisukef

さて、今朝の連続ツイートは、新幹線車内から無線LAN+iPadを使い、「即興」について書かせていただきます。

2010-09-18 07:32:52
藤川大祐 @daisukef

即興(1)話術のツイートでも演劇にふれたが、授業について考える時、演劇は多くの示唆を与えてくれる。演劇教育というテーマがあり、主には児童生徒への演劇指導を扱っているが、授業を演劇の観点から見ることにもつながる。私はこれまで、さまざまな演劇教育の研究会に参加させていただいた。

2010-09-18 07:38:04
藤川大祐 @daisukef

即興(2)演劇というと、声や身体の動きで、あらかじめ定められた役になりきるものと思われるかもしれない。だが、決められたことをその通り演じるだけでは、「段取り芝居」 などと批判される。その場で人が生きていない感じがしてしまうのである。状況に反応しつつ生きることが求められる。

2010-09-18 07:42:02
藤川大祐 @daisukef

即興(3)演技の練習に、2人で即興で演じるものがある。最低限の設定だけを決め、相手が創り出した状況を受け入れつつ自分も状況を創る。「こんにちは、山本さん」と言われたら、自分はその相手に「山本さん」と呼ばれるような何者かとしてその世界を生きなければならない。

2010-09-18 07:45:14
藤川大祐 @daisukef

即興(4)名古屋には即興演劇の番組がある。TBS系テレビ局CBCが十数年前から放送している「スジナシ」だ。笑福亭鶴瓶さんが毎回1人のゲストとともに10分程度の即興ドラマを演じる。最近はTBSが水曜深夜に放送しているほか、スカパー!!等でも視聴できる。

2010-09-18 07:49:08
藤川大祐 @daisukef

即興(5)「スジナシ」が始まった頃、私は名古屋の金城学院大学に勤務していた。メディアリテラシー教育研究会中部支部を作り、東海地区のメディア関係の方々をお招きして話をうかがっていた。「スジナシ」を作ったディレクターの方にもお話をうかがったことがある。

2010-09-18 07:51:12
藤川大祐 @daisukef

即興(6)「スジナシ」を作った方は、役者の本気の姿を見てほしかったと話してくれた。筋書き通りの番組、余裕のある番組ばかりでは伝わらないものを伝えたいという思いに共感した。

2010-09-18 07:56:24
藤川大祐 @daisukef

即興(7)教師はどうだろうか。リスクを避け、筋書き通りの授業を目指してしまい、その場を生きることを忘れていないだろうか。授業の中で生じた重要な問題を、子どもと一緒に真剣に考えることはあるだろうか。予想外の子どもの発言に本気で向き合うことがあるだろうか。

2010-09-18 07:58:59
藤川大祐 @daisukef

即興(8)「スジナシ」でもアナウンスされているが、即興では時に辻褄の合わないことも生じる。しかし、そうしたリスクを負っているからこその輝きを感じさせてくれることがある。日常は安定して見える教師が時に即興を生きる姿を見せることは、本気でいることの価値を子どもに伝えるだろう。

2010-09-18 08:05:53
藤川大祐 @daisukef

即興(9)研究授業で指導案通り進めることばかりが意識される、研究会で棒読みの発表をする、自由な討議を設けず決まった人だけが発言するといったあり方が、教育関係では見られる。授業の名人と言われた野口芳宏さんは、指導案は何度も書いて最後は棄てろと言う。即興に身を置くことと解釈したい。

2010-09-18 08:10:42
藤川大祐 @daisukef

即興(10)受験や就職の面接でも、志望動機等をひたすら覚えようとする人がいる。覚えてきたことは言えても他のことが言えなくなってしまいがちだ。面接する側は、予想外の質問にどれだけ真摯に対応するかを見たいはず。スムーズでなくても、問いを受け止めてよく考え、誠実に答えてほしいはず。

2010-09-18 08:14:04
藤川大祐 @daisukef

即興(11)即興の場で力を発揮できるようにするには、当然、練習が必要だ。最近はインプロという言い方でワークショップ等が行われている。他方、知識や経験を増やしていかなければ、即興でできることはどうしても狭いままとなる。全然知らない状況を演じることは当然難しい。

2010-09-18 08:16:31
藤川大祐 @daisukef

即興(12)私は大学院生の頃、東大附属中高で5年間、数学の非常勤講師をさせていただいた。最初の頃、ベテランの教師に「教育方法よりも数学自体をゼミの形で学べ」と言われた。夏休みに3泊ほどの合宿に参加させてもらい、自炊やスポーツの時間以外、ひたすら数学のゼミをした。

2010-09-18 08:19:38
藤川大祐 @daisukef

即興(13)数学のゼミで、簡単には解決できない問題に膨大な時間をかけて取り組み、なんとか解決する経験をした。この経験は大きかった。生徒の考えを、それが正しくても間違っていても、それが何につながるのかを考えられるようになった。筋書きのない授業の醍醐味を味わえるようになった。

2010-09-18 08:22:35
藤川大祐 @daisukef

即興(14)教師が発問し、子どもが答え、教師はその答えに対応する。発問は準備できるが、対応を決めておくことはできない。授業には必然的に即興の要素がある。「スジナシ」に学び、即興を生きる強さを。

2010-09-18 08:25:13
藤川大祐 @daisukef

即興(15)音楽にも即興がある。特にジャズは即興の音楽である。即興の魅力は、ジャズをはじめとする音楽にも共通するであろう。音楽についてはまた別の機会に考えられればと思う。

2010-09-18 08:27:43
藤川大祐 @daisukef

以上、即興に関する連続ツイートでした。

2010-09-18 08:28:19
@RIOSAITO

おはようございます。楽しみです。“@daisukef: さて、今朝の連続ツイートは、新幹線車内から無線LAN+iPadを使い、「即興」について書かせていただきます。”

2010-09-18 07:35:04
Toshitaka Fukami @TFukami

自己研修としてインプロのワークショップに参加したことがありますが、意思疎通の醍醐味を感じました。RT @daisukef: 即興(3)演技の練習に、2人で即興で演じるものがある。最低限の設定だけを決め、相手が創り出した状況を受け入れつつ自分も状況を創る。

2010-09-18 08:05:16
@kotaro_A

確かに本気じゃなきゃあれはできませんね。 RT @daisukef: 即興(6)「スジナシ」を作った方は、役者の本気の姿を見てほしかったと話してくれた。筋書き通りの番組、余裕のある番組ばかりでは伝わらないものを伝えたいという思いに共感した。

2010-09-18 08:19:27
Eugene.Tokio🇺🇦🇵🇸tweet.meme @TweetMemeTokyo

.@daisukef 先生の連続ツイート、もう目が離せない。昨日以来、ファンなりました。FaceBookの方にもアカウントはあるのかな。

2010-09-18 08:25:20
ahonakaeru @ahonakaeru

@daisukef 「発問は準備できるが、対応を決めておくことはできない」。おっしゃる通り。

2010-09-18 08:28:52
ahonakaeru @ahonakaeru

@daisukef 学ぶことが生きることであるなら、学ぶことはすべて即興です。

2010-09-18 08:30:40
lifeinwonder @fromk

興味深いお話です…日本辺境論で読んだ「機」の議論に通じるものを感じました。RT @daisukef: 即興(2)決められたことをその通り演じるだけでは、「段取り芝居」 などと批判される。その場で人が生きていない感じがしてしまうのである。状況に反応しつつ生きることが求められる。

2010-09-18 08:31:19
藤川大祐 @daisukef

光栄です! FaceBook、アカウントはありますが今のところ使っていません。RT @7at1: .@daisukef 先生の連続ツイート、もう目が離せない。昨日以来、ファンなりました。FaceBookの方にもアカウントはあるのかな。

2010-09-18 08:32:52