鳳翔さんの二段・三段式甲板講座

黎明期の空母に採用された多段式飛行甲板のお話ですわね。
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鳳翔 @Housyou_kankore

さて、夜も更けて参りましたが。 それではお酒の肴に、先ほどの加賀さんのお話に出てきました「三段式甲板」について、ちらりとお話してみましょうか。

2013-06-30 00:23:37
鳳翔 @Housyou_kankore

私こと鳳翔や、イギリス海軍の空母ハーミーズさんは最初から全通式、つまり1枚板の甲板を持った空母でしたが、そもそも空母という艦種がまだ手探り状態だった為、色々な作為がなされて居ました。 その一つが、甲板の数を増やす「二段式甲板」「三段式甲板」と呼ばれる物です。

2013-06-30 00:26:43
鳳翔 @Housyou_kankore

海外の二段式甲板を備えた空母においては、下を今で言う所のジャンプ台を備えた発艦用、上を着艦用として運用していました。 赤城さんや加賀さんの場合は、更にもう1段ある訳でして、上が着艦用、中が偵察機や艦上戦闘機等の小型機発艦用、下が艦上爆撃機等の大型機発艦用となっています。

2013-06-30 00:32:17
鳳翔 @Housyou_kankore

何故この様な形になったかと言いますと、「発艦と着艦が同時に出来る」と言うメリットを追い求めた為、です。 大型と云いましてもまだ複葉機が運用されていた時代、艦載機は小型かつ軽量で、必然的に甲板の長さもそれほど必要は無かったと言う訳です。

2013-06-30 00:34:28
鳳翔 @Housyou_kankore

ところが、艦載機はものすごい勢いで技術革新が進んでいき、複葉機は単葉機へ、そして大型化していき、必然的に離陸・着陸距離も長大化していく事となります。 また、結果的に言えば中段・下段甲板はほとんど使われる事は無かったそうです。

2013-06-30 00:36:56
鳳翔 @Housyou_kankore

その結果、二段・三段の甲板という形式はあっという間に廃れていき、私の様な全通式の甲板が一般的となっていった訳です。 今の時代ですと、アングルデッキ等の採用により、発艦・着艦を同時にこなす方法が採られています。

2013-06-30 00:41:14
鳳翔 @Housyou_kankore

ちなみに、三段空母時代の赤城さんと加賀さんですが、なんと20cm連装砲が2機4門装備されていたのですよ。 重巡洋艦並の砲を積載していたのですが、これは当時まだ艦載機の航続距離が短くて、敵艦隊に接近する必要性があった関係上、巡洋艦との砲撃戦も想定されていた為です。

2013-06-30 00:45:20
鳳翔 @Housyou_kankore

と云った、二段・三段式甲板講座でした。 ご静聴ありがとうございました。

2013-06-30 00:47:05