文月のゆるーい兵器講座「50口径三年式12.7センチ砲」

日本海軍の駆逐艦に多く搭載された、12.7cm連装砲のお話ですわね。
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文月 @DD_Fumiduki

今日は12.7cm連装砲こと、正式名称「50口径三年式12.7センチ砲」についてお話をしたいと思うですぅ #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-28 23:46:12
文月 @DD_Fumiduki

50口径三年式12.7センチ砲は、吹雪型以降の駆逐艦の主砲として採用された砲で、水平射撃時には初速910m/秒、10発/分の性能を持つ優秀な砲なんだよぉ。ちなみにあたし達睦月型以前の駆逐艦は45口径12cm砲を、秋月型は長10cm砲だから間違えないでね? #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-28 23:52:46
文月 @DD_Fumiduki

今までの駆逐艦はあたしが使ってる「45口径12cm単装砲」を使ってたんだけど、全周囲に防盾がない、威力が弱いとかいうことで、海軍はもっと強い砲を駆逐艦に乗せることを決定するんだぁ。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-28 23:59:14
文月 @DD_Fumiduki

そこで、主砲の口径を7mm増加、砲身長も45口径から50口径へと長砲身化。連装にすることによって威力を向上。さらに駆逐艦搭載砲としては初めて標準で全周囲に防盾を施して荒天時や交戦時の微砕片よけに対応できるようにしたんだよぉ #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:03:22
文月 @DD_Fumiduki

海が荒れてると、駆逐艦みたいな小さい艦は思いっきり波を被っちゃうの。そしたらむき出しの砲座に配置されてる砲員はびっしょびしょになるだけならいいけど、最悪海に流されちゃうんだ。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:05:37
文月 @DD_Fumiduki

それに、戦闘中は至近弾や直撃弾で弾の破片とかがビュンビュン飛んでくるの。高角砲で航空機を撃墜するところがイメージにちかいかなぁ?高角砲は空中で砲弾を爆発させて、飛び散った破片とかで航空機を蜂の巣にして撃墜するの。これが海面で起きてるの #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:08:31
文月 @DD_Fumiduki

だから砲塔を防盾で覆ってあげたのはとっても画期的なことだったの。ちなみに魚雷発射管も特Ⅱ型の敷波さんが搭載したのをきっかけに防盾がつくようになったんだよぉ。機銃掃射くらいしか防げないけどねぇ(苦笑い #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:13:52
文月 @DD_Fumiduki

さて、この砲のお話に戻ろうね。この12.7cm砲はいろんな種類があるの。連装砲架のA型、D型、B型改1、C型、D型。単装砲架のA型、A型改1、B型と結構色々あるんだぁ。順を追って簡単に説明していくねぇ #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:20:35
文月 @DD_Fumiduki

まずはA型から!この型は他の型の基本となったもので、吹雪型駆逐艦Ⅰ型(及び改Ⅰ型)が搭載したんだぁ。仰角は40度の平射砲で、2門の砲が一緒になって動くの。砲室重量は24.5トンだよぉ。結構重たい… #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:29:46
文月 @DD_Fumiduki

次はB型ね。この型は吹雪型Ⅱ型、Ⅲ型と初春型の一部、改装前の千鳥型水雷艇に搭載されたんだ。特徴は、左右の砲が独立に可動するよう改良されたことと、仰角の引き上げの実施(40度→75度)が実施されたことで、対空射撃が可能な「両用砲」になったことだねぇ #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:32:56
文月 @DD_Fumiduki

この両用砲ってのは水上砲戦も対空射撃もどっちもできる万能砲!っていう感じかなぁ。実際のところはこれからお話しするのでお楽しみに~♪ #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:35:33
文月 @DD_Fumiduki

この万能砲を目指したB型なんだけど、仰角を引き上げても専用の高射管制装置は搭載されなかったし、更に弾頭部と装薬が別のままで弾を装填する時はいちいち水平に戻さないといけなかったの。だめだめだねぇ #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:40:16
文月 @DD_Fumiduki

このせいで水平射撃のときは毎分10発も撃てるのに対空射撃のときは毎分4発(15秒に1発)しか撃つことができなかったの。だから同じ世代の米英の駆逐艦みたいに弾幕射撃を行うことが出来なかったんだ。#文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:46:21
文月 @DD_Fumiduki

ちなみに同じ時期に米軍の駆逐艦が搭載していたMk 12 5インチ砲は毎分15発撃てるよ。どこで差が開いたんだろうねぇ… #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:47:23
文月 @DD_Fumiduki

さらにこのB型、重量が32トンくらいに太っちゃって搭載した艦がトップヘビー(重心が高い状態のこと。)になりやすくなっちゃったの。実際このB型砲と単装のA型(連装砲のB型を単装にしたもの)を1基づつ搭載した千鳥型水雷艇が転覆する事件も起きたこともあるんだ #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:52:03
文月 @DD_Fumiduki

この転覆事件は「友鶴事件」として海軍に衝撃を与えることになるよ。詳しくは愛宕さんがこの前やってた講座を参考にしてね。ていうか絶対読んだほうがいいから! #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:53:47
文月 @DD_Fumiduki

次はB型改1なんだけど、仰角が55度で初春型駆逐艦の有明、夕暮に搭載されたってことしかあたしはわかんないの…。ごめんなさい #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 00:57:25
文月 @DD_Fumiduki

C型はB型砲を平射専用に戻した砲(75度→55度)で、白露型駆逐艦、朝潮型、陽炎型に搭載されたんだぁ。砲室重量ははっきりしないんだけど、A型とB型の中間程度みたい。 ※ C型砲架搭載は夕立(白露型)以降とする資料もある。 #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 01:00:14
文月 @DD_Fumiduki

D型は夕雲型、島風(丙型)に搭載された砲で、再度仰角を75度まで引き上げたんだ。でも装填機構の改善は見られなかったみたい。学習能力無し? #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 01:03:29
文月 @DD_Fumiduki

次は単装砲バージョンのほうだねぇ。 A型はさっき話したとおり、連装砲のB型の単装砲バージョンで、砲室重量約17トン、仰角75度。改装前の千鳥型水雷艇に搭載されたんだよぉ #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 01:05:33
文月 @DD_Fumiduki

A型改1は仰角75度で初春型駆逐艦に搭載されたんだ。白露さんには仰角55度にしたこの型が搭載されてたみたい #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 01:06:37
文月 @DD_Fumiduki

B型は仰角55度で、白露さんを除く白露型駆逐艦に搭載されたんだ。今ゆる~い講座をするために手元にある資料では今までのとどこがどう違うのかわかんないから詳しい説明は補足してくれる人にお願いするですぅ #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 01:08:44
文月 @DD_Fumiduki

50口径三年式12.7センチ砲は「平射砲」としては優秀だったんだけど、海戦が航空機主体の時代になっていく流れの中では対空射撃がほぼ不可能なことは致命的な「欠陥」になってしまったの… #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 01:14:00
文月 @DD_Fumiduki

そして、この砲を積んだ駆逐艦達は「時代遅れ」のレッテルを貼られることになるんだ… 航空戦主体の時代なのに艦隊決戦の夢を見てるってね… #文月のゆるーい兵器講座

2013-07-29 01:15:55