終わりなき終末期医療の現実について

みんな自分の手は直接汚したくないんだよな・・・
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高須賀とき @takasuka_toki

医者という世界において治療などの医療行為を行うことは非常に簡単だけど、その行為の結果が満足や充実感に繋がるかというと、そういうわけでもない。悪(病気)がいた!じゃあ倒せ!という勧善懲悪な世界ではあまりない

2013-06-15 19:38:09
高須賀とき @takasuka_toki

医者になって何が得られるのか。今後一番必要とされるのは、綺麗な形で人を看取る道を提示してあげられる総合内科医だろう。現在非常に内科の医師が多いけど、日本の医師構造だと消化器とか循環器とか、いわゆる治療学がメインの人がほとんどで上手く見取りができる人というのは非常に少ない。

2013-06-15 19:40:54
高須賀とき @takasuka_toki

はっきり言ってしまうけど、ほとんどの医者は高齢者が嫌いである。そもそも人間は年をとれば体にガタがくるのは当たり前だし年齢とともにいくつかの疾患も抱えていく。周りも勝手に暮らしていてくれるうちはまだしも、一旦介護が必要になったとすると嫌な気になるだろう。で他へアウトソーシングされる

2013-06-15 19:45:54
高須賀とき @takasuka_toki

大体の流れとしては、まず喉がむせこむだとか高血圧高脂血症になるだとか、糖尿病になるだとか不眠になるだとかで開業医にかかることとなる。開業医も来た以上は何かしないといけないわけだから、対症療法(根本的治療ではなく、症状緩和のための医療)的に薬をだす。やれ咳止めやら眠剤やら。

2013-06-15 19:48:51
高須賀とき @takasuka_toki

これに一旦患者サイドが味をしめてしまうと、何かがおきる度に医者に行く。心ある医者ならその場しのぎの対症療法の前に、キチンと原因検索を行い原因が見つからなかったらキチンとフォローUPを行うという条件のもと、対症療法を一時的にだけ施行する。だけど殆どの日本の医者は適当に薬を出す。

2013-06-15 19:50:58
高須賀とき @takasuka_toki

大体の対症療法はうまくいく。原因は不明だが何かが体におきるのが年をとるという事だから。次回外来にて医者のもとに現れすっかりよくなりましたと患者はいう。本当は一度ここで薬をやめなくてはいけない。でも患者も薬を飲めば安心。医者も定期的な顧客ができるから安心。ここで魔の契約がかわされる

2013-06-15 19:55:33
高須賀とき @takasuka_toki

どんどんと内服薬が蓄積されていく。足がむくむから→利尿薬を使いましょう。腰が痛むから→鎮痛薬を使いましょう。酷いのになると、胸が痛い→狭心症治療薬を使いましょうみたいのすらある。恐らく日本の開業医の殆どがきちんとした薬の知識なしに、適当に薬を出している。

2013-06-15 19:57:29
高須賀とき @takasuka_toki

そして生まれるのがpoly drugユーザーという、よくわからないけど超多量に内服薬がある不思議な患者さんである。こういう人が病院にくると非常に面倒くさい。そもそも若い人が風邪薬ですらキチンと定期的に飲むのが難しいのに、いわんや高齢おやである。

2013-06-15 20:01:56
高須賀とき @takasuka_toki

心ある医者が入院を機に薬をやめたとする。面倒くさい思いをしながら合剤を使用したりなどして、薬を一本化しいらない対症療法の薬を削り、内服薬を極小にする。しかし患者の退院とともに、全ては元の木阿弥へ。またいらない薬が再開されたり、薬が元にもどされたりする。

2013-06-15 20:04:28
高須賀とき @takasuka_toki

薬をもとに戻すのはたぶん使い慣れてない薬を使いたくないから。気持ちはまあわかるし、それはある意味正しい医療でもある。ただ不勉強による怠慢が理由ならそれはあまりゆるされることじゃない。問題はいらない薬を再開することである。多分日本の薬の売上の結構な部分に不必要なものが含まれている

2013-06-15 20:07:08
高須賀とき @takasuka_toki

こんな不毛な錬金術、誰のための医療なのかね。もう血圧が高いとか高脂血症だとか糖尿病だとか極論だけど治療やめちゃってもいいんじゃないかな。いいじゃん。血圧高くっても。血糖値高くっても。治療している医者側はコントロールしているから楽しいかもしれないけど患者側はそれ、よくわかってないよ

2013-06-15 20:14:39
高須賀とき @takasuka_toki

話がそれたけど日本における高齢者医療の本質はここからで、こうして謎の対症療法が継続された高齢者は数年経つとボケたり体の具合が悪くなったりで、感染症にかかったり身動きができなくなる。こうなると今まで甘い汁を吸ってた適当医者にはもうみれない。命の危機ですから、大きな病院へ。。となる

2013-06-15 20:18:39
高須賀とき @takasuka_toki

で送られた市中の病院で、感染症治療が行われる。そこで今までの適当な医療に頭を抱えつつ、とりあえず治療がおこなわれ様々な経過をたどり急性期治療は終わる。で上手く行けばそのまま退院。だけど大体の人は入院を期に一気に認知症が進んだりする。ここからが高齢者医療の問題の始まりである

2013-06-15 20:39:07
高須賀とき @takasuka_toki

まず急性期病院はあくまでも重症患者をみる病院であるので、ある程度の治療が終わり患者が落ち着いたら他院へ転送となる。で、次の病院で家族は「今のままでは自宅退院は非常に難しいと思います。このままですと施設への転院となります」といわれる。終わりなき介護高齢者理療の始まりである

2013-06-15 20:44:23
高須賀とき @takasuka_toki

みんな悪者にはなりたくないし自分の手を汚したくないので当然ながら自分で生活できなくなった高齢者を見殺しにはできない。かといって自宅で見れるかというと当事者家族にも当然の事ながら生活というものがある。結局介護施設にほおりこまれる。初めは定期的に会いに来る家族も段々と足が遠のいていく

2013-06-15 21:06:27
高須賀とき @takasuka_toki

時々、奥さんだとか旦那さんが自宅介護に熱心だったり、頻繁にお見舞いにやってきたりする姿も見受けられるけど、ほんとの所どうなんですかみなさん。面倒じゃないですか?早くこんな生活終わらないかなと思ったりしないんですか?

2013-06-15 21:08:26
高須賀とき @takasuka_toki

一度生活機能が落ちた高齢者は絶対に回復しない。回復しないけど介護されると結構生きる。介護高齢者が指数関数的に爆発的に増えていく。どこの施設もいっぱいになる。国だって無限に金があるわけじゃない。残念ながら介護職は我慢さえすれば学歴の要らない職業なので、当然介護職員の賃金は安くなる。

2013-06-15 21:12:47
高須賀とき @takasuka_toki

元々が不健康な高齢者は健康になることは間違いなくないので介護している最中にも体調を崩す。当然介護職員は医療のプロではないし安月給で働いているので当然の事ながら変な厄介事や訴訟のリスクを負いたくないしおわせられるはずもない。なので施設専属の往診医を雇うことになる。だがこれがまた問題

2013-06-15 22:35:37
高須賀とき @takasuka_toki

往診医は大体、さっき適当に薬を出してた開業医の人が請け負う。当然また適当に薬をだす。熱が出たらキチン診察もせずに抗生剤を適当にだす。もちろんそれでよくなることもあるけど、当然いつか抗生剤を出してもよくならない状態になる。するとまた必殺のセリフがでる「大きな病院へいきましょう」

2013-06-15 22:39:16
高須賀とき @takasuka_toki

このようにして送られた高齢者の体内は悲惨である。適当な抗生剤使用により体内の細菌は殆ど耐性菌とかしている。おかげで非常に治療に難渋する。また一部高齢者では結核が再燃していることもある。こうなると今度は高齢者の問題だけではなくなる。耐性菌は病院内に蔓延するし結核も伝染の可能性がある

2013-06-15 22:45:08
高須賀とき @takasuka_toki

時々新聞に多剤耐性の○○菌が出現!みたいな記事で見出しが書かれる事があるけど、あれの意味、ほとんどの人が理解できないでしょう。非常に簡単に説明すると、例えば使用可能な抗生剤がA,B,Cとあったとする。Aは10%の菌にしか効かない、Bは50%の菌に効き、Cは全ての細菌を殺せるとする

2013-06-15 22:51:02
高須賀とき @takasuka_toki

こう書くとCがあればA,Bいらなくね?と思う方もいるでしょう。ただ細菌というのも馬鹿ではないのでCを多量に使い続けて行くとそのうちCが効きにくくなってったり、耐性を獲得して効かなくなったりする。こうなるとじゃあどうするか?科学の力で新抗菌薬!Dが開発される。以下イタチごっこである

2013-06-15 22:53:51
高須賀とき @takasuka_toki

細菌の医者が抗生剤を風邪に処方したがらないのも、根源的にはここに問題がある。抗生剤をだすのは非常に簡単。けど出すと少なからず体内の細菌の耐性化が進行する。最終的に一番の不幸を被るのは抗生剤を処方される患者、そしてその患者が将来入院する時に周りにいる人である

2013-06-15 22:57:46
高須賀とき @takasuka_toki

もちろん必要な時はキチンと抗生剤は処方する。ただむやみに先ほどの100%の細菌に効くCを出すのではなく、症状により使い分けて出来る限り特定の細菌のみを狙い撃ちした10%の細菌にしかきかないAを出す。悪いことをしている菌のみを狙い撃ちしていれば、細菌の耐性化を遅らせる事ができる

2013-06-15 23:01:06
高須賀とき @takasuka_toki

そうすればイタチごっこのスピードを遅くすることができる。そして本当に具合が悪くなった時の抗生剤の選択肢を増やすことができる。これが本当の医療である。ただ現状において、感染症の知識がない医者があまりに多すぎるため、外来における不必要なニューキノロン系の処方があまりに多すぎる

2013-06-15 23:03:03