ワン・ガール、ワン・ボーイ #5
(あらすじ:キョートでの激しいイクサにおいて致命傷を受けた女ニンジャは、その後、彼女のニューロンにはからずも同居する事となったニンジャのはたらきで、生命を維持していた。やがて彼女に覚醒のときが訪れる。)
2013-08-15 18:40:47(意識を取り戻した彼女はネオサイタマに己を見出した。本能の導くままにパンク・コミュニティの場、「壁」を訪れた彼女は、ブレイズと名乗り、閉店イベントのセキュリティに就く。歴史あるヴェニューの終了を惜しんで、多くのパンクスや伝説のアベ一休らが集まった)
2013-08-15 18:47:18(だが、有終の美を迎えようとするコミュニティを、悪徳マッポニンジャ、キングピンが黙って見過ごす筈も無かった。若者を叩き潰して歪んだストレス解消行為とすべく、彼はフロアに突入した!ブレイズが飛び出し、殴る!彼らのイクサはヴェニューを離れ、路地裏へ!だがそれはキングピンの罠!)
2013-08-15 18:56:59(相手もまたニンジャと知るや、キングピンは闇コネクション仲間の待ち伏せるリンチ場へブレイズを誘い込み、三対一のイクサに持ち込んだ。注入される麻痺毒!絶体絶命!しかし、彼女をファック・アンド・サヨナラの危機から救った存在があったのだ!謎のニンジャはシルバーキーと名乗る!)
2013-08-15 19:00:50「シルバー……何?」キングピンは分厚い唇を歪め、不可解そうに顔をしかめた。「ドーモ、キングピンです……ジツ使いか?どこから湧いて出やがった。テメェの名前も、俺の警戒ニンジャリストにはねェな……」「ウープス、ウープス」シルバーキーはダチュラの薬物チューブを引きちぎる。「嫌だねェ」1
2013-08-15 19:10:06「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」その背後では、ブレイズがポリスティナエをフェンスにバウンドさせながら殴り続けていた。キングピンはガムを吐き捨て、彼女めがけおもむろに発砲した。BLAMN!「イヤーッ!」ブレイズはこの驚くべき早撃ちを危うくバック転回避! 2
2013-08-15 19:15:48「やるな」とシルバーキー。「ハヤイ」「ハヤイじゃねェよ!」ブレイズが叫んだ。「こっちに向けンな!」「寝てンじゃねえぞ、ポリスティナエ=サン!」キングピンもまた仲間を罵った。「何のためにテメェのような連中を遊ばせてやってる」彼のしわがれ声には不気味な迫力があった。 3
2013-08-15 19:23:34「イ……イヤーッ!」ポリスティナエがフェンスから身を引き剥がし、カラテを構え直す。「なぜ俺の毒が効かんのだ?」「アアッ?」ブレイズの目が怒りに燃えた。身体のあちこちから炎が噴き出し、火の粉が舞う。「毒?そんなもん、焼けちまったンじゃねえの?今アタシ体温何度あるのかな?」4
2013-08-15 19:31:00「バカな。焼いただと?血中……」「昔と勝手が違うカトンだけどさ」彼女は拳を握り、開いた。「馴染んで来たよ。改善(インプルーブド)だな。何だっけ?テメェの名前。運が無かったよな。もっともっと殴ってやるからな!」「イヤーッ!」ポリスティナエが飛びかかる!「イヤーッ!」「グワーッ!」5
2013-08-15 19:38:37繰り出されるポリスティナエの膝蹴り・肘打ち攻撃コンビネーションに対し、ブレイズの飛び膝蹴りが先んじた。カトン・ジツの運動能力への転用!その速さ!ポリスティナエは顎を上向け、仰け反る。そこへ回し蹴り!「イヤーッ!」「グワーッ!」ポリスティナエは背中からフェンスに衝突! 6
2013-08-15 20:33:29「イヤーッ!」跳ね返るポリスティナエにブレイズが拳を叩き込む!「グワーッ!」「役立たずめが!」キングピンが再び拳銃を構える!「イヤーッ!」「グワーッ!?」キングピンは手の甲をシルバーキーに打たれ、拳銃を取り落とす!「俺だぜ。お前の相手はな」「てめェー!イヤーッ!」警棒攻撃! 7
2013-08-15 20:37:19「イヤーッ!」シルバーキーは警棒を片腕で防ぎ、キングピンの顔面を鷲掴みにしようとする!「イヤーッ!」キングピンのニンジャ第六感はシルバーキーのグラップリング攻撃に不穏な気配を察知し、バックフリップで回避!空中で一瞬丸いボールめいた後、砂煙を立てて着地する! 8
2013-08-15 20:41:48「イヤーッ!」BBBLAM!キングピンはサブウェポンであるハンドガンを腰だめ連射!「イヤーッ!」シルバーキーは両腕をクロスし、盾となる!背後ではブレイズがフェンスから跳ね返ってくるポリスティナエを繰り返し殴り続ける!「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」9
2013-08-15 20:50:35BLAMBLAM!BLAM!「グワーッ!」シルバーキーは呻く。ハンドガンがダチュラのニンジャ装束を撃ち抜き、ダメージを与える!キングピンはシルバーキーを睨んだ。「この野郎……」「ああそうさ」シルバーキーは言った。「俺は痛くも痒くもねえ。こんなクソ野郎の身体がどうなろうとな」10
2013-08-15 20:56:18その言葉は果たして本当だろうか。目から出血しながら、彼は叫んだ。「やれ!ケリをつけちまえ!」「イイイヤアーッ!」ブレイズのパンチが加速!ポリスティナエからフェンスに熱が伝わり、赤熱して変形!ブレイズは拳を開き、握り、また握り込んだ。そしてカイシャクの一撃!「イヤーッ!」 11
2013-08-15 20:59:49「……サヨナラ!」熱で焼き切られたフェンスごと、ポリスティナエの身体が後ろに倒れ込んだ。そして爆発四散した。「ブヒッ……」キングピンは引き金をカチカチと引きながら後ずさる。アウトオブアモー。「オイオイ……何で俺様が劣勢なんだ……仕方のねえ奴らだぜ!」身を翻す! 12
2013-08-15 21:03:06「おう!また俺たちの前にナメた真似しに来やがったらな!覚えてやがれよ!」シルバーキーはキングピンの背中を指差し叫んだ。「"俺たち"は他にもまだまだいるぜ!もっとヤバイ奴がな!」「黙れ!」キングピンは走りながら振り返り、罵った。「今日のところは勘弁してやる!オタッシャデー!」 13
2013-08-15 21:10:17ザンシンを終えたブレイズはシルバーキーに駆け寄った。「オイ!何で逃がしたんだ。バカな事しねぇように、痛めつけるか脅しのネタを取らなきゃだろ!」「そうしたいのは山々だったが……」ブレイズは振り返ったシルバーキーの肩をドンと衝く。シルバーキーは仰向けに倒れた。「限界みたいだ」14
2013-08-15 21:18:28ブレイズは狼狽し、倒れたシルバーキーを揺さぶった。「オイ!」「ダイジョブだ、ダイジョブ」シルバーキーは呻いた。「死にやしないさ。コイツの身体、カラテで鍛えられてるし、頑丈だ」「オイ!」「だからさ……」シルバーキーの震える手が差し上げられた。「手を」ブレイズはその手を掴んだ。 15
2013-08-15 21:24:12「すまねえな……やっぱり謝らずにはいられねえ」シルバーキーは呟いた。ダチュラの身体は糸が切れたように力を失い、だらりと倒れた。「オイ!」ブレイズはダチュラの身体を揺さぶる。動かない。「オイッ!」動かない。……やがて彼女は立ち上がった。 16
2013-08-15 21:27:23「……」彼女の赤い髪に、波紋めいて、黒い色が走り、また赤くなった。ブレイズの表情から次第に狼狽と悲哀が去り、しかめ面に変わった。彼女は近くのゴミバケツを蹴り飛ばした。「紛らわしいんだよ!カス!」彼女の髪に再び黒い色の波紋が走った。彼女は弁明めいて言う。「いや、本当すまねえ!」17
2013-08-15 21:32:45一人芝居じみて、彼女は己と会話した。その髪には黒い波紋が繰り返し走り続ける。「今のはギリギリだったかもしれねえ。実際死にかけてた。ああまでなっちまうと、直接触れないと。回収してくれてよかったよ」「そうかよ。それじゃ、お前を捨てていけば、アタシは自由になれたって事か?」 18
2013-08-15 21:36:49