ヤンデル先生の「職業意識について」
成績がよいという理由で医学部に入り、6年間を与えられる。6年間という時間、天井まで積み上がる教科書、学費、そう言ったものを目にしながら、同時にテレビや新聞、雑誌などで医師がどのような目で見られているかを知り、SNSにあふれる医師disツイート・医療disツイートを目にする
2013-06-25 20:10:136年間で勉強は終わらないことを知る 他学部に進んだ人間の就職活動のこと、院での研究のことなどを見ながら、卒後2年の初期研修と3年の後期研修のことを考える 大学に入学してから11年経ってもまだまだ駆け出しであると言われる 35歳の医師では役に立たないと知る 45歳から青春だと聞く
2013-06-25 20:11:37プライドがないと自分を保てないだろうと気づく 受け身で医師になるのではなく能動的に医師になろうと思う 科を選ぶ 自分に、成績が優秀だという以外のどんな価値があるのかを探す
2013-06-25 20:12:19医師だって体力勝負だよと言われる 職人仕事だよと言われる 徒弟制度だと言われる 数学ができないとだめだと知る 学者でなければいけないと思う カウンセラーでなければならないとわかる
2013-06-25 20:12:53そんな完璧な人間いるのかと思う 部活の先輩が外科に進んだと聞けば「またずいぶんとオーソドックスな科に進んだな」と思う 先輩が耳鼻科にいると聞けば「なんで医師免許とって耳と鼻とノドだけ見てくらすのか」と考える
2013-06-25 20:13:45時間はあっという間にすぎる 4年、5年と進むうちに臨床実習が始まる これを見てから自分の進路を決めようと思う 見ても何もわからないと気づく どこかで自分のレールを自分で敷こうと思う レールなんて自分で敷けるものではないと言われる
2013-06-25 20:14:43そういうのをぜーんぶ乗り越えて病理医になった人間が何か言っている 昼間はおっぱいがどうとか言っていた これはだめだと直感的に感じる その直感は正しい
2013-06-25 20:15:09いいか?俺が言うおっぱいが仮にAカップだったとしてもそこにはJカップくらいの重みがあるんだ!と言われる そんなもんかなあと思う それくらい医学部生の心の闇は深い おっぱいに重いも軽いもないとツイート あとでツイ消し 廃人になじられる
2013-06-25 20:15:58本当にまじめに働いている医師がツイートなんてできるわけねぇだろwと言いながら、内心、あしかけ20年ちかくこの世界で過ごして何か言いたがっている病理広報アカウントのフォローをやめられないでいる 自分の進路はどうなるんだろうと夏の夜に真剣に考える ビールの泡が消える
2013-06-25 20:16:52長文ツイートを固唾を呑んで見守る どういうオチがつくのか つかないのか 俺は病理医になるのか ならないのか 頭の中はだんだんそういう気持ちでいっぱいになる
2013-06-25 20:17:20……こうして、今までは思いも寄らなかった、「病理医」という職業が心の片隅に根付いていることを気づく もう逃げられない 俺は今から君たちに呪いをかける
2013-06-25 20:17:54