何で差別を指す英単語っていろいろあるのに「レイシスト」が日本語になったの?
- _heathworld_
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レイシスト、レイシズムという語について、最近の日本語では「差別主義者・差別主義」みたいな意味で用いられてるのですね。最近よく見かけますが変なカタカナ語です。race=人種や民族、血統のこと。racismは英語では専ら肌の色の差異を元にする人種差別のことです。
2013-08-05 01:12:26差別主義者のことは segregationist と言いますし、差別主義のことは segregation と言います。政治家の発言や言葉を論って政党や政治家の批判をする方が、何となく聞き覚えがあって便利に流通し始めた言葉を使っているように思えます。
2013-08-05 01:16:29raceという語は血統という意味で用いられることもあるのですが、racismという語は人種が同一の場合に民族差別という意味で使いません。民族差別のことはethnic discriminationと言います。旧植民地問題の内では旧支配層と被支配層の人種が異なる対立の時に用います。
2013-08-05 01:27:02日本の在日コリアン差別は旧植民地問題から端を発しているものの日本人と朝鮮半島の人は同じモンゴロイドなので、ここにはracismはありません。ethnic=民族的 問題は確かにあるのですけど。
2013-08-05 01:30:14Twitterでも「レイシスト」という語を多く見かけるようになりました。最初は在日コリアン問題の話に用いられてだったのが、最近は社会階層の上下、特権意識の話までカバーするようになったようです。日本語の「レイシズム」「レイシスト」は多様な差別について一言で纏められる便利な言葉らしい
2013-08-05 01:39:40深夜に「何故レイシスト、raceなんていうあんまり使わない言葉が日本語化されてしまったのか。日本語化に伴って、レイシストと差別主義者はどう違い、またどの様な概念が加えられ捨てられたのか」などというとても興味深い議論がなされていたのを見ている。なんで呼んでくれなかったのか!(アカン
2013-08-05 10:50:44race以外で「差別」を意味する単語をまずは並べてみようと思う。と思ったんだが私、実は差別を意味する単語をほとんど知らない。ちなみに、国連の文章では差別という言葉はほとんど出てこないで、もっと具体的な意味を指すような言葉を使っているイメージがあるな。
2013-08-05 10:52:49例えば「人種差別」と呼べるのは「Ethnic Problem」とかそういう感じになる。差別という言葉はとても人を敏感にさせるが、それでいて何を指しているかよくわからないし、何を指しているのかという合意・同意もとりにくいのだと思う。
2013-08-05 10:54:37で、まぁ、一般的に使われる「差別」を意味する英単語はたぶん「distinction」だろうと思う。ちなみに、これにかなり見た目が近い言葉に「discrimination」という言葉があるが、こちらの場合は「アメリカでよくあった差別≒人種差別」的な意味合いが強いね。
2013-08-05 10:57:23後は「(意識的/無意識的に)目を逸らす」とか「(そこにある問題などから)分ける」などという日本語でいう「ハブ」とか「村八分」的な「差別」として「separation」があるな、と思い出した。 ただし、これはかなり常用外だとおもう。日本語の「イジメ」の英訳はこれかも?
2013-08-05 11:00:19後は、個人的な感性や感覚に従う差別(これを明確に差別と呼べるかは議論の余地があると思うけど)については「favorite」の派生として「favoritism」って言葉があるらしい。初めて知った。 「ただしイケメンに限る」の英訳はこれでいいと思うw
2013-08-05 11:02:24後は、アパルトヘイト?なんかを表現する言葉として「segregation」という言葉があるらしい。イメージとしては「(差別的な理由による)分離」などを指すらしい。 確かに人種隔離政策などと訳されるアパルトヘイトを指すには都合のいい言葉だなと思う。
2013-08-05 11:05:25「distinction」「discrimination」「separation」「favoritism」「segregation」という言葉を見てきたが、ここまでWeb辞書からは「race」という言葉で差別を指すとしている辞書はない。
2013-08-05 11:07:03とすると「race」をもって差別というのはとても常用外あるいは一般的ではない使用あるいはとても範囲の狭まった場面での表現ではないだろうか?という仮説が立つ。 ここから「race」を調べてみようと思う。
2013-08-05 11:08:24そもそも、「race」ってのは、「競争」とかそういう意味だ。何だっけ?と競争とかそういうのを日本語でもレースっていうじゃん?あれが「race」だ。
2013-08-05 11:11:18と思ったんだけど、もう1つ「race」には全然違う意味で「民族」や「人種」という意味がある。 んで、これは同じ言葉なんだろうか?と今辿ってみたら違ってる。あら、違う言葉だったのか。
2013-08-05 11:12:13ちなみに、日本語のレースに当たるraceはどうやら北欧語(旧ゲルマン語?)の「急流」等を指していた言葉が元になっているらしく、次いで「民族」「人種」を指す「race」は、そもそも形容詞の「racial」を元にしており、これはイタリア語からきているようだ。
2013-08-05 11:14:11さて、話を元に戻して、このイタリア語の「racial」から来た「race」についての派生語にようやく「racism」という言葉が出てくる。 これはどういう意味なの?というと実は「民族的優越感」を指している。 あれ?差別って意味ないやんけ?
2013-08-05 11:15:55ん?差別って意味ないんか?あれ???と思ったらこんな例文が出てきた。 「the prejudice that members of one race are intrinsically superior to members of other races」
2013-08-05 11:17:32ははーん。「racism」ってのはこういった「prejudice」を指しているんね。これは確かに差別的だわ。とは思うがしかしこれだと「偏見」とか「誤った考え」だな。訳すとしたら。
2013-08-05 11:18:35としてぱらぱら見ていたら、あった。「人種主義」 これは良くない言葉だなぁ。例えば、ナチスの「アーリア人の優越主義」なんかは完全に人種主義と言える。
2013-08-05 11:19:49なるほど。つまり、「racism」の基本的な意味は、「偏見と妄想に基づく自らの優越性を主張する態度やその主張」を指すわけだ。これでようやく「racism」の大枠が掴めてきたぞ。
2013-08-05 11:21:09さて、日本語になった「レイシズム」だが、もし、原義に従えば、少々厄介な代物だなぁと思う。なんでこいつにしちゃったんだろ? まぁ、「ディスティンクション」とかなげぇよwってのはわかるんだけどw
2013-08-05 11:23:10一番、日本語として口にし易かったのは「レイシズム」だったという説が一番有力だと直感的には思うけれども、もう1つは、これを作った人たち或いはこの言葉を多用する人たちが、少々赤い人たちが多いことも付け加えて、この考察をいったん終了しようと思う。
2013-08-05 11:24:20「racism」が「レイシズム」に変化するにあたって、加えられた概念と捨てられた概念については考察が出来なかったなぁ。悲しい。
2013-08-05 11:25:18