佐藤誠市氏によるナムコにまつわる話

「ボスコニアン」の企画をはじめ数々のナムコのゲーム作品に関わった佐藤誠市氏が、読書の所感などにナムコでのエピソードを交え、さまざまなお話をツイートされています。 大変貴重なものであると思いますので、まとめてみました。(随時更新) ※ http://togetter.com/li/179133 から1年ほど間が空いたため、新規に作成しました。 ※ 「ファミコンとその時代」をきっかけにしたツイートは別にまとめました。 http://togetter.com/li/530829
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ナムコと宗教法人

佐藤誠市 @SugarSeisan

島田裕巳著『浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか』読了。日本の仏教の各宗派についてコンパクトにまとめられた良書であった。かつてナムコ時代ちょっと宗教についていろいろ考えていた時を思い出す。ナムコを宗教法人にできないかなどと考えたこともあった。ゲームセンターを神社やお寺とするのだ。

2013-05-29 09:58:40
佐藤誠市 @SugarSeisan

ゲーム機のコイン投入口は賽銭入れ場、現世利益としてビデオゲームができるというものだ。勿論本気で考えていたわけではなくゲーム企画者としての思考実験の訓練といったものだ。先輩はナムコ社員の給料を10分の1にし、生活必需品を会社が相場の10分の1で売るなんてことを考えていた。

2013-05-29 10:04:38
佐藤誠市 @SugarSeisan

どんな利点があるのかと尋ねたら、少なくとも社員の支払う税金が少なくてすむと答えてくれた。そんな馬鹿なことを企画では考えていたのであるが、私のナムコの宗教法人化というのは全く根拠の無いものではなかった。というのも当時の社長の産業の考え方に沿っていると思ったからだ。

2013-05-29 10:08:18
佐藤誠市 @SugarSeisan

中村社長には産業構造において、第三次産業が多岐にわたり従事者も増えてきているので第四次産業・第五次産業と増やすべきだというのが持論であった。三次が肉体のサービスならそれより高次の知識(教育等)産業、情緒産業などを四次・五次とするべきだという説だ。そして六次というのは宗教かもと。

2013-05-29 10:13:49
佐藤誠市 @SugarSeisan

社長の言葉に触発されたというわけではないが、宗教について考えてみたことがあった。新興宗教がどのようにして信者を増やしていったのかを考えるのはエンタテイメント産業において重要なことではないのかと。その仕組みを知ることは企画屋としてもためになるのではと。

2013-05-29 10:18:38
佐藤誠市 @SugarSeisan

どんな宗教も最初は新興宗教であり、信者を獲得するには様々な工夫が行われたことだろう。それも中興の祖と呼ばれる人の方が教祖よりも重要なのではないかと。実際現在の新興宗教において信者獲得のノウハウが書かれたマニュアルがあるとのこと。過去のノウハウをまとめたももなのだろう。

2013-05-29 10:24:35
佐藤誠市 @SugarSeisan

私のナムコでの宗教研究はそこで終わってしまったが、ひょっとすると今こそBNGで重要な研究かもしれない。というのもあの時代にはなかった、SNSゲームの興隆があるからだ。SNSゲームの会員増を図るには宗教の信者増のマニュアルは最適だろう。たぶん知ってか知らずか使われているかもしれない

2013-05-29 10:29:27
佐藤誠市 @SugarSeisan

ネットの書き込みを見るとSNSゲームを毛嫌いしている人がいるのが分かる。ひょっとすると会員の集め方にこういった宗教的なものを感じているのかもしれない。同様に創価学会を毛嫌いしている人の書き込みもよく見られるが、SNSゲームを嫌いな人との相関関係を調べると面白い結果がでるかも。

2013-05-29 10:33:15
佐藤誠市 @SugarSeisan

それにしてもこの本を読むと仏教は堕落していったと感じるのは私だけであろうか。本来悟って仏になるため修行が必要だった。でも誰もが出家するわけにはいかない。在家で働く人たちにも信者にしたいという事で大乗仏教が興りさらに南無阿弥陀仏と念ずればいいとか仏になるハードルが下げられていく。

2013-05-29 10:42:29
佐藤誠市 @SugarSeisan

ついには私のような不信心者でも、死ねば出家したことになり戒名をもらい仏となれる葬式仏教となってしまった。水は低きに流れると言うがまさにそれである。ゲームもそうかもしれない。多くの人にやってもらうにはルールや難易度を下げていかねばならない。念仏を唱えるように親指を押せばいいとなる。

2013-05-29 10:46:40
佐藤誠市 @SugarSeisan

勿論、本来の仏教の姿がよいと今でも出家して厳しい修行をしている人もいる。同じように複雑で難易度の高いゲームでなければという人もいる。全体から見れば少数派というのも似ている。宗教を毛嫌いせずゲーム関係者も研究することは重要だろう。そういえばかつてセガ信者とかナムコ信者がいたように。

2013-05-29 10:52:38

「プロジェクトDopa」

佐藤誠市 @SugarSeisan

学研まんが『からだのひみつ』読了。子供向けではなく大人のひみつシリーズの方。したがって「痛風のひみつ」「ニコチン中毒のひみつ」「覚醒剤のひみつ」などさすがに大人向けのテーマとなっている。漫画家ではビッグ錠・山根あおおに・えびはら武・しりあがり寿さんなどの名前は知っている。

2013-05-30 11:19:30
佐藤誠市 @SugarSeisan

ビッグ錠「味覚のひみつ」の鯵兵とか山根あかおに「名探偵カゲマン」とか懐かしかったがやはりえびはら武の「まいっちんぐマチ子」先生は今見てもかわいい。個人的にはしりあがり寿「死体のひみつ」がグロになりすぎずに良かった。孤独死したときのために猫と犬を飼おうかなと思った。

2013-05-30 11:25:38
佐藤誠市 @SugarSeisan

学研まんが『からだのひみつ』を読んでいてドパミンという単語が出てきた。これはドーパミンのことだと思うが現在はこのような表記が一般的なのだろうか?この言葉でナムコ時代の裏プロジェクト「プロジェクトDopa」を思い出した。ゲームにこだわらず脳内麻薬を出させようというプロジェクトだ。

2013-05-31 10:09:45
佐藤誠市 @SugarSeisan

面白いゲームだとこの物質が大量に出ているはずだ。テレビゲームに夢中になっている間はそうではなかったのに、一息ついたら足がしびれていたのに気がつくなんて言うのはこのせいだろう。面白い映画では映画館のいすの窮屈さを忘れてしまうのもそれに違いない。だれると突然気になってしまう。

2013-05-31 10:13:10
佐藤誠市 @SugarSeisan

従って面白いゲームを作れば脳内麻薬が出てくるに違いないのだが、そんなに面白いゲームというのは作れない。そこでゲームに捕らわれずに脳内麻薬がどばどば出てくる方法はないかと考えるための裏プロジェクトであった。裏プロジェクトとはいえメンバーに課長クラスがいたりしたのではあるが。

2013-05-31 10:17:17
佐藤誠市 @SugarSeisan

脳内麻薬を出すと入っても非合法な方法は勿論とれない。そこで私が提案したものが宗教的な手法である。それを説明するのに高校時代の日本史の授業にさかのぼる。その先生はだみ声で押しが強く私の苦手なタイプだったのだが実力のある人ではあった。県の歴史分野においても知られていた人のようだ。

2013-05-31 10:25:02
佐藤誠市 @SugarSeisan

その先生は歴史における時代を理解するには次の三つが重要だといつも言っていた。まず為政者、これは当然だろう天皇なのか貴族なのか武士なのかといったことだ。次に文化の担い手、貴族だ武士だ町人だということ。最後にメインとなる宗教が何かと言うこと。宗教を三つの中に入れるのはすごいことかも。

2013-05-31 10:29:30
佐藤誠市 @SugarSeisan

というのも伊沢元彦さんの「逆説の日本史」シリーズで口を酸っぱくして主張しているのが日本のアカデミックでは宗教について考慮されていないということだ。今から40年前に宗教が時代を理解するのに重要だと授業で教えてくれた先生はかなり偉大だったではなかろうか。高校の先生としてはもったいない

2013-05-31 10:33:09
佐藤誠市 @SugarSeisan

さてその先生が授業中に教えてくれた宗教の儀式についての情報がずっと残っていたのである。仏教といえば葬式しか知らなかった私にはそれだけセンセーショナルだったのだ。お寺の中に黄金の舟を造り主役の貴族がその中に横たわる。その舟に乗り極楽浄土へ行くための予行演習を行うのだ。

2013-05-31 10:38:29
佐藤誠市 @SugarSeisan

部屋の中は当然黄金色に輝く阿弥陀仏などが飾られろうそくなどの明かりに照らされている。まず視覚的に荘厳さを味合うわけである。そして100人近い僧侶が読経する。一人でも鍛えられた喉の僧侶の声は気持ちよいものである。それが100人もそろえば気持ちよさ爆発である。

2013-05-31 10:43:08
佐藤誠市 @SugarSeisan

さらに小坊主の高音がそれに加わる。ウィーン少年合唱団の声に至福感を感じるようなものだ。視覚と同時に聴覚をも刺激してくれる。当然、室内には高価な香木を焚き嗅覚をも満足させてくれる。脳内麻薬出まくりで、こういう世界に行けるのなら死の恐怖さえ無くなるであろう。

2013-05-31 10:48:31
佐藤誠市 @SugarSeisan

授業では言及していなかったが、ひょっとしたらプチ断食でもしていて儀式の最後の締めで食事があったのかもしれない。味覚で幸福感の締めを行うというのもあると思う。授業中に分からなかった描写が一つある。主役の貴族の手に赤いひもが握られていて舟の外にたらしているというところだ。

2013-05-31 10:52:08