茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【診断メーカーと、星占い】連続ツイート

2013.8/2 茂木健一郎氏:連続ツイート第997回【診断メーカーと、星占い】 星座占いに根拠などないが、テキトーな文字列が来たとき、人間の脳がそれを参考にしてしまう、その気になってしまう、という意味では生きる上で(ほどほどならば)邪魔にはならない。今日のラッキーカラーは○○だ、なんて文字列を見て、そうかっ、みたいな気分になることに害はない…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第997回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、このところツイッターで流行っているあるものについて。

2013-08-02 07:27:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

しほ(1)このところ、ツイッターのトレンドで何か妙な雰囲気の文字列が現れると、たいてい「診断メーカー」。自分の名前を入れると、あなたに適した職業は何で、年収はいくらだとか、神さまが****をつくった時、ナニナニ過ぎるからナニナニしたとか、そんなユーモアあふれる「診断」がなされる。

2013-08-02 07:29:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

しほ(2)私自身も、おもしろがって、自分の「診断」をツイートすることもある。名前を入れれば直ちに「診断」が下って、それをワンクリックでツイートできるから、流行する仕掛けがそろっている。ツイッターとの相乗作用で生まれた、一つのおもしろサービスであろう。

2013-08-02 07:31:20
茂木健一郎 @kenichiromogi

しほ(3)ところで、「診断メーカー」で下される「診断」に、根拠がある、と考える人はまずいないだろう。何らかのアルゴリズムでほぼランダムにテキトーな診断が割り振られる。診断メーカーの場合、ユーザーが独自の診断をつくることもできるので、余計、舞台裏がテキトーだとばれている。

2013-08-02 07:32:41
茂木健一郎 @kenichiromogi

しほ(4)ここで注目されるべきことは、舞台裏が「テキトー」でも、診断が下った時に私たちがある種の「感銘」を受けることは変わらないということだ。たとえば、神さまが茂木健一郎を可愛くつくりすぎたので、ちょっとバカにしておいた、と診断されると、「へえ〜」と思ってしまう自分がいる。

2013-08-02 07:33:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

しほ(5)しばらく前に、この連続ツイートで星占いを取り上げた。学生の頃、雑誌「ぴあ」の星占いの、私の星座(てんびん座)の項目を読んだら、何だか当たっているような気がする。ところが、ある時気づいて他の星座を読んだら、ぜんぶ当たっている気がする。なんだそういうことかと思った。

2013-08-02 07:35:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

しほ(6)つまり、星占いというのは、誰にでも当てはまるような気がする文字列を並べる一種の「芸術」である。星座の運行がどうだとか、配置がどうだとか、そういう「理屈」でアルゴリズムを神秘化しているけれども、そこに因果的な理由があるわけではもちろんない。血液型性格うらないも、同様。

2013-08-02 07:36:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

しほ(7)外部から、根拠のないテキトーな文字列が来たときに、人間の脳は感銘を受けてしまう。参考になったような気がしてしまう。ここにこそ、あらゆる占い、ご託宣の本質があるのであって、「診断メーカー」は、余計な神秘化、もったいぶりなしにそれを実装しているところに好感を持つ。

2013-08-02 07:37:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

しほ(8)星座占いに根拠などないが、テキトーな文字列が来たとき、人間の脳がそれを参考にしてしまう、その気になってしまう、という意味では生きる上で(ほどほどならば)邪魔にはならない。今日のラッキーカラーは○○だ、なんて文字列を見て、そうかっ、みたいな気分になることに害はない。

2013-08-02 07:39:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

しほ(9)本質は、人間の脳がオープンシステムであり、偶有性との出会いの中に生きる、という点にある。日々、生きる中で出会うテキトーな文字列。それらすべてが言うならば「星占い」であり、「診断メーカー」である。そう考えると、生きるって、しみじみ面白くありませんか?

2013-08-02 07:40:37
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第997回「診断メーカーと、星占い」でした。

2013-08-02 07:40:53