脂質と脂肪について

ゲーリー•トーベス著「ヒトはなぜ太るのか?」を読んで。 (歯科医・小幡宏一先生のツイート集)
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小幡 宏一 @obatadc

「ヒトはなぜ太るのか」を読み終えました。翻訳が最低で特に比喩的な表現の訳が全然理解できませんでしたが、事実の羅列に関しては問題なかったので中盤から面白く読み進めることができました。原文はリズム良く読める名著なのだと思われます。http://t.co/II7fy9tJxj

2013-08-17 00:20:51
小幡 宏一 @obatadc

特に、脂質と脂肪についてとても詳しくわかりやすく説明しているこの本。明日からこの本のまとめをツィートします。

2013-08-17 00:22:52
小幡 宏一 @obatadc

ゲーリー•トーベス著「ヒトはなぜ太るのか?」は肥満の原因を大きく2つに分けて説明しています。先天的(遺伝的)に脂肪の代謝がうまくいかない場合と、脂肪を溜め込むホルモンであるインスリンがうまく働かない場合です。しかし多くの権威者は昔から、いや現在でもその事実に気がついていません。

2013-08-17 08:49:34
小幡 宏一 @obatadc

古くから肥満の原因はオーバーカロリーであるという「信仰」がありました。入るカロリーが出るカロリーよりも多ければ太る、というものです。ところが、少食あるいは低栄養でも太っている人がいることでこの理論には簡単に疑問符がつきます。

2013-08-17 08:49:53
小幡 宏一 @obatadc

しかし、古来カロリー信仰が蔓延する世界では「肥満は食物を食べすぎてしまいかつ運動することをしない本人の自制心のなさ、意思の弱さが原因である」とされました。肥満を精神医学へ持ち込もうとしたのです。

2013-08-17 08:50:55
小幡 宏一 @obatadc

摂取するカロリーに関係なく脂肪を溜め込むことを優先する体質があるそうです。体内の脂肪を調節する酵素やホルモンのうちのどれかが機能していない可能性があります。脂肪組織以外の臓器や組織に栄養を送ることがなおざりになり、しっかり食べていても飢餓状態(内在的飢餓)になってしまうのです。

2013-08-17 08:56:30
小幡 宏一 @obatadc

飢餓状態になるので、当然より食べようとすることで過食になってしまいます。そしてカロリー消費も少なくしようとして、動かなく(怠惰に)なります。過食で運動しないのは原因ではなく、結果であるということです。ましてや意思が弱いからではない。

2013-08-17 08:56:42
小幡 宏一 @obatadc

実際は体内のメカニズムによって必然的に肥満になっているのに、カロリー信仰派の権威たちはこれをもって、肥満は過食と怠惰を制御できない精神的なものによるものと定義づけた。この考え方は現代でも払拭されていない、根強いものです。

2013-08-17 09:00:05
小幡 宏一 @obatadc

もう一つの問題が糖質によってインスリンが正常に働かなくなることです。中盤からはご存知糖質制限の話と動物性食品の重要さが強調されます。 「ヒトはなぜ太るのか?という疑問に対する単純な答えは『炭水化物がそうさせるから』である。タンパク質と脂質は太らせない。」 これにつきます。

2013-08-17 09:18:17
小幡 宏一 @obatadc

つまり太る原因は、「体内の脂肪代謝をコントロールする酵素やホルモンのバランスが乱れている」脂肪組織調節障害と、「インスリンによる脂肪の取り込みが制御できない」血糖値調節機能障害にあるということです。後者には糖質制限は有効ですが、前者には効果がないことが想像できます。

2013-08-17 09:20:28
小幡 宏一 @obatadc

閑話休題。 これで終わる予定でしたがハードルが上がっているのでもう少しやります。この本は参考になる格言の嵐なんです。

2013-08-17 09:22:15
小幡 宏一 @obatadc

肥満の理由として挙げられていた、脂肪代謝障害と血糖値調節機能障害。前者は先天的(遺伝的)、後者は後天的な(食生活による)ものと思われがちですが、血糖値の不安定つまりインスリンの分泌異常が先天的で遺伝的な可能性もあります。 それは胎児期の話になります。

2013-08-17 15:42:45
小幡 宏一 @obatadc

子宮内の胎児は栄養分を、母親の血液中の栄養分の量に比例して受け取る。これは母親の血糖値が高いほど子宮内で胎児が受け取るブドウ糖の量が多いことを意味する。そして、胎児は膵臓を発育させインスリン分泌細胞を増やすことによって、多くのブドウ糖に対応するようになる。

2013-08-17 15:43:07
小幡 宏一 @obatadc

妊娠中の母親の血糖値が高いほど、胎児のインスリン分泌細胞が発達し多くのインスリンを分泌するようになる。その結果、新生児はより多くの脂肪をつけて生まれ、インスリンを過剰に分泌する傾向があり、成長するにつれてインスリン抵抗性になるだろうと考えられる。そして年を取ると肥満になり得る。

2013-08-17 15:43:26
小幡 宏一 @obatadc

このことから、妊婦さんに虫歯予防のためにキシリトールを勧めることの危険性が示唆されます。キシリトールは砂糖の半分くらい血糖値を上げます。砂糖依存の代用としてなら仕方ありませんが、わざわざ服用して虫歯を予防しようとすることにメリットはありません。糖質のコントロールが大切です。

2013-08-17 15:44:12
小幡 宏一 @obatadc

妊娠してからの糖質コントロールには非常に難しいものがあります。妊娠の一年前には、つまりマイナス2歳からの糖質コントロールが肥満を始めとした糖代謝異常の予防につながります。マイナス2歳からの◯◯予防(歯科の場合はここに虫歯が入ります)が大切ですね。

2013-08-17 15:44:38
小幡 宏一 @obatadc

閑話休題。 本からちょっと話がずれましたが、糖代謝異常は世代間に連鎖する可能性があります。気づいた時が糖質コントロールを始める時でしょう。この辺は長岡の先生が詳しく説明してくれるでしょう。

2013-08-17 15:46:37
小幡 宏一 @obatadc

この本はその中に言葉としては出てきませんが、糖質制限の本でもあります。中でも、肥満の大敵として砂糖を挙げています。以下、砂糖についてのコメントを列挙します。

2013-08-18 01:23:38
小幡 宏一 @obatadc

「私たちにとって最悪の食物は、ほぼ間違いなく糖(特にスクロースと高果糖コーンシロップ)である。」

2013-08-18 01:23:48
小幡 宏一 @obatadc

「果糖とブドウ糖が半々に含まれるという糖の組み合わせは、私たちを肥満にするのに特に効果的かもしれない。」

2013-08-18 01:23:55
小幡 宏一 @obatadc

「砂糖はコカイン、アルコール、ニコチン、その他の常習性のある物質が標的とするのと同じ脳の部位(報酬中枢)の反応を引き起こす。」

2013-08-18 01:24:02
小幡 宏一 @obatadc

「これらの糖をまったく食べなかったとすれば、たとえ食事の大半がデンプン質の炭水化物と小麦粉であったとしても、肥満や糖尿病にならない可能性は十分にある。」

2013-08-18 01:24:14
小幡 宏一 @obatadc

閑話休題。 なぜ太る体質があるのか。なぜお腹ばかり太ってしまうのか。食べても太らないのはなぜか。など、にこの本は答えています。その前に、「体に溜まる脂肪は『食べた脂肪分』と『余ったブドウ糖が脂肪に変わったもの』からできていて、ほとんどが後者である」ことを理解しておきましょう。

2013-08-18 12:00:58
小幡 宏一 @obatadc

肥満の原因は脂肪組織の調節障害かもしれません。脂肪を体に溜め込むときに働くさまざまな酵素やホルモンのバランスが、わずかにあるいは大きく乱れている場合に太ってしまうのです。

2013-08-18 12:01:11
小幡 宏一 @obatadc

体の中には脂肪を集めたがる組織とそうでない組織があります。それは人によっても違うもので、それが体型を決める一因となります。そして、脂肪を蓄積しやすい人もいれば、そうでない人もいます。これは遺伝子によって決まっているかもしれません。

2013-08-18 12:01:26