コーヒー浣腸の歴史

とりあえず自分用にまとめ
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うさぎ林檎@ししょーPPMPP💉💉💉💉💉 @usg_ringo

何故浣腸に「コーヒー」なのか尋ねられたけど……そういや何故?(わいたんべえもーん)

2013-09-28 09:04:03
Y Tambe @y_tambe

まずは、何度か示したけど、昔書いたこれ。 http://t.co/jT1gMQ6VvT

2013-09-30 12:27:09
ナカイサヤカ💉×6@イラストで見るUFOの歴史/ゴーストの歴史 @sayakatake

@usg_ringo @y_tambe なんか調べてもゲルソンしか出てこないので、おかしいよなあ、絶対ネタがるはずと思ってるところでした。もうちょっとほじってみます。ところで、「理学療法士」ってカイロドクターですよね。リハビリ専門職の理学療法士がむかっとしちゃうかもといらぬ心配。

2013-09-30 12:39:03
Y Tambe @y_tambe

です。そこらへんは、なんせ12年前に書いてたもんなので、勘弁。 RT @sayakatake @usg_ringo 「理学療法士」ってカイロドクターですよね。

2013-09-30 13:21:57
Y Tambe @y_tambe

現在、アメリカを中心に広まってる「コーヒー浣腸」には、まず、ニコラス・ゴンザレスという医師が、癌の治療法と称して実施しているもの(=ゴンザレス療法)が挙げられる。それと、後は目的が今一つ不明なものがあって「デトックス」だの「ダイエット」だの、漠然とした言葉と共に(続

2013-09-30 12:32:47
Y Tambe @y_tambe

承前)実施されてるっぽいのがある。これがアメリカだけでなく、「ハリウッド、セレブの間で流行の」みたいな枕詞と共に、日本とか、あと韓国でも行ってる人がいる。後者の、いわばカジュアルなものについては、ゴンザレス療法のようないわゆる「代替医療」からの派生だけど(続

2013-09-30 12:36:55
Y Tambe @y_tambe

承前)アメリカの、癌を標的とした「コーヒー浣腸」は、ニコラス・ゴンザレスが創始者ではなく、彼より先に、コーヒー浣腸を取り込んだ独自の「自称・治療法」を提唱した、ドイツ系医師のマックス・ゲルソンという人物ががその創始者と言われている(続 http://t.co/nwHhC9pQrs

2013-09-30 12:41:33
Y Tambe @y_tambe

承前)最初に示した文書は、以前(2000年)書いたもので、年代などについて誤りがあるのだけど、マックス・ゲルソンは1881年ドイツ生まれ、最初はヨーロッパで医師として活躍し1936年にアメリカに移住し1959年に亡くなった。癌に対するゲルソン療法を始めたのが1928年頃(続

2013-09-30 12:45:54
Y Tambe @y_tambe

承前)亡くなる前年の1958年に、"A Cancer Therapy: Results of 50 Cases"という本を書いている。彼の死後、彼の娘であるシャルロッテ・ゲルソンが「ゲルソン協会」を設立して、ゲルソン療法のプロモーションを行い、代替療法として確立された感じ(続

2013-09-30 12:49:41
Y Tambe @y_tambe

承前)マックス・ゲルソンが書いた本が、その後、版を重ねて、1977-78年頃に出版されてるけど、オリジナルは1958年。←これが最初に挙げた文書での主な誤り。(続

2013-09-30 12:52:52
Y Tambe @y_tambe

承前)ゲルソン療法以前の、コーヒー浣腸の歴史について、例えば英語版wikipediaでは1917年の医学文献上の記録が挙げられている。http://t.co/4qIXzJSHxu けど、少なくともそれより以前、19世紀後半の文献にも記述がある。(続

2013-09-30 12:57:29
Y Tambe @y_tambe

承前)「1917年」というのは、多分JAMAのこれ http://t.co/4ILmZUgLxu で、Google Bookで年代遡っていくと、1861年の"the medical times and gazette"に既に見られる。 http://t.co/dikzi6D5xc

2013-09-30 13:04:02
Y Tambe @y_tambe

承前)1861年のものは「コーヒー浣腸」だが、1917年のJAMAの報告は「コーヒー+ウイスキーの浣腸」。で、この二つのあいだの期間の例では、他にも「コーヒー+ブランデー」など、コーヒー以外を使ったものとか、コーヒー、ブランデー、アンモニア、などと併記したものが多い(続

2013-09-30 13:08:48
Y Tambe @y_tambe

承前)それから、実施された患者がアトロピン中毒や、モルヒネ中毒などでの、急性中毒者が対象になっている。19世紀後半には、薬物による急性中毒を対象として、文字通りの「解毒」目的での浣腸が行われており、排出を高めるためにさまざまな添加物が用いられた中にコーヒーがあったと考えられる(続

2013-09-30 13:12:39
Y Tambe @y_tambe

承前)そうした解毒目的でのコーヒー浣腸が、ヨーロッパやアメリカには1920年代より前に存在しており、マックス・ゲルソンは恐らくそれを取り入れた。癌の治療目的という応用としては、彼がその創始者であるとは言って良いと思う。

2013-09-30 13:19:28
Y Tambe @y_tambe

じゃあ「癌の治療を目的としたコーヒー浣腸は有効か?」だけど、実は「ゴンザレス療法」のニコラス・ゴンザレスが、NIHのグラントを取って治験をやった。「いちばん効果が高い」と言われていた膵臓がん患者を対象にしたのだけど、その結果は(続

2013-09-30 13:26:05
Y Tambe @y_tambe

承前)「標準治療法と比べて効果はないどころか、生存期間は3分の1で、QOLでも劣る」という、良いとこなしの結果。http://t.co/pQ7VW7rXtl ただし治験を行ったゴンザレスはこの結果について一切言及せず、未だに「ゴンザレス療法」を絶賛宣伝中。先だって(続

2013-09-30 13:29:49
Y Tambe @y_tambe

承前)スティーブ・ジョブスが亡くなった時、ジョブスは代替療法に走ったことを後悔するコメントを出してたけど、そのときもゴンザレスは「うちに来ていたらよかったのに」というコメントを出した始末。きちんと治験で「効果がないどころか、悪い」というのを示した点は評価に値するけどね。

2013-09-30 13:33:09
Y Tambe @y_tambe

コーヒー浣腸、補遺。1866年、Pacific Medical Journal(サンフランシスコ)の症例報告。トリカブトを誤飲した22ヶ月女児の解毒にコーヒー浣腸を用いた例。 http://t.co/QuNKcWyMFW

2013-09-30 15:07:46
みらー @izumi_441

コーヒー効くんだ・・・。

2013-09-30 15:15:05
Y Tambe @y_tambe

「症例報告がある」というだけでは、十分な医学的根拠とは言えないですので。例えば、このPDFの2枚目にある http://t.co/m09w4sP1IL ピラミッド図を参照。 RT @izumi_441 コーヒー効くんだ・・・。

2013-09-30 15:56:18
Y Tambe @y_tambe

EBMピラミッドの分かりやすい日本語解説サイトってどこにあったっけか。

2013-09-30 15:59:01
Y Tambe @y_tambe

1875年 The Richmond and Louisville Medical Journal アヘンチンキで中毒を起こした小児の治療で、最初のうちに試した(=効かなかった)事例 http://t.co/5t69XH3GBn

2013-09-30 16:05:15
Y Tambe @y_tambe

1886年、The Boston Medical and Surgical Journal http://t.co/9wvACZuXki  胃性神経衰弱の24歳女性。投与されるが死亡。

2013-09-30 16:10:42
Y Tambe @y_tambe

メルクマニュアルにもかつては、コーヒー浣腸についての記述があった模様。コーヒーエネマに関するサイトでは1899の初版から1977までとのこと。とりあえず1961年の版には見られる。 http://t.co/Kk6lHgMcqi

2013-09-30 15:47:47