PKA先生から
- leaf_parsley
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「いい資料」に関しては、たとえばこういう( http://t.co/59IFVxQGuA )しっかりしたレビュー論文などを起点に、参照論文や関連論文を掘り下げていくといいですよ。 @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:12:29んでは連投など。まず、私はI-131など医療用途のあるRIや甲状腺疾患はそれなりに知ってますが、原発事故の専門家ではないので、「チェルノブイリではどうなのか」に詳しくはないです。その前提で読んでください。 @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:13:06医療でのI-131使用で既知の情報を列記すると、 ・検査量の投与では子供含め甲状腺癌は有意に増えない ・バセドウ病治療量では大人の甲状腺癌は有意に増えないが、中途半端に少ないと小児甲状腺癌は増えうる (続く) @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:14:07(続き) ・甲状腺癌治療量では正常な残存甲状腺を焼き尽くすので当然甲状腺癌は増えない。ただし、高線量を浴びながら生き残った元々の甲状腺癌が、未分化転化という大幅増悪を起こすことが稀にある。 こんな感じです。 @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:14:54今書いたうち、発癌が増加しているかどうかに関しては、実際に投与した大勢の患者さんを長期追跡して得た実データが根拠で、モデルとかからの推論ではないので、完璧ではないまでも信頼性はかなり高いと思っていいです。 @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:15:09ついでに書くと、頭頚部癌などの治療で甲状腺に強いX線を当てた場合も、甲状腺癌は増えることが知られています。甲状腺はものすごく放射線に弱いわけではないですが、高線量では結構ハッキリ癌化する組織なんですね。 @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:15:32私には現在認定されている「チェルノブイリで小児甲状腺癌が増えた」が、今書いた医療被曝による「増える/増えない」と同列に語れるものなのかは分かりません。もしかしたら「増えた」の判断基準自体が違うかもしれない。 @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:16:33ただそこでゴチャゴチャ言うとキリがないので、同じ水準で「チェルノブイリでは増えた」と言えると仮定して考えると、比較的合理的な仮説が幾つか浮かびます。 @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:16:49「チェルノブイリでは、バセドウ治療と同等以上の甲状腺被曝があったのでは」「管理されない大量被曝者が相当数いたのでは」「慢性的ヨード欠乏など地域的素因の影響が思いのほか大きかったのでは」などなど @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:17:06実際のところ、調査の結果というのは様々な要因(統計ノイズを含む)が少しずつ影響して出てくるものなので、「この調査とこの調査で出てる差の原因は何か」という問いには、通常クリアカットな回答は出せません。 @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:17:34特にチェルノブイリの件は、ロシアの田舎で起こった事故に対して後から調査してる格好なので、高精度なデータを出すの自体難しいと思うんですよ。例えばI-131の推定摂取量なんて、導くのはものすごく難しいと思います。 @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:19:12ということで、「医療用I-131では癌はあまり増えないのに、なぜチェルノブイリでは増えた?」に明確な答えを出すのは難しいですが、私が一番疑うのはやはり「チェルノブイリではI-131摂取がすごく多かった」です。 @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:19:34以上です。仕事の合間にざーーーっと書いたので、ちょっと読みづらいかもです。分かりにくいところなどあったら聞いて下さい。後から答えます。 @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:21:29@PKAnzug @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin いずれにしてもチェルノブイリの詳しい情報がないと仮説を立てるにも、、難しいですね。福島ですら状況証拠が少なすぎる気がします。
2013-08-22 15:25:01@okamo41 そうなんですよね。あと、何が何でも福島で甲状腺癌激増したことにしたい人たちの姿を見てると、「チェルノブイリの時も同じことやってた連中がいたのでは?」っていう疑念がつい。
2013-08-22 15:32:16@PKAnzug おそらく、それよりも、もし今検出されてる甲状腺癌が福島由来なら、来年は末期の人がたくさん出そうな気がするのですが、、
2013-08-22 15:33:49@PKAnzug @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin ヨウ素治療で小児がんが増える条件で、「中途半端な量の時」というのは、「組織が焼き切れなかった時」ということですか?
2013-08-22 15:38:25@leaf_parsley そんな感じです。子供の放射線感受性が高いことを考えて、元々子供にはあまりI-131によるバセドウ治療はしないんですが、「やむなくやる場合は焼き尽くせ」が今は一般的かと。 @buvery @k60hashimoto @moriyukogiin
2013-08-22 15:42:22@leaf_parsley チオアミド薬剤治療は放射線治療ではなく普通の薬物治療です(当然、放射線は出ません)。これは甲状腺ホルモンの合成を阻害して甲状腺機能亢進状態を治療するんですが、副作用が結構よくあるのと、根本を治すわけじゃないので飲み続けないとダメな場合が多いんですよ。
2013-08-22 16:07:13@PKAnzug 合併症の表をみると、ヨウ素治療時よりチオアミド治療時のほうが報告数が多いようにみえるのですが、、、医療現場で、チオアミド剤を治療方法として選ぶのはどういう時ですか?
2013-08-22 16:09:47@leaf_parsley 甲状腺機能亢進の程度が軽くて、抗甲状腺薬だけでも何とかなりそうな場合ですね。手術は傷が残る、I-131は甲状腺機能低下になる(しかも日本では放射線忌避感情が強く、また未成年には極力使いたくない)、という問題があるので、第一選択にされることが多いです。
2013-08-22 16:12:36@leaf_parsley あと、手術とI-131はできる施設がすごく限られますんで。開業医でも扱いやすい抗甲状腺薬と比較すると、手軽さが大分違うんですよ。ただ、扱いが手軽すぎてダラダラと抗甲状腺薬で様子を見られちゃってる人もいて(結構副作用あるのに)、それも問題だったりします。
2013-08-22 16:16:42