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今日は私の艦長を務めた「松田千秋」少将について話をしようか。 松田少将は1896年9月29日に熊本県鹿本郡の出身で、海軍兵学校44期生の砲術専攻士官だった。具体的には1913年の9月に海軍兵学校に入校したんだ。#日向の海軍人物講座
2013-08-18 23:03:311916年12月に海軍兵学校を卒業し海軍少尉候補生となり、装甲巡洋艦「常盤」の乗組員として、練習艦隊近郊航海にでることになる。3ヶ月後の1917年3月に帰着し、その年の8月には巡洋戦艦「榛名」の乗組員を務めた。#日向の海軍人物講座
2013-08-18 23:14:1612月には海軍少尉に着任し、1918年の11月に装甲巡洋艦「吾妻」の乗組員として海軍少尉候補生指導官付に着任する。ちなみに、海軍少尉候補生指導官付というのは中尉相当の階級であったそうだ。海軍に入隊してから僅か2年で候補生を指導する立場になった優秀な人だ。#日向の海軍人物講座
2013-08-18 23:19:37そして、1921年12月に巡洋戦艦「金剛」の分隊長心得となる。その翌年の12月には海軍大尉に昇格し、1923年には海軍砲術学校高等科を優等卒業しているんだ。高等科は水雷学校普通科と砲術学校普通科を両方とも必修とし、砲術専門士官を養成する為にあったんだ。#日向の海軍人物講座
2013-08-18 23:31:31そうして砲術を専門として着々と実力を身につけて行った松田少将は、1928年11月に海軍大学校を卒業し、12月に海軍少佐に昇格、海軍省人事局第一課に配属される。1929年にアメリカに留学し、翌年の1930年にはアメリカ大使館付海軍駐在武官補佐官に任命される。#日向の海軍人物講座
2013-08-18 23:38:12駐在武官とは在外公館に駐在して軍事に関する情報収集を担当する武官の事だ。通常は軍人としての身分と外交官としての身分を併有していたようだよ。#日向の海軍人物講座
2013-08-18 23:39:16翌年の1931年の5月には日本に帰国し、同年9月に海軍省軍令部第一部第一課に配属される。この時、あの「大和型戦艦」の建造を試みようとする発想をしたのも松田少将だ。…今考えるととんでもない発想だよな。当時にしてもとんでもない発想だったとは思うが。#日向の海軍人物講座
2013-08-18 23:46:39ここから少し年を飛ばすが、1941年9月標的艦「摂津」の艦長に就任する。この時に、航空攻撃に対する操艦マニュアル「爆撃回避法」と言うのを作りだしたんだ。その翌年の1942年2月に私、戦艦「日向」の艦長に就任する。#日向の海軍人物講座
2013-08-18 23:57:201942年の12月に戦艦「大和」の艦長に就任し、1944年5月に第四航空戦隊司令官に就任するんだ。同年に起ったレイテ沖海戦では、自らの発案した「爆撃回避法」を駆使して、私と伊勢を米軍機の攻撃からほぼ無傷で守ってくれたんだ…。#日向の海軍人物講座
2013-08-19 00:03:35本当に砲撃や爆撃に関しては「すぺしゃりすと」と言っても過言ではないよ。この人は。1945年には私と伊勢に大量の物資を搭載しての、シンガポールから本土への輸送作戦「北号作戦」を成功させている。私と伊勢を「航空戦艦」への近代化改装を提案してくれたのも、松田少将だ。#日向の海軍人物講座
2013-08-19 00:06:29そして、1945年3月に横須賀海軍航空隊指令を務め、同年11月にはその任を解かれ、予備役に編入している。予備役とは、一般社会で生活する軍隊在籍者や、軍隊に就役していた艦艇などの事を差し、有事の際や訓練の時のみ軍隊に戻る役種の事だ。大体どの軍隊にも存在するな。#日向の海軍人物講座
2013-08-19 00:13:33そしてそのまま、同年8月15日、いわゆる「終戦」を迎えたんだ。ちなみに、昭和11年1月に当時の内務省警保局特別警察部が作成した「海軍士官要監視人物」なる極秘資料に松田少将の名が記載されている。#日向の海軍人物講座
2013-08-19 00:17:46この資料に名前が記載されていたせいで、予備役に編入されたんだ。二・二六事件に加担した陸軍将校の思想に同情的だ、と見られていたんだそうだ。#日向の海軍人物講座
2013-08-19 00:21:21また、松田少将は日本海軍の駐米経験者では珍しく、頑なな反米主義者で、戦艦不要論を唱えた山本五十六元帥などに対しては、「真珠湾攻撃作戦」失敗だったんだと批判したこともある。#日向の海軍人物講座
2013-08-19 00:22:37…ただ、松田少将のこの考え方は山本元帥ほどアメリカの力の大きさを見てはいなかったとされる意見もあるな。総力戦研究所勤務時代には、現在の会社の入社試験に良くある「面接」のスタイルを日本で初めて導入したことでも知られているよ。#日向の海軍人物講座
2013-08-19 00:25:01終戦後には「マツダカルテックス」と言う株式会社を立ち上げ、かーど書類のらんだむ自動抽出装置をはじめとする、数々の実用的な発明をしているよ。その数百以上が特許権・実用新案権を取得し、商品化がされているな。 実は発明家のほうが案外、性にあっていたのかもな。#日向の海軍人物講座
2013-08-19 00:28:22と、ずいぶん長くなってしまったが、これで松田少将の話は終了だ。付き合ってくれてありがとうな。少々読みづらかったかもしれないから、「ここをこうしてくれた方が読みやすい!」など、意見があったら教えてくれ。改善してみるよ。#日向の海軍人物講座
2013-08-19 00:30:39@arnvaltr2 あぁ…この人が居たからこそ、伊勢と私がレイテ沖海戦を闘い抜けたんだ。…感謝してもし足りないくらいだよ。
2013-08-19 00:34:13