ワン・ガール、ワン・ボーイ #4

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆「何を……」ドォン!ドォン!「やっておるかーッ!」チーフマッポは拳銃でシゲキ弟を狙う!引き金を引く!POW!銃口からは火の粉の塊が飛び、空中で散って消えた。チーフマッポは再び引き金を引いた。POW!銃口はクシャミめいて火の粉を噴きだした。更に引き金!POW!銃口が赤く溶けた。◆

2013-08-09 22:43:39
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆ユシミは跳ね起きて、マイクを再び掴んでいた。「アン!タイ!セイ!」ユシミが叫んだ。チーフマッポは高速思考。銃口が溶けた理由を探る。彼のニンジャ判断力は一瞬で答えを導き出した。今、彼の顔面にジャンプパンチを……赤熱する拳を叩きつけようとしている赤髪の女に、やられたのか。◆

2013-08-09 22:43:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆「こいつ、ニンジャ?」彼の血中をニンジャアドレナリンが駆け巡り、時間感覚が泥めいて鈍化する。赤熱する拳が迫る。パンチを繰り出す彼女の肘は、ジャケットを焼きながら、ロケットエンジンめいた火を吹いている。拳が鼻面にめり込んだ。「ニンジャ、ナンデ?」拳は彼の予想よりも二倍速かった。◆

2013-08-09 22:44:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「痛て……」チーフマッポの顔が変形してゆく。頬がへこみ、鼻が歪み、厚ぼったいくちびるが歪み、涎と鼻血が噴き出す。「痛てえ、ェェーッ!」拳は容赦なくチーフマッポにカラテ衝撃を注ぎ込んだ。「グワーッ!」チーフマッポはキリモミ回転しながら吹き飛び、尻をブレイズに向けて突っ伏した! 1

2013-08-09 22:53:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

血飛沫はブレイズの体に付着する寸前で音を立てて蒸発。彼女は威嚇的に歯をむきだし、チーフマッポの尻めがけ突き進む。「イヤーッ!」ケリ・キック!「グワーッ!」尻を蹴られたチーフマッポは一回転前転!壁に叩きつけられる!「グワーッ!」「ファック!」ブレイズはキツネサイン!「オフ!」2

2013-08-09 22:58:38
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「何しやがる!」チーフマッポは喚いた。「俺は公僕だぞ!」「強制執行重点!」他のマッポ達が警棒を構えた。パンクス達が一斉に襲いかかった。「アンタイセーイ!」ステージ上ではユシミが目を向き、再度の絶叫!ドラムロール!そして太鼓!オコト!ベース!「ウオオーッ!」乱闘が始まった! 3

2013-08-09 23:02:32
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「回転スシが!皿に無い!おれのところに回ってこない!昨日おれは理由を知った!イタマエの近くの奴が!スシを食べ過ぎる!」ユシミは吠える!それはメロディーなどとは無縁の叫び!唸りである。フロアでは、「ウオオーッ!」「執行!」「グワーッ!」「マッポの暴力だ!」「ウオオーッ!」4

2013-08-09 23:07:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

繰り出される警棒!「グワーッ!」パンクスが殴り倒される。彼らは果敢に押し寄せ、マッポを押し、引き、モッシュの波の中に一人、また一人とさらってゆく。さながらそれは渦潮洗濯機に投げ込まれたジュー・ウェアのごとし!「「マワッテコナイ!スシガコナイ!」「コナイ!コナイ!スシガコナイ!」5

2013-08-09 23:11:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「情けねえブタどもだぜ!」起き上がったチーフマッポは破壊された拳銃を捨て、電気ジュッテをフルパワー出力で構えた。ゴウ!ジェット音を発しながらブレイズが間合いを一気に詰める。「イヤーッ!」激しい炎によって加速する右ストレート!「イヤーッ!」チーフマッポはジュッテで応戦! 6

2013-08-09 23:17:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「「グワーッ!」」ブレイズとチーフマッポは互いに叫び声をあげ、たたらを踏んだ。ブレイズのパンチはチーフマッポを捉えたが、ジュッテ電撃攻撃がカウンターしていた。二者は同時に顔を上げ、狂犬めいて睨み合う!「スシを食べすぎるな!」「スシを食べすぎるな!」「スシを、食べすぎるな!」7

2013-08-09 23:22:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スシを食べすぎるな!」「スシを食べすぎるな!」「スシを、食べすぎるな!」ユシミがフロアを睨み下ろす。そして叫ぶ。「暴力!ダセェ!」「「ウオオーッ!」」パンクスはマッポを前後左右に押し流し、モッシュの波に取り込んでいく。彼らは拳を飛ばさなかった。それは荒々しい踊りじみてもいた。8

2013-08-09 23:26:30
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヘヘッ」ブレイズは床に唾を吐いた。「そうとも、ダセェ暴力はアタシらニンジャに任せとけ」彼女は呟き、チーフマッポを睨んだ。「隠してンなよ!この野郎!」「チィーッ」チーフマッポは後ずさった。「戦略的撤退!」そして外めがけ駆け出した。「待ちやがれ!」追うブレイズ! 9

2013-08-09 23:30:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

階段を駆け上がり、裏路地!停車してチョウチンを回転させる無人待機パトカーのボンネットにチーフマッポは飛び乗り、「イヤーッ!」飛び越える。「イヤーッ!」ブレイズは追う!チーフマッポはドタドタと走りながら振り返り、ブレイズめがけスリケンを投擲!「イヤーッ!」 10

2013-08-09 23:43:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ブレイズは飛来するスリケンを焼き切ると、更に追う!チーフマッポは巨漢に見合わぬニンジャらしい敏捷性を発揮し、ブレイズに追いつく事を許さない。「ブヒィー!」チーフマッポは携帯チョウチンを投げつけた。ブレイズのニンジャ第六感が危険を告げる!それはグレネード! 11

2013-08-09 23:48:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「な……」ブレイズは地面に転がるチョウチンに突っ込むかたちだ!ウカツ!KABOOM!「グワーッ!」チョウチンが爆発!炎がブレイズを包む!「ヒィーヒィーヒィー」チーフマッポは足を止めて振り返り、肩を揺すって笑った。「ようこそ、ようこそ。お望み通り、おっぱじめようじゃねえか」12

2013-08-09 23:51:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

バチバチと爆ぜる炎が収束し、赤熱する人型のシルエットに吸い込まれていく。やがてブレイズの姿が現れた。「ハァー。ハァー」彼女は激しく消耗し、肩で息をしている。「ハァー」「ワカル、ワカル。ある種のカトン使いにゃ、火は効かねえッてな、俺は詳しいんだ……だが無傷じゃ済まねえんだな?」13

2013-08-09 23:54:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「うるせェー!」ブレイズは火の粉を振り払った。「やってやるぜ!」「アイサツしようや」チーフマッポは笑い、オジギを繰り出した。「ドーモ。キングピンです」「ドーモ。キングピン=サン」ブレイズはオジギを返した。「ブレイズです」「イヤーッ!」オジギ終了と同時に警棒攻撃!「グワーッ!」14

2013-08-09 23:57:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ブレイズは汚い地面に叩きつけられ、呻いた。「消耗してやがる……消耗してやがる。避けられもしねェ」キングピンは笑い、先ほど殴られて曲がった己の鼻を掴んだ。ゴキゴキと左右に動かし、元に戻した。「クソライブハウス!まさかニンジャ・バウンサーを雇ってやがるとはなァー。ビビッちまうな」15

2013-08-10 00:01:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ブレイズは反撃に出た。地を蹴り、炎で勢いをつけた回し蹴りを放つ!「イヤーッ!」キングピンはこれをブリッジ回避!下から蹴り上げる!「イヤーッ!」「グワーッ!」吹き飛ぶブレイズ!「お前、セクトのニンジャじゃねェな。衛星組織の連中にもテメェのような奴は聞いた事がねェ」16

2013-08-10 00:07:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

キングピンは警棒を弄びながら言った。「俺はよ、大嫌いなジョギングまでして、ワザワザおまえをこんな場所まで連れてきたんだ。お友達の居るところによ……俺は万全を期するタイプでよ……一対一だと、ヘマこいちまう可能性があるからな。ワカル?」彼は周囲を見渡す。 17

2013-08-10 00:11:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

二人はライブハウスの裏路地よりも更に奥まった場所に来ていた。右手には、金網で仕切られた資材置き場。左手には薄汚い廃ビル。ビルには「サロン営業中」と書かれたノレンがかかっているが、明らかに営業店舗は無い。ブレイズは切れた口を拭い、起き上がってカラテ警戒する。 18

2013-08-10 00:15:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「そいつがエサか?」廃ビルの屋上で影が蠢いた。「イヤーッ!」影は回転ジャンプで飛び降り、キングピンとブレイズを挟む位置に着地した。ツヤのある紫色のニンジャ装束を着たニンジャはメンポの奥でほくそ笑んだ。「ドーモ。ダチュラです」「ドーモ、ダチュラ=サン」キングピンは笑った。19

2013-08-10 00:19:14
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「マッポのお前に楯突くなんて、ナメたニンジャがいたもんだなァ?」アイロニーじみた言葉が廃ビルの闇の中から聞こえた。そこから現れたのは黄色と黒の警戒色装束のニンジャだ。「ドーモ。ポリスティナエです」「全くだぜ、ポリスティナエ=サン」キングピンは笑った。「困り果てちまった」 20

2013-08-10 00:25:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ。ブレイズです」ブレイズは憎々しげにオジギした。三人はブレイズをトライアングル状に包囲する。「ここはいわば、俺らのオフィスでよォ」キングピンは言った。「表の連中にゃあちと刺激の強い問題を解決する……大事なビジネスの場だ。お前のような手に負えねえ奴を始末する場でもある」21

2013-08-10 00:31:04