マガジンＳＰ班長さんの「アルスラーン戦記連載開始記念、荒川弘先生のエピソード」

班ちょ @pakhancho

たまには荒川先生のお話もしましょうか。７月９日から「アルスラーン戦記」が別冊少年マガジンで新連載です。ご存知の方も多いと思いますが、この連載は編集者の間抜けなカン違いがきっかけで実現しました。はい、僕です。すみませんm(__)m。

班ちょ @pakhancho

田中芳樹先生の大大大ファンで「創竜伝」につづいて「アルスラーン戦記」も漫画にしたい。たくさんの人に広めたいと常々、思っていました。そして「アルスラーン戦記」を漫画にできるのは、恵広史先生でなければ、荒川弘先生しかいない。と勝手に思っていました。

班ちょ @pakhancho

そんな僕に朗報が飛び込んできました。荒川先生ご自身もアルスラーン戦記の大ファンだという情報です。飛びつきました。今、思えば、確度の低い情報だと分かったかもしれませんが、当時（５年前）の僕は夢中で飛びつき、田中芳樹先生にお願いにあがりました。

班ちょ @pakhancho

田中芳樹先生も実は荒川先生のファンだったようで、喜んでくれました。僕はすっかり嬉しくなってしまって、早速、荒川弘先生にお会いしに行きました。そうしたら荒川先生はたいへん申し訳なさそうに「かねがね気になってはいたのですが、まだ田中先生の著作を読んだことはないんです」と。ガビーン！！

班ちょ @pakhancho

頭の中は真っ白になりましたが、あらためて、この小説はすごい小説であること。そして描ける人は荒川さんしかいないということ。最後に、荒川先生はきっとこの小説が大好きになる。ということをお伝えし、「アルスラーン戦記」のカッパ・ノベルスを置いて帰りました。

班ちょ @pakhancho

意気消沈して帰ったかというと、そうでもなく、荒川先生がアルスラーンを読んだことがないと知って、むしろ少しスッキリしました。そんなウマい話が世の中にあるわけないという安堵。そして読んでたらきっと漫画にしたくなってるもんなあ、という今、思えば常軌を逸した信念。ゆえでしょうか。

班ちょ @pakhancho

それから時々、荒川先生にお会いしましたが、さすがに超ご多忙の様子でした。３０分くらいお茶を飲みながら世間話をして、時間ができたら一度読んでくださいね。と言って帰ってくるという感じ。光はある日突然、差しました。荒川先生が「読んでしまいました」と。「描かせてください」と。あっさりと。

班ちょ @pakhancho

連載決定は、そんな感じでした。ネームが上がりました。また、来週にもアルスラーン戦記のお話をつぶやいてみます。荒川先生も田中先生も、ほんと最高なんで。え、それはみんな知ってる？　まいど！

班ちょ @pakhancho

本日発売の別冊少年マガジン８月号で「アルスラーン戦記」の新連載が始まりました。アル戦ファンも、原作未読の方も楽しめる凄い作品になっていると思います。連載開始を記念して、また少し、荒川先生のエピソードを。

班ちょ @pakhancho

僕の荒川弘先生のイメージは「明晰」です。将棋の渡辺竜王にも近いイメージです。はじめてお会いしたとき、新しい漫画を載せる新しい雑誌を作りたいと伝えました。荒川先生はすぐに「新しい漫画は難しい漫画になりがちではないですか？」と。なるほど！と思いましたが、その答えは用意していました。

班ちょ @pakhancho

作家さんの中に眠る個性が強く出るよう、作家のみなさんには「絶望」を描いてください、とお願いしています、と伝えました。すると、荒川先生「ユートピアの闇よりもディストピアの光を、ですかぁ。なるほど。どうしてまた？」僕「…え？」

班ちょ @pakhancho

僕「…え？　えっと、少年漫画としての本分を考えたとき…」荒川先生「なるほどー。たしかにそうですね。今の子供たちにはそれもアリですね。心の中に自分で絶望をこしらえてしまっていることがありますものね」僕「･･･心の中の絶望」荒川先生「ああ。わかります。

班ちょ @pakhancho

荒川先生「ああ。わかります。自身のヒーロー性と矮小さのふり幅が大きすぎて苦しむことは、昔からありましたけどね。最近、その傾向は強いかもしれませんね」僕「ヒーロー…」荒川先生「面白いコンセプトですね。楽しみな雑誌です」僕「･････････」

班ちょ @pakhancho

僕はこの荒川先生との出会った日からずっと、すべてのテレビ番組を１．５倍速で見ています。物事のとらえ方が的確な上に、頭の回転が速すぎて、会話についていけない！　いや、まじで！！　ちょっと面白く書きましたが、人の話も実に丁寧にお聞きになります。

班ちょ @pakhancho

アルスラーン戦記を漫画にするとしたら、荒川弘先生しかいない！とはじめから思っていた、と先週つぶやきました。それは、原作小説を漫画にする場合、「読み直す」という作業が必要だからです。必ず、漫画家さん中でもう一度、小説を書き直すような作業が必要なんです。面白い漫画にするためには。

班ちょ @pakhancho

原作の小説家と、漫画家とのある種の勝負ですね。田中芳樹先生と、「アルスラーン戦記」と、荒川先生ならがっぷり４つに組めると思ったのです。★おそろしいなと思ったのは、必ず、絶対に聞かれると思って答えを用意していた「新しい漫画を載せる雑誌なのに、小説原作の漫画ですか？」という質問は、

班ちょ @pakhancho

その質問は、荒川先生は全くしませんでした。今もお聞きになりません。それは自分次第だ、という秘められた覚悟を感じました。ゾクゾクしました。★今日から始まった「アルスラーン戦記」。新しい漫画です。漫画家・荒川弘の新たな挑戦です。みなさま、お見逃しなく！！

班ちょ @pakhancho

毎月連載です！２話目も５１ページ！これがまた素晴らしく面白くて！！！！！！！！ RT @ikuno190190 @betsumaga 突然すみません、アルスラーン戦記は隔月ではなくて毎月連載なのでしょうか？