稲葉剛さんへのインタビュー記事「生活弱者の切り捨てに懸念」要旨
- sasato0229
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1.消費増税は社会保障目的と言いつつ、安倍政権は生活保護基準を引き下げた。アンケートでは生活保護世帯の約6割が食費や電気代を削ったと答え、夏のエアコンを使わず健康状態を悪化させた高齢者も。物価上昇目標を設定し消費税も引き上げるのに生活保護費や年金をカットするのは全くの矛盾。
2013-10-02 17:05:152.2008年の年越し派遣村で貧困問題が可視化され、民主党政権では相対的貧困率が公表。ナショナルミニマムの議論も始まった。しかし鳩山政権の退陣により貧困対策の機運はしぼみ、野田政権にいたっては消費増税に拘泥するあまり、税と社会保障の一体改革で理念なき妥協をしてしまった。
2013-10-02 17:05:333.政権復帰した自民党の社会保障観は生活保護の扶養義務強化に見られるように、困ったら家族や地域で支えるべきというもの。家族や企業に依存する社会保障観は今の社会では現実的でない。将来、低年金・無年金の高齢者が増えるのは必至なのに最低保障年金を導入せずにどう乗り切るつもりなのか。
2013-10-02 17:05:534.アベノミクスにはデフレから抜け出せば、すべての困難が解決するという発想があるが、それはありえない。トリクルダウンの理論が虚構なのは、小泉政権の景気拡張期に貧困が若年層まで広がり、90年代半ばから増えだした餓死者が03年、最悪の93人を記録した事実などでも明らか。
2013-10-02 17:06:095.貧困から命を救うためには景気動向より社会保障を機能させることが大切。反貧困の運動にとって、現在の政治状況は非常に厳しい。でも、だからこそ、やるべきは原点回帰。生活に困窮する当事者の声に耳を傾け、社会保障を切り捨てる動きに対し、現場から抵抗の声を上げるしかない。
2013-10-02 17:06:276.安倍首相は福島第一の汚染水問題で「状況はコントロールされている」と発言。現実とかけ離れているのにあまり問題視されていない。国を信じてはいないが上手にだまされるならいい、という空気が日本に蔓延しているように思えてならないが、それは現実逃避でしかない。
2013-10-02 17:06:527.消費税であれ、社会保障や労働政策であれ、政府はこう言うが、事実は違うと突きつける。一人ひとりが「私は困っている」という声が上げないと、社会はよくならない(了)。 以上、本日(10月2日)付け朝日新聞朝刊「耕論」欄のインタビュー記事の要旨でした。
2013-10-02 17:08:01