孫泰蔵さん 「この国を出よ」を読んで考えたことのまとめ

taizoson.eth @TaizoSon

今朝はグッとしてハッとすることがあったので、ここに記述しておこうと思う。

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日本は経済成長が止まってしまったといわれる。GDP成長率で見ると日本は1%だが、中国は8～10%、金融バブルの後遺症に悩むアメリカでさえ2～4%だ。他国との比較で考えれば日本の1%というのは「停滞」ではなく「没落」と捉えなければならない、と大前研一氏とユニクロの柳井正氏は言う。

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「失われた20年」と言われるこのような事態に日本はなぜなってしまったのだろうか。それはリーマンショックによる世界不況のせいでも原油高のせいでもなく、日本全体が国際競争力を根本的に失ってしまったからであり、この厳然たる事実を認識し、強烈に危機感を持たねばならないと両氏は指摘する。

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両氏の日本に対する現状認識は非常に厳しい。様々なデータを挙げていかに現在の日本がダメかについてこれでもか、これでもかというくらい徹底的に指摘する。読んでるこちらも暗澹たる気分で滅入りそうになる。そして当然、話はいったい誰がこの国をダメにしたのか？、ということに向かう。

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柳井氏はいつもバッサリ明解だ。「その『何よりダメな日本』を作って来たのが、政治家と官僚です。政治家について何よりも許せないのは、政策を言うだけ言っておいて、肝心の実行はしないという『嘘つき』な体質です。」

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柳井「役人達の姿勢は、言葉は悪いかもしれませんが、『お前たち民間企業は放っておくとロクなことをしないから、俺たちがすればコントロールしてやる』と考えているように、僕の目には映ります。しかし『お上頼り』の保護政策で生き返った産業はひとつもないのです。」

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そして日本のビジネスパーソンについても厳しく批判する。大前「現在の日本のビジネスパーソンは、目指すべき目標を見失っているように思います。今の若い人たちに聞いてみると、たいがい『こんなふうになりたいと思える人は、周囲には誰もいない』という答えが返ってきます。」

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大前「ビジネスの世界は、切実にロールモデル（模範、目標）を必要としています。というのも、長期的な視点で見るとビジネスパーソンの仕事は非常に抽象的で、ロールモデルとなる存在がいないと目標を設定しにくいという現実があるからです。」

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大前「しかし残念なことに日本全体を見回しても、ロールモデルとすべき経済人を見つけ出すのは難しいように思います。なぜなら、ロールモデルは公私ともに充実している人が理想ですが、日本のビジネスパーソンはプライベートも非常にお粗末だからです。」

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大前「『サラリーマンは仕事で忙しくて休みも自由に取れない。余暇の時間などなくて当たり前だ』と言う人も多いでしょうが、それこそが問題の核心です。おそらく日本のビジネスパーソンは、仕事だけでなく、プライベートにおいても目標を持っていないのではないでしょうか。」

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大前「つまり、『自分のやりたい人生』を生きていないがために、とにかく『サラリーマン』という看板を維持することに必至で、プライベートも我慢するという悪循環に陥っているのです。こんなことでは若い人から『ああはなりたくない』と思われても当然です。」

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日本人よ、この国を出よ、と咆える大前研一、柳井正両氏の怒りは激しい。ただ、日本の問題点を鬼の首をとったかのようにドヤ顔で指摘する人はたくさんいる。この二人が凡百の批判と一線を画しているのは、対案を最後にきちんと提示していることだ。中身は割愛するが、非常に面白いと思った。

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現状を憂い、批判のみに留まるのは好きじゃない。行動を起こし、成果を挙げ、実績を積み、その過程もノウハウもすべて分かち合うことで後に続く者たちの参考となる存在（ロールモデル）になるよう努めよう。我々が皆ロールモデルになることを意識して精進するならば、日本はたちまち変わると思う。

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大前研一、柳井正著「この国を出よ」（小学館）を読んで、今朝はそんなことを考えた。