- tsukushi_k
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これを記念して、私が独自に入手したマキモノから、「カキンスレイヤー」の物語を皆さんにおとどけします。ただし、セルフ管理メント重点な。 #kknslyr
2013-07-04 00:02:56なお、この物語はインスパイアーされた元とはいっさい関係ない。問い合わせはマッポーめいたほんやくチーム=サンではなく、わが社のP=サンにおねがいします。
2013-07-04 00:04:33(これまでのあらすじ)ウンエイ・アイドルのSレア級アイドルコンビ、ダリーナとナツキチ。ライヴ中に現れたカキンスレイヤーを迎え撃った二人だったが、ダリーナをかばったナツキチの犠牲によって、かろうじてダリーナのみが逃げ出せたのだった。
2013-07-04 00:08:49ライヴ会場を出た途端、ダリーナの身に重金属を含んだ酸性雨が容赦なく降り注いだ。しかし、もとよりこの中を走る以外、彼女に選択肢などなかった。
2013-07-04 00:11:25それに、ダリーナはSレアアイドルだ。過酷極まるアイドルダンス・トレーニングによって培われた脚力は常人のおよそ三倍。スピードに乗るとその速度が風の膜を作り、降りしきる雨からダリーナを守った。
2013-07-04 00:15:31一心不乱に駆けながら、ダリーナの目にはネオサイタマの町並みが見えてはいなかった。彼女の眼前にソーマト・リコールめいて映し出されるのは、ライヴ会場に置いてきたナツキチの最期の光景だ。
2013-07-04 00:19:00「逃げろダリー!」そう叫び、ダリーナの身体を突き飛ばした次の瞬間、ナツキチの胴は真っ二つに切り裂かれていた。「サヨナラ!」それだけ叫ぶのが精いっぱいだった。ハイクを詠むことすら許さず、無慈悲な殺戮者はチョップを振り下ろした姿勢でザンシンしていた。
2013-07-04 00:23:33カキンスレイヤーのぞっとするような冷たい目が、ダリーナを捉えた瞬間、ダリーナは考えるより早く、アイドル第六感に任せて動いていた。ライヴ会場の窓ガラスを突き破り、逃げる。それだけが彼女に残された道だったのだ。
2013-07-04 00:28:44「ナツキチ……ナツキチ……ナツキチ……!」禍々しいチャントめいて、ダリーナは彼女の名前を繰り返し呼んだ。どうしてこんなことになった? ダリーナたち二人は、Sレアアイドルだったのだ。
2013-07-04 00:34:18今日のライヴも、多くのカキン・ソルジャーたちが集まった。そしてアイドルソウルから発せられる歌声を聴くたび、トークンを惜しげもなくばら撒いたのだ。
2013-07-04 00:40:15カキン・ソルジャーはオダイジンではなく、そのほとんどがネオサイタマには掃いて捨てるほどいるマケグミ・サラリマンである。そのなけなしのサラリーからでも、彼らはアイドルに金を落とす。アイドルは彼らから搾れるだけ搾る。この構図はここではチャメシ・インシデントなのだ。
2013-07-04 00:43:46灰色の街並みを、ダリーナはサラリマンたちを突き飛ばしながら駆ける。「アーイエエエ!」と叫びながら一人の狂人がタールの水たまりに突っ伏したが、そんなチャメシ・インシデントには行き交う人々も見向きもしなかった。
2013-07-04 00:49:14「ハァーッ……ハァーッ……!」どれほど走っただろう? ダリーナはいつしか足を止めていた。怠け癖に任せ、トレーニングをサボタージュしていたツケが回ってきたのだ。彼女のスタミナはほとんど限界だった。
2013-07-04 00:53:24「マジメにトレーニングしろよな、ダリー」懐かしいナツキチの声が脳裏に響き、ダリーナは嗚咽を漏らした。重酸性雨と涙が混ざり、彼女のアイドルメイクされた顔をグシャグシャに乱した。
2013-07-04 00:57:27ダリーナにわずかに残っていたアイドル第六感が反応し、その場から飛び上がった。コンマ二秒前に彼女が立っていた場所には、深々とプラチナオーディションチケットが刺さっていた……スリケンだ!
2013-07-04 01:02:23ダリーナはすぐさま見上げた。いつしかそこは寂しい路地裏になっており、そばの4階建てビルの頂上から、センコめいた眼光を宿した視線がダリーナを見下ろしていた。
2013-07-04 01:06:59その影はアンブッシュに失敗したと見るや、すぐさま飛び降りて姿を見せた。見る者を震え上がらせるショッキンググリーンの衣装に、金属のメンポ。そこには禍々しいミンチョ体で「無」「金」とショドーされていた。
2013-07-04 01:09:47「ドーモ、カキンスレイヤーです」緑の影、カキンスレイヤーはすばやくオジギした。「ドーモ、カキンスレイヤー=サン。ロックンローラーです」ダリーナは声を震わせながらオジギを返した。
2013-07-04 01:13:58それは恐怖によるものか? ……否! 今、ダリーナを震わせるのは怒りであった! 同じロック・クランのアイドルソウルを宿し、苦楽を共にした戦友を殺した、殺戮者の姿に、彼女の中の怒りが爆発したのだ!
2013-07-04 01:18:54