今の子供たちにSFを読んでもらうためには
読んだ。直截な感想としては「煽りすぎ」だけど、興味深い指摘もあり(続く) /なぜ宇宙でも未来でも異世界でも超能力でもなくポストヒューマンなのか?『ポストヒューマニティーズ 伊藤計劃以後のSF』について http://t.co/oYataUo9Qy @n11booksさんから
2013-07-31 03:06:41(続き)「学生が挙げてきたネタがおおむねキャラクターに関することだった」、「こうも学生がみんなキャラの属性についての話ばかり出してくると思っていなかったので、こっちのSF観がふるいのかも? 視点を変えたほうがいいのか? と思った」というのはぼくも以前から感じていることで(続く)
2013-07-31 03:08:22(続き)いまの20代は、40代以上のSFファンのSF観がどんなものかはある程度想像がつくんじゃないかと思うんだけど、逆にいまの40代以上が20代のSF観を推しはかるのは難しい気がする。実際、「あ、これは噛み合ってないな」という会話を耳にしたこともあったり。(続く)
2013-07-31 03:17:38(続き)なんでそんなことが起きてるかというと、90年代のいわゆる「日本SF冬の時代」で活字SFファンの断絶が発生しているから、というのがぼくの推測。日本の活字SFをよみがえらせたのが、キャラクターの比重が大きい作品であったために、こんなことが起こっているのではないか。
2013-07-31 03:23:39「それに対して「問題意識が狭いよ」とか突っ込むのは簡単」なんです。でも、若い人にSF読んでほしいという考えの人、SFの新たな可能性を模索したい人は、それをやっちゃダメだよね。
2013-07-31 03:28:51現在のシーンが「キャラが前面に出てくるSFばっかり」だとして、そこに何か欠点があるのかというと、「感情移入で消費できない存在」の居場所が無いというあたりだろうなあ。
2013-07-31 03:43:39島本和彦さんだったかなと思うんだけど、「子供が読みたいと思っている本を禁止するな。そうじゃなくて自分が読んで感動した本を読ませてやれ。大人と子供の感動対決、真剣勝負だ」みたいなことを言ってた人がいて、言い方は暑苦しいが方法論としてはスマートだな、と思った記憶。
2013-07-31 04:01:16ところで、子供にSFの魅力を伝えたい、ということでいろいろ考えているのだけど、実際問題、「SFってなに?」という質問への回答は避けられない問題だと、再認識中。
2013-07-31 04:04:12「SFとは何か」とかいうと、それだけで、ご飯3杯くらいいけるネタだというのは事実なのだけど、今の子供達は素朴に「SF」というカテゴリー認識しづらいのね。単純な話、読んだ本に「SF」って表記されてないから。
2013-07-31 04:06:2170年代kら80年代なら、「xxSFシリーズ」という名称の全集があったから、それを読んで、ああこれがSFなのか、と認識できたと思うのだけど、SFの全集だって、「冒険ファンタジー名作選」でSFなんてどこにも書いてない。
2013-07-31 04:08:26先日、某所で、『「希望」という名の船に乗って』を紹介したのだけど、森下一仁作のこの作品だって、表紙にも、カバーにもSFって書いてない。後書きまで行くと、森下先生がSFを語っているんですけど。
2013-07-31 04:11:16逆に、自分がどうやって『「希望」という名の船に乗って』を見つけられたのか、といえば、森下一仁という「ブランド」を自分が知っていたから。なので、仮に、この本を読んだ子供が次ぎに何を?と考えたとき、同じ児童向けででている「どろんころんど」にたどり着くのは多分無理だとおもう。
2013-07-31 04:14:21@kappan SFと表記されていない、というのは大きな原因の一つかと思いますが、SF内部の多様化も大きな要因にかと思います。(極端な例ですが)スペースオペラと言語SFを並べて「同じジャンルだよ」と言ったとしても、SFの歴史が頭にない子供には同一ジャンルと認識できないかと。
2013-07-31 04:14:42自分が、SFの児童向け全集から、大人向けの本に移行できたのは、SFというジャンル認識ができた上で、「SF教室」と、「世界のSF文学・総解説」があったからなのだけど、そんなパスが必要なんじゃないかと思う。
2013-07-31 04:19:31@korenkan それはおっしゃる通りです。でも、私たちは、SFの歴史を知っているから、「どちらもSF」と認識しているんでしょうか?正直、自信をもって「それは違うんじゃないかと」とも言い切れないのですけど。
2013-07-31 04:23:44マジックワードにして、一種の説明回避としても使われがちが、「センス・オブ・ワンダー」は、確かにあるよう思うのです。だとしたら、それを、子供に分かるように伝えるという努力は必要なんじゃないかと。そのために「SFとは」は避けられのでは、というのが最近思うことで。
2013-07-31 04:25:44今月の『SFマガジン』「大森望の新SF観光局」でなされている、伊藤計劃以後という線引がなされたことによってSFを読むハードルが下がったのではないか、伊藤計劃は新本格ムーブメントにおける綾辻行人的な役割を果たしたのではないか、という指摘は大変興味深いと思いますです。
2013-07-31 04:26:25『「希望」という名の船に乗って』の説明をしたときに、「SFの面白さ」をどうやって伝えようかと結構考えました。とりあえず、今の段階では、「見えている世界がくるっとひっくり返る、だまし絵のような面白さ」というのが自分の答えなんですが、この説明、ヒロイックファンタジーには無理があり。
2013-07-31 04:33:42とか、考えると、SF作家クラブが新しいシリーズで、「21世紀空想科学」という言葉をもってきたのは、結構考えた結果なんだろうなと思います。(やっぱり、ヒロイックファンタジーにはどうか、という気もしますが)
2013-07-31 04:36:07それと、「SF」というタグ付けがビジネス的にできない、という現状において全集という形は重要だと思います。冒険ファンタジー名作選があれば、バローズからハル・クレメントに、あるいはその逆にたどり着けますから。特に、公共図書館は著者50音順配置が多いので、橋渡し機能は重要だと。
2013-07-31 04:44:20もっとも、そもそも、最初の「この本面白い」と思ってもらう必要はあるわけで、sfstart の最初の一冊の「面白さ」を子供向けに紹介する、ということは必要なので、評論の人には、そういうのもやってもらえるとうれしいと個人的には思ってます。
2013-07-31 04:48:33