同時多発・ツイート連詩・夏組【抱きたい詩、抱かれたい詩　完全版】＃pw夏組　

宮尾節子＊新刊『明日戦争がはじまる 対話篇』好評発売中です。 @sechanco

「もう、終わってる」そんな場所から、始めなけあなんない８。「あの人、何でもない人よ」そんなコラも、かみ殺し。かけ、かけ、カキ氷。脱げば、抱きたい海T。おうよく来た、まあ入れ。空に雲浮いてるしー、鯛や平目大歓迎だしー。もう、君じゃなくていいH。（抱きたい詩、抱かれたい詩）#pw夏組

sodaame【#140字小説】 @sodaame140

林檎飴を抱えた彼女は かき氷を抱えた彼と 目が合いました 青と白の空に 響く蝉時雨の音は 花火を告げる合図 駆け出した夜のこと 走馬灯の様に駆け巡る あの日の思い出を 全部抱えていきます 忘れるなんて出来ないもの 夏は、まだ始まったばかり (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

末松 努 @dejodajo

真夏の夜には会えない無数の涙が浮かぶ。心の傷口から、三日月はできた。血も涙も輝く。黙ったままじゃ、はじまらない。とがったままじゃ、愛されない。淡く夜が明ける頃、開かれる気持ち。愛は闇に隠れ、朝に嫉妬する。絡まった二人をほどきながら。（抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

鳩野えりす @hatonoeris

やがて愛はふたりをほどくのでしょう 地を這って爪先まで照らす朝に溶かされて 抱きあった胸は深奥に 星月夜の温もりだけを閉じ込めて 明け方の熱から守るように鍵をする いつか涙が溢れるころに やさしい記憶だけを取り出すために （抱きたい詩、抱かれたい詩） #pw夏組

春森しゆう @junju_usako

痛みを伴う静かな夜。 欠けた部分をさぐるように寄り添う。 朝には平たい顔をして 背負う鞄の重さはべつべつ。 重い脚でも必ず帰ってくる。 爪は伸びてはいませんか。 (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

akutsu ayumu ꪔ̤̮" @ayusuke_

爪痕に似た三日月を 明滅させて夜を泳ぐ 辿りついた裸足に こみあげる泥濘は 炎天の面影を宿し わたしはどこまでも歩いてゆける (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

雪野 @you_ki_yu_ki

つうっと頬を落ちた汗。 どこまでも青い空の下、 響いた夢物語。 キラキラ輝く瞳は、 あの太陽、を、反射して。 突き進む背中は、 それでもどこか危なげで。 手、を、伸ばしましょう。 向日葵のよう、 あなただけを見つめるから。 （抱きたい詩、抱かれたい詩） #pw夏組

鳩野えりす @hatonoeris

絡めとって。 夜空に流れる枝下花火。 腕を伸ばすよ。 流星よりも熱く。 鼓動よりも強く。 体に焼きつく命をのみ込む。 （抱きたい詩、抱かれたい詩） #pw夏組

雪野 @you_ki_yu_ki

夜のカーテン引き裂いて ぽっかりと浮かんだ月 黒の中を回遊して どこまでも、どこまでも 逸る秒針は昼間の熱を思い浮かべ ちくたく新しい朝を連れてくる みんなが目を覚ます前に そっと魔法をかけて 素晴らしい世界 どこまでも、どこまでも (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

花夜 @kayanokaya

終わりばかりを考えて 最も有意義な、最後 何も、残りやしない癖に 氷の上の甘いシロップの色に 汗流れたパステルな襟に 青と白のコントラストに 浮かされてしまえばいい 抱き抱えるほどの、あの日を、 無意識に作り出す 夏はまだ始まったばかり (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

雪野 @you_ki_yu_ki

最後、はいつだって アイスコーヒーの氷はからんと溶けた 透明なグラスは汗をかいて 覗き込んだ底には もう、何も 肘まであげた長い袖を 二色に塗り分けられた空を 繰り返すあの日 もう一度、もう一度あの夏が ここから (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

az @gris_1505

闇に咲いた花 一瞬こその命の花 摘み取るその手は 同じくらいに熱を帯び 同じくらいに切なさを持ち 同じくらいに 生き尽くすことをいとわない その命こそ光を灯す 闇を照らす星になる (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

雪野 @you_ki_yu_ki

ふわり、開いた いつか悲しみを覚えてしまう それでも終わりまで咲き続けられるよう 愛しさ、を、注ぐ あなたの花は綺麗ですか？ 夜空に咲く大輪の 道端に咲く小振りな どれもいつかの、誰かの希望 凛として佇む、 見据えた先に浮かぶ微かな、 (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

スピカ @brilliantcolor9

指で、そっと触れてみる 胸に寄せられ開花した想いは、いつしか渇きを憶え朽ちてしまうのだろうか 慈しみ溢れ 戯れ流るる 潤いを求め養分を吸い上げる 美しく咲くその中に己の遺伝子を 記憶を遺し未来へと続く途を… （抱きたい詩、抱かれたい詩） #pw夏組

なぎさひふみ @hifumi_nagisa

夢の夢見はまなざしになって、時空を綾取る。彩る光の美しい記憶はとても愛しい。その祈りが妖しいように。夢が息を呼び、溜め息の前を通る。存在は残照であり、未証明を抱く。夢前が遠いながら、とても懐かしい。哀が愛に還るように。 （抱きたい詩、抱かれたい詩）#pw夏組

春森しゆう @junju_usako

雨降りの後でもジョウロに水を汲みはっとする。 待ちすぎて、隣にいながらも、待つ。 あげてもあげても染み込んでいく水。 溢れる想いを汲む人はいつでも遠い。 肌が渇く前にあなたの水をはやく、 (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

犬井悠火@最終回CAS日曜22時 @inui101

あついあついと だだをこねた彼女は もうわたしの後ろにはいなかった 蝉のぬけがらを拾い集めて 土に埋めなおした みーんみんみん みーんみんみん 彼女の夏がまたやってきた （抱きたい詩、抱かれたい詩） #pw夏組

雪野 @you_ki_yu_ki

体内へ、と 吸い上げられた これを私の礎としましょう 閉めきった室内で陥る脱水症状 足りない、まだ足りないのだ、 干乾びいつかは崩れ去る 小指は最後まで残してくれますか？ 交わした約束を目印に 終わりまで向かう ゆびきりげんまん、 (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

末松 努 @dejodajo

記憶にも 抱く権利が 記憶は 抱かれる義務も 流れゆく思い出が 権利と義務を解放し 私とあなたの声色で 夏を染め上げる 本当のあたらしさは 過去から生まれる カフェを出れば 陽射しはあたたかくなっている （抱きたい詩、抱かれたい詩） #pw夏組

雪野 @you_ki_yu_ki

しっかりと抱いた記憶 思い出すことを苦いと 感じるようになったのはいつでしょう 舌の上にざらりと残る 飲み下した感情を 声を張り上げたら、と 青いばかりの空が僕らを急かす 照りつける日射しに 踏み出したのは、右足 前へ、 （抱きたい詩、抱かれたい詩） #pw夏組

なぎさひふみ @hifumi_nagisa

過ぎ去りざる時の想いは、試しのない写しになって、行方の吉凶を占う。全てを翳しながらなお留まる幽思は、愛という波を問う。形象に施された傷を名付ける。尊ぶ紋章が未来から送られ、信義則の新たな撞着を究める。不可思議な愛が哀なら想いは透る、しかし。 （抱きたい詩、抱かれたい詩）#pw夏組

sodaame【#140字小説】 @sodaame140

海の底にはお城がありました 人魚姫は涙で真珠を作ります きらりと光る雫に魚の口づけ 海草が踊るのは浮かれてるの 訪れる吉兆の合図に彼女の眼 それから転換する舞台の幕は 王子様の近づく合図です ねえ教えてよ生きる楽しさを 声に出して歌うから (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

雪野 @you_ki_yu_ki

深い深い海の底 輝く水面を見上げて彼女は いつか訪れる「はじまり」を夢見て あぶくは儚く消えました ぷか、ぷか、ぷかり ハッピーエンドでなくても気にしない それでも私は「幸せ」だから 一緒に歌おう、 (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

春森しゆう @junju_usako

近寄ってきたかと手を伸ばせばするり かわされ 他に集中していたら膝に触れる ぎゅう、と したいものを我慢 しきれなくなり そっと触れてみるも こちらを見てもくれない (抱きたい詩、抱かれたい詩) #pw夏組

末松 努 @dejodajo

灯台は 遠くを照らすものだと ひとごとのように でも立っているのは 他ならぬ大地だと 平気で 見上げたり見下ろしたりは もうやめて 月の明かりを灯して 波音が運んでくる 湿った潮風の香りを嗅ぎながら ほんの一瞬だけ合う目の 儚さを触れあう （抱きたい詩、抱かれたい詩） #pw夏組