アメリカにおける具体展など日本戦後美術史の再評価は、覇権主義としての世界美術史の構築なのか、それとも世界美術ヒステリーの兆候なのか?
以前にもお伝えしましたが、22日(土)14:00から大阪大学総合学術博物館で、先般のNYでの「具体」展をテーマに、加藤瑞穂さんと対談します。同館で開催中の展覧会にあわせたイベントでもあるのですが、この展覧会には珍しい資料がたくさん出ていて、戦後美術史研究家にはたまらん内容です。
2013-06-11 11:35:06対談で話したのですが、アメリカでの「具体」展を、手放しでは喜べないのです。展覧会自体は評価すべきものでしたが、その背景にアメリカ主導による「世界美術史」再編の欲望が見え隠れしていることを、自覚する必要があるでしょう。
2013-06-24 00:07:46――確かにglobal art historyが(ことに対談後半の)キーワードになってましたね。あと、フランス人であるタピエの存在を(抹消はまぁ無理としても)薄めたいという欲望は極めてアメリカ的というべきか(^^;<RT
2013-06-24 00:29:28――具体にとどまらず、アメリカにおける非西洋圏への注目が「(市場と結びついた)全能感の現われ」なのか「ガチで足下に火がついているという危機感」なのかは、日本にいてるとなかなか見えてこないものですが、アメリカにいてるともっと見えてこないのかもしれない(^^;
2013-06-24 00:34:36.@atashika_ymyh アメリカの多文化主義だ、といえばそうでしょうけど、なんかそこを批判しても、全てのミュージアムや文化政策とはまさにそうだ、という話にしかならない気もします。
2013-06-24 00:40:31以下の文中における「ワールド・ミュージック」を「global art history」に置き換えると、何か漸近できるような……。「20世紀いっぱいにわたって、アメリカ自身は自らこの認識をずっとブラインドしつづけてきたわけですが」 http://t.co/dn24sRZaaL
2013-06-24 00:41:49「鎖国の中のコスモポリタニズム」((C)柄谷行人)vs「「アメリカ大陸で大衆音楽として制作され、流通されたものはすべてワールド・ミュージックだった」という(アメリカ自身が見て見ぬふりをしてきた)認識」
2013-06-24 00:45:33私たちも戦略を持たねば、彼らの覇権主義に巻き込まれ、いいように消費され、気が付けば手元に何も残っていなかった、てなことになりかねない。今回のグッゲンハイム美術館やMoMAの展覧会を介してアメリカの行動力、経済力、メディア力を痛感し、そんな危機感を覚える今日この頃なのです。
2013-06-24 00:47:00@YOW_ いや多文化主義と似て非なるものではないか、と。かかるglobal art historyへの欲望は、それ自体が何か神経症的なもののように見えてくるところではありまして…… とムダに変な方向に話を振ってみる(^^;
2013-06-24 00:50:29@atashika_ymyh アメリカのglobal art historyはそれ自体興味深いですよね。多文化主義と、いわゆる帝国主義というかグローバリズムとの関係について、ゼロ年代に、社会学の人が語ってるのは何冊か読みました。
2013-06-24 01:05:33美術史学会で、ジョン・オナイアンズを呼んで「世界美術史の可能性」ってシンポジウムが開かれたことがあったなぁ。
2013-06-24 01:10:53@YOW_ やっぱり『〈帝国〉』がアメリカのグローバル美術史家たちのバックボーンになっているのかなぁとは漠然と思うところですが、さて……
2013-06-24 01:12:20世界美術史に対する反論として印象に残っているのは、そういう言説って、大英博物館の正当化じゃね?っての。世界美術史を必要としてるのは、かつての帝国のみってことですな。
2013-06-24 01:13:52@atashika_ymyh いわゆる帝国主義みたいなものだ、という流れで言えば、ルーブルもエルミタージュもそうですね。近世近代と違って、現代目指されるのはもっと「ソフトな帝国w」ですが。
2013-06-24 01:17:49.@YOW_ それゆえ、現下におけるglobal art historyは、〈帝国〉的欲望と神経症との相互亢進状態の徴候のように感じられるわけです。まさにグローバル・アート・ヒステリー←
2013-06-24 01:22:23@YOW_ どこに行き着くんでしょうね(^^;← でもまぁ、批判の行き着く先の世界観的な部分をどう描くかというのが人類学やポストコロニアルスタディーズとかにとっての隘路になってきたからこそ、『〈帝国〉』がやたらと売れたというのもあるのかもしれません
2013-06-24 01:54:12@YOW_ まぁ『〈帝国〉』や(続編の『マルチチュード』など)もヒステリー的な部分がないとは言えませんが(^^; そのへんについてはいろいろ試し打ちしながら考えていかなければなりませんね
2013-06-24 01:59:02@YOW_ そうですね。一般論として、日本の批判言説は市民・公共性・コスモポリタニズム(こそ)が権力の最悪な形態であることに対して厚顔無恥ですから(^^;
2013-06-24 02:04:32