ヒンデンブルク80回忌記念まとめ ナチスをめぐる、こなたま氏と高須克弥氏のやりとりを中心に
- ちょっと示唆的なツイートをプロローグ代わりに。
外国の歴史と事情を描くやる夫スレで現地をフィールドワークしろっていう荒らしがいたが、現地に行けば体験談だけでサルでも面白いものが書けるのは当たり前で、そうじゃなくて、時間的・空間的に隔たりのある場所で学究できるのが知というもののアドバンテージなのだけどなぁ。
2013-07-30 01:10:52麻生太郎副総理の失言問題が報じられ、こなたま氏の解説がはじまる
http://t.co/QNPouUax3v "麻生太郎副総理兼財務相は29日夜、都内で講演し、憲法改正をめぐり戦前ドイツのナチス政権時代に言及する中で「ドイツのワイマール憲法はいつの間にか変わっていた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか」と述べた。"
2013-07-30 12:59:28江川紹子は知らないけど、麻生の発言は読み方によって意味が変わる。いつのまにか変わってしまわないよう警戒のために「学んだらどうか」ならOK。自民党が憲法を変える手段として「学んだらどうか」ならアウト。
2013-07-30 13:17:29重箱の隅突きで、私みたいなマニア以外には関係ないけど、正確にはワイマール憲法は変わったのではなく、憲法に制限されない法案が成立できるようになって(全権委任法)意味を喪失したのです。ただし全権委任法は改憲と同じ国会の三分の二以上の賛成で成立させられたので「変わった」とも言えるかな
2013-07-30 13:25:03「ルールを越えるルールを作ることで前のルールを変えずに有名無実のもとする」っていうのは、ヒトラーがバンベルク会議で二十五ヶ条綱領の維持と指導者原理の採択を通させて、前者よりも後者を優越させる事で前者の意味をなくし、成文ルールの変更要求を通した自権力への干渉の危険を排したのと似てる
2013-07-30 13:34:00それにしても「議論を呼ぶ可能性がある」と付け加えられた記事の煙のないところに火をつけたい率の高さは異常
2013-07-30 13:53:38麻生の発言も無制限のシロ判定を上げたくないとこあるのよね。密室政治でなく国民的な合意で改憲されるべきだというのが論旨だけど、じゃあ国民的な合意のもとでならナチスみたいな体制になっていいのかとか、違うんだったらではなぜそこでナチスを例に出したのかとか。
2013-07-30 14:16:59麻生も副総理という立場の政治家なんだから、どうやって変えるかどうやって変わったかの話でなくて、変えた先がどうあるべきか、或いは何と違うべきかの話をしなくちゃいけないんじゃないかな。ワイマールとナチスを引き合いに出すからには畢竟そうでないと困ります。
2013-07-30 14:28:29麻生氏の発言の詳細を得て、さらに議論
ちなみに東京新聞の麻生発言要旨を見て(ナチス云々を除いた部分で)私が読み取った内容は「国民の意識が変わっていけば、あたかも熟柿が落ちるがごとく自然に、議論もなく憲法が変わるものだ。議論の喧噪のなかで決めるべきではない」でございます。普通に最悪ですわね?
2013-07-31 13:36:11https://t.co/PONmPgJMmr これを見て「ほんとかな!?」って思って東京新聞のサイトで該当する記事を読んだけど http://t.co/DlNJuLkCQV 議論そのものを否定する言葉や文脈ではないね。
2013-07-31 13:55:57麻生が政治家としてだめなのはデリケートで熟慮すべき問題に言及するときに人が最も平静ではいられない単語を用いるところなんだよ。煽りツイッタラーならまだしも副総理の椅子がそんなに軽くちゃ困る。女性の権利について語るのに「私はレイプについてよく知っているが」とか言い出すようなもの
2013-07-31 14:12:17というわけで麻生太郎さんはワイマールを講演で引き合いに出す時などの原稿チェックのスタッフとして私を雇うべき(チラッチラッ)
2013-07-31 14:21:41「麻生氏の発言要旨」を読んでもやっぱりなんだかよくわからない……という人のために、つまり彼はこう言ったのだと一目でわかる画像を用意してみた http://t.co/tBTRNrkC0D
2013-07-31 14:32:54政治家が何か問題発言をする度「真意はこうだ」とか「全体で見れば問題ない」とか、やたら“冷静”で“物分かりのいい”ことを言う人が現れるわけですが、誤解を恐れずに言えば、真意なんてどうでもいいんだよ。どう受け取られ伝播し流通するかということまで含めての「政治家の言葉」なんだから。
2013-07-31 16:15:00ただそれとは別に、我々ひとりひとりが、ある発言の真意や文脈を見極めようとするのは、とても大切。「政治家は言葉がどう受け取られ伝播するかまで含めて言葉である」、はその通りだけど、しかし江川紹子さんのミスリードの免罪符にもならない。
2013-07-31 16:50:44サルサ踊る英語翻訳者っていう人の麻生の歴史修正主義批判を見たのだけど、概ね正しいのではあるがやはり、麻生の発言を突くレベルで突くと彼女の発言にも歴史の誤認があり、どうしたもんかと思い悩む。
2013-07-31 18:11:37まず、全権委任法は、Es tritt mit dem 1. April 1937 außer Kraft、5年でなく4年の時限立法だ。
2013-07-31 18:13:26全権委任法審議の当日には議会をナチス突撃隊が取り囲み、否決されたら武力に訴えると言外にアピールしながら採択に持ち込んだ。これのどこが「いつの間に変わっていた」なんだ。一触即発の事態で反対党を押さえこんでのゴリ押しでしょう。
2013-07-30 18:36:52https://t.co/Q3sZRbBnGT これも正しいっちゃ正しいんだけど、1930年代のワイマール共和国の政治の最大の特徴である「大統領内閣」っていうシステムを考えると、国民の間の感覚では「何が何だかよくわからん狂騒のうちに決まった」という認識もまた正しいんだよな
2013-07-31 18:24:09