#進撃の巨人 はなぜ素手で襲ってくるのか？　科学考証風４

Salah Rieman @cosycube

００先週の #進撃の巨人 ではエレンが巨人化して（以降、エレン巨人と略称）、巨大な岩を運んで、破壊された壁を応急修理しようとする作戦だった。残念ながら、エレン巨人は作戦をよく覚えてなかった。～続く

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#進撃の巨人 （承前０１）岩を運ぶどころか、仲間を攻撃しようとしてしまった。友人らの決死の説得は功を奏するか？で次週へ（わくわく）。その後、ふと思ったのは「巨人は道具を使えるか？」ということ。岩を運んで穴を塞ぐ。簡単ながら自然物を目的に応じて利用するわけである。～続く

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#進撃の巨人 （承前０２）巨人は今のところ素手で襲ってくるが、もし岩を質量兵器に使うとさらに脅威である。もし剣や盾を使い始めると、人類は非常に苦しい戦いを強いられそうである。人間が1mの剣なら、15m級巨人は10mくらいの剣を振いそうだと考えれば、脅威の高さは容易に分かる。～続く

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#進撃の巨人 （承前０３）巨人を人間を幾何学的に10倍にした生物だと仮定しよう。そういう生物が道具を使うわけである。筋力は筋断面積に比例なので、10倍巨人は10の2乗＝100倍の筋力がある。したがって100倍も重い道具を使えることになる。それも10倍の高さからなのだ。～続く

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#進撃の巨人 （承前０４）非常に恐ろしい話である。しかし、重さ100倍の道具の大きさはどうなのだろうか？かなり大きいはずでだが、10倍巨人は10倍の大きさの道具を扱えるのだろうか？ここで思い出すべきは、サイズが10倍になれば、体積は10の3乗＝1000倍だということである。～続く

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#進撃の巨人 （承前０５）質量は体積に比例するとしてよいであろう。10倍サイズの道具は質量が1000倍になる。一方、10倍巨人の筋力は100倍である。普通の人間の縮尺なら、100/1000＝1/10倍の大きさの道具となる。人間が1mの大剣を振うなら、巨人のは10cm。～続く

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#進撃の巨人 （承前０６）人間サイズ換算であって、10倍巨人のままで10cmではないことに注意。巨人にとっての大剣は人間の感覚では短剣でしかない。その実際の剣長は1mである。あ、あれ？いくら巨大になっても普通の人間と同じサイズの道具しか使えないの？それはおかしい。～続く

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#進撃の巨人 （承前０７）いかん、考え違いをしている。単純ミスのレベルではない。[考慮時間]100倍の力が扱えるサイズを考えるには、質量∝体積がサイズの3乗であることから、3乗根を考えるべきだった。100の3乗根は約4.64。10倍巨人は4.64倍のサイズの道具が扱える。～続く

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#進撃の巨人 （承前０８）うーん、ま、まあ大丈夫そうだ。人間サイズに直せは、0.464倍、つまり半分弱くらいのサイズの道具となる。1mの剣なら46cmくらい。ナイフとは言わないが、ずいぶん迫力は落ちてしまう。どうやら巨人化すればするほど、扱える道具の威力は落ちそうである。～続く

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#進撃の巨人 （承前０９）そう言えば、小さなアリは身体の何倍もの大きさのものを持ち運んでいる。ハキリアリなんか、葉っぱが歩いているように見えるくらいだ。あれが道具であったなら、ずいぶん大きな道具であり、素手のアリの何倍もの能力を発揮するのではないだろうか。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 （承前１０）古いB級映画にあるような、人間より遥かに大きな巨大アリが出現するだけでも恐ろしいが（あのアゴとか）、それがその巨体の数倍ある斧とか振り回すようなら、もう絶望的に強すぎる。しかし、小さいからこその身の丈に似合わぬ怪力であるようだ。ちょと安心。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 （承前１１）重量挙げ62kg級の世界トップレベルは150kg（スナッチ）～180kg（クリーン＆ジャーク）である。10倍巨人なら700～840kgくらい。これを頭上に差し上げて落とすとどうか？普通の重量挙げでも相当な破壊力になる。10倍巨人なら高さも10倍だ。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 （承前１１）重量挙げ62kg級の世界トップレベルは150kg（スナッチ）～180kg（クリーン＆ジャーク）である。10倍巨人なら15t～18tくらい。これを頭上に差し上げて落とすとどうか？普通の重量挙げでも相当な破壊力になる。10倍巨人なら高さも10倍だ。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 （承前１２）質量100倍で高さ10倍なら力学的エネルギーは1000倍。落下時の運動量で推し量れば（計算略）速度は4.5倍で質量100倍だから450倍。速度を持つ物体の破壊力は運動量比例のケースが多いようなので、後者だとしておこう。それでも恐るべき破壊力である。～続く

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#進撃の巨人 （承前１３）巨人が単なる大岩を用いただけでも、これだけの危険な状態にはなり得る。ただ、巨人が狙うのは人間なのである。小さく力も弱い対象に破壊力を増しても、巨人側がさらに有利になることはなさそうだ。メリットがあるのは巨人を狙うエレン巨人くらいだろう。～続く

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#進撃の巨人 （承前１４）エレン巨人の攻撃対象は巨人であり、通常の人間同士の戦いと同じく、武器を持てば有利に働く。対超大型巨人戦では必須かもしれない。通常の人間は既に立体機動装置といったスピード＆クリティカルヒットであるため、巨人が重量物で動きが遅くなるなら好都合である。～続く

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#進撃の巨人 （承前１５）そのため、巨人が人類を狙う限りは、道具を用いないものと考えられる。今後、エレン巨人のような戦闘技術を持ち、巨人に敵対する奇行種が増えれば、巨人同士の戦闘用に巨人は道具を使うことを覚えるかもしれない。人類が巨大兵器を駆使する場合も同様である。～続く

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#進撃の巨人 （承前１６）ともあれ、エレンが巨人化して持ち上げられるのは、彼が10倍の大きさになったとして、通常サイズのときの4.64倍であった。通常サイズのときで持ち上げられる大きさの半分以下であることは要注意だろう。相対比で見た感じで判断してはいけないのである。～続く

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#進撃の巨人 （承前１７）しかし、10倍巨人は重量物を持ち上げたら潰れてしまわないだろうか？直立状態として、巨大化を支える強度は面積比で2乗、質量は体積比で3乗で増加する。幾何学的に巨大化すれば強度に重量が追いつかず、ただでさえ潰れやすい。～続く

Salah Rieman @cosycube

#進撃の巨人 （承前１８）さらに道具を使用するのは荷重増加で危険であるだろう。これを逆手に取れば、軽そうに見えて実は重いものを巨人が手に取るようにしむけ、重量で自壊を誘うこともあり得る（かも）。巨人が大きいほどその肉体は崩れやすい点は留意しておいてよいかもしれない。～続く