#翠星のガルガンティア に学ぶ生物進化について

翠星のガルガンティアで、相争う人類とヒディアーズが大変に深刻な展開になってきています。 それを観ていて、思い出されることなどをちょっとまとめてみようとしましたが、いかんせん生物学は不得手のため、無秩序な記憶の羅列となってしまいました。 とりあえず、残しておいて後で整理できるようならしてみようかと思います。
4
Salah Rieman @cosycube

00:翠星の #ガルガンティア における生物進化について、思い出したことを交えながら。なお、私自身毎週固唾を飲んで声援している本編について、差し出口を挟む気は毛頭なくて(そもそも、そんな力がない)、以降は設定に触発された記憶の断片の無秩序な配列です。~続く

2013-06-18 16:41:34
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前01)主人公レドがクジライカを『駆逐』していったのは、彼が参加していた人類銀河同盟の敵、そもそもは人類に攻撃をかけていたヒディアーズとクジライカが近縁種らしいということが理由でした。さらにレドが調べを進めると衝撃の事実が待っていました。~続く

2013-06-18 16:41:51
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前02)クジライカは人類が自らに遺伝子操作を行って人工進化した生物だったわけですね。ひいてはヒディアーズも同じ。もともとは地球の氷河期到来が予測されたときに、遺伝子操作やナノマシンで生物としての環境耐性を増そうとした一派、イボルバーの子孫。~続く

2013-06-18 16:42:04
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前03)他方、他の惑星への移住を目指した一派がコンチネンタル・ユニオンで、これが後に銀河人類同盟を結成。こちらはずっと人類を自認していて、公式にはヒディアーズを人類とは異種の宇宙生物と見做している。どちらも初期の目的(氷河期対策)は達したわけです。~続く

2013-06-18 16:42:19
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前04)でも、両者の関係がこじれたまま「本是れ同根より生ぜしに相煎ること何ぞはなはだ急なる」という事態になっちゃってるようです。これはこれで物語の続きを楽しみにするとして、道具と進化の関係についてちょっと思い出したことがあったりします。~続く

2013-06-18 16:42:34
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前05)もう昔のものと言っていいんですが、ラリー・ニーブンの「無常の月」(邦訳)に収められた短編(長編の引用らしい)で、生物進化について、登場人物がちょっと議論しています。火と道具を使うようになった生物は、そこで進化が止まるという話から始まります。~続く

2013-06-18 16:42:53
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前06)進化が起こるには進化しなければ生物種が絶滅しかねない淘汰圧が必要になるが、それは環境変化によって起こる。ところが、火と道具を使い始めた生物は環境を自分の都合のいいように変える(衣服、住処の冷暖房等々)。そうなると淘汰圧がなくなり進化は止まる。~続く

2013-06-18 16:43:04
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前07)しかし、進化が止まった生物が遺伝子操作を開発すると事情が違ってくる。自らを都合のいい形態に改良し、たとえば自らを恒星間宇宙船にまでするかもしれない。そういった会話でした。道具をひたすら究めようとしたのがコンチネンタル・ユニオンの系列。~続く

2013-06-18 16:43:25
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前08)自らを遺伝子操作して人工進化を選択したのがイボルバーの系列で、後にヒディアーズとして生身で宇宙を駆け回るまでになる。実際の進化論は生物に限っても恐ろしく複雑怪奇なようで、ネットでググっても、私ごときではとても全体像は分かりません。~続く

2013-06-18 16:43:37
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前09)それでも、火と道具を使い始めた頃から人類は進化していないという仮説を真剣に考えている研究者もいるようです。さらに、人類は脳の大きさで袋小路状態なのだとか。現状の人類の身体では、これ以上大きな脳を持つ胎児を出産できないとのこと。~続く

2013-06-18 16:43:55
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前10)さらに普通に出産された人間の乳児は、他の哺乳類と比べて極めて未熟らしい。1歳のチンパンジーの危険回避能力に人間が追いつくのは9歳頃。脳が一応は成人として完成するのが30歳頃。とても遅い。一方、器用な手も骨格としては原始的なのだとか。~続く

2013-06-18 16:44:09
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前11)それは置いといて、進化的軍拡競走や赤の女王仮説といった興味深い仮説が目につきます。進化的軍拡競争は、たとえば捕食者キツネと被捕食者ウサギのモデルを考えると、素早いキツネは多くのウサギを捕まえることができて、そういう子孫が増える。~続く

2013-06-18 16:44:43
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前12)するとウサギは遅い者は多く捕食され個体数を減らすが、素早い者が比率として増える。素早いウサギは容易にはキツネに捕まらなくなり、再びウサギの個体数は増加する。するとキツネの内、素早くて素早いウサギを捕食できる者が増える。すると……~続く

2013-06-18 16:45:14
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前13)そういう果てしない競争のループに入って、抜け出せなくなるということらしいです。そのとき素早さ以外での強者が入ったりすると、生物相にカタストロフが起こることもあるらしい。人類銀河同盟とヒディアーズの現在の関係は進化的軍拡競争に近いのかも。~続く

2013-06-18 16:46:04
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前14)人類の科学技術の発展がヒディアーズには淘汰圧として働いて、人工か否かを問わずに生物進化を促し、それがまた人類の科学技術発達の要因となる。赤の女王仮説は進化的軍拡競争と大きく重なるもので、ルイス・キャロルの小説から名づけられてます。~続く

2013-06-18 16:46:18
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前15)「その場にとどまるためには走り続けなければばらない」という「赤の女王」の台詞が由来。有性生殖の多様性のメリットを述べています。たとえば宿主-寄生生物の進化競争が常に起こっているとしている。宿主は寄生生物に対して耐性を得ていく。~続く

2013-06-18 16:46:57
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前16)細菌やウイルス、寄生虫に対する免疫系での防御などですね。すると寄生生物は、それに耐えるように進化する。そうして終わりのないループに入る。ただ、別の考え方も聞いたことがあります。「宿主を殺さない寄生生物が勝ち残る」という共存共栄的なもの。~続く

2013-06-18 16:47:33
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前17)単細胞生物の進化の速さはよく知られていますが。多細胞生物は多種の細胞が協調しているため、容易には進化できない。そこで多様性を得るためには有性生殖で受け継ぐ遺伝子のバラエティーを増やすと有利になるということみたいです。組み合わせが膨大なので。~続く

2013-06-18 16:48:33
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前18)たとえば、腸内の常在菌は普段は食中毒などを起こす危険な細菌の繁殖を、かなり防いでいるそうです。人間が必要とする栄養素の合成を行うものもあるらしい。しかしさらに巧妙な食中毒菌が。ネズミチフス菌は毒素を出すものと出さない二種がいる。~続く

2013-06-18 16:48:46
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前19)まず毒素を出さず、そのため免疫系から敵視されていないネズミチフス菌が優先的に入り込み、毒素を出す方を守るように働く。毒素を出す方は腸の炎症を起こし、周囲の競合する常在菌を駆逐。以降は、毒素を出す方が増えて行って重篤な食中毒に至る。~続く

2013-06-18 16:49:13
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前20)そこで「それなら、毒素を出さないネズミチフス菌を大量投与したら?」という研究が進められたりしています。細菌の増殖には上限密度があるらしく、一定以上には増えないことを利用するらしい。毒を以て毒を制す、みたいな感じ。アクネ菌や虫歯菌にも三分の理?~続く

2013-06-18 16:50:18
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前21)敵対的な生物の淘汰圧を説明する赤の女王仮説に対して、共存共栄的な進化に名前が付いているかどうか知りません。生態系が非常に巧妙に、かつ微妙なバランスで成立していることは、共存共栄と進化の軍拡競争が相互または同時に起こっているのかも。~続く

2013-06-18 16:50:41
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前22)ガルガンティアに戻り、科学技術も進化に含めて単純化すると、人類とヒディアーズは進化の軍拡競争の無限ループにはまり込んでしまっているように見えなくもありません。一方、地球では人間はクジライカを神聖視するほどの共存関係にあるらしい。~続く

2013-06-18 16:51:15
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前23)人類は本能を抑え込んででも判断ができる前頭葉があり、ヒディアーズが同族と知っていても駆逐しようとしています。人類同士でも戦争でしすしね。もっとも、逆にも働きます。聖者や賢者が自己犠牲を厭わずに平和をもたらす。彼らはより遠くまで見通しているのか?~続く

2013-06-18 16:53:32
Salah Rieman @cosycube

#ガルガンティア (承前24)ガルガンティア本編がどうストーリ展開するか分かりませんが、延々と争う世界が続くのか、地球にある共存・棲み分けモデルが打開のきっかけとなるのか、まったく違う展開なのか。進化論をこっそりベースに置いているようにも思えて、この先が楽しみです。(終)

2013-06-18 16:53:46