『恐怖箱 怪気』
- chick_encho
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怪談を聞き取りしていて、「直接なんかあったわけじゃないんだよ、でもそんな気配がした」「そんな気がした」というお話のなんと多いことか。多くは聞く人によっては「気のせいだよ」と片付けられるのであろうが… でも、そんなことで片付けてしまっていいのか!?と感じるような話も僕にはあるのだ
2010-09-29 19:57:41世の中、いわゆる「大ネタ」「凄まじい怪異」を求めているのは僕でもわかる。そういう「気のせいだよ」で下手をしたら片付く話は世に出ることはほとんどない。でも、そういう「気配」や「そんな気がした」の中でも異質なものだけを抽出するような怪異本があってもいいじゃないか!
2010-09-29 20:00:22@ts_pその、微かな、幽かな異常を書き取ってみんとす。うん、心が折れない限り。すべて実話。こっそりにょきにょき、始めてみます。こんな感じのやつ!と、とりあえず二話、投下してみます。
2010-09-29 20:01:59板垣さんがいつものように帰り道を歩いていたときの話である。一人、しんと静まり返った深夜の住宅街を歩いていた。突如、誰かに耳元で叫ばれた感覚があった。何を言っていたのか、声が男か女かもわからない。本当に叫ばれたという感覚だけだった。しかし、耳には絶叫の後の残響が残っていたという。
2010-09-29 20:03:13小野さんがドライブをしていた時の事である。ワゴン車で一人運転を続けていた。「車の中でいきなり気配がしたんだよ」車の中にたくさんの人の気配を感じる。みっしりと人、人、人…。「満員のエレベーターみたいだった」気持ちの悪さに耐え、信号待ちをしていたとき突然気配たちは消えたのだという。
2010-09-29 20:04:00@ts_pと、僕のイメージはこんな感じです。こういう、「気配」「そんな気がした」の中でも特に異質なものたちをあげてみようかと。こういう幽かさに目を当ててみようと思います。タイトル、未定。すべて実話のみで。むっちゃローペースでやってみます。誰か、一緒に書いてくれる人募集です!
2010-09-29 20:06:56@chick_encho 僕もこういう感じのは色々と書いた気がしますが、今はちと見返している暇がないというか何というか。でも今日も一つ聞いてきたので、割と微かなものを粒ります。
2010-09-29 20:21:19@ts_p作っちゃいました。「『恐怖箱 怪気』」をトゥギャりました。 http://togetter.com/li/55027 タイトルは「怪気」で行こうと思います。
2010-09-30 08:27:55@chick_encho お疲れさまです。昨日は一粒に一つ書いてそのまま寝ちゃいました。割と「気配」に関しては色々あるので、ゆっくり書いていきましょう。
2010-09-30 08:28:29@chick_encho 学生から聞いた話で、ドアの外にずっと気配がある。遊びに来るはずの友人かと思ったが、覗き穴から見ても誰もいない。その時友人から携帯に電話があった。「今行こうかと思ったんだけど、薄く黒い影があんたんちのドアの前に立ってるから今日キャンセルで」ってのがあります
2010-09-30 08:35:29@chick_encho あと、田舎の古い雑貨屋なんですが、引き戸を開けてたら気配が入って来て、ぐるっと店を一巡して出て行った、と。「来たなら何か買っていってほしかったんだけどねえ」と笑った話とかもあります。ここらへんは証言以外何も無いので、なかなか書けない話ですね。
2010-09-30 08:44:40昨日の放送で話が出た『恐怖箱 怪気』、自分も参加させてもらえることになった。140文字の壁に再び挑むぞ。
2010-09-30 09:21:52窓の外から聞こえる息遣いに和泉さんは体が強張るのを感じた。自室はマンションの五階。ベランダはない。意を決してカーテンと窓を開け放つと、自室からの見慣れた街並みがあるだけだった。ただ、いつか満員電車で嗅いだ覚えのある、何日も歯を磨いていないような、細菌だらけの口の臭いが鼻をついた。
2010-09-30 12:57:30伊藤さんがカフェテラスで休んでいると、目の前を行く人々が皆同じ地点で後ろを振り返っていることに気がついた。カフェテラスと道の境にある柵の前で、皆一瞬立ち止まりふと後ろを振り返る。気になり、自分も同じ地点で後ろを振り返る。……特に異常はどこにも見られない。背筋に立った鳥肌以外には。
2010-09-30 23:46:46学生の頃の話。当時はエレベーターもない結構古い五階建てマンションに、友人二人と住んでいた。最上階の2LDKの部屋だ。バイト先が24時間営業のファミレスで、住居のすぐ近くにある上に友人も同じ職場であったため、必然的に家はバイト仲間の溜り場になった。要は仮眠室代わりである。
2010-10-04 10:32:06そんな中、バイト仲間が気になる事を言い出した。寝ていると、誰かが動き回る音がするという。それは風呂場を使ったり洗面所で歯を磨いたりと、妙に生活臭があるらしい。ただ、それが発生するのはキッチンやダイニング等のフローリング部分でのみで、複数の人間が寝ている時に限定されていた。
2010-10-04 10:32:36部屋に出入りしている誰かでないとも限らない。だから大して気にするでもなく放っておいた。そんな八月の初め頃、夏にしては少し涼しいくらいの夜だった。その日友人の一人はバイト、もう一人は近くの実家に帰っていた。いつもなら来ている筈のバイト仲間の姿も今日はない。部屋には私一人だった。
2010-10-04 10:33:00「たまには一人もいいかー」さほど深く考えもせず、私は読書などしてのんびりとした時間を過ごしていた。そうして、本も読み飽きてウトウトと眠りについた頃。――パタン ――キュッキュッ ――ザァァ…… 水道を捻り、シャワーを浴びる音。バイトから友人が帰って来たのかと思った。
2010-10-04 10:33:26