茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1060回【国の、あり方もさまざまなんだ】連続ツイート
- riverland_c
- 3461
- 0
- 0
- 4
連続ツイート第1060回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、お伝えしたいなあ、と思ったことを書く次第。
2013-10-10 07:13:19くあ(1)先日、フジテレビの「あすなろラボ」の収録で、東大生26人と議論した。最後は、ひとりひとりの個性が見えてきて、いい感じになったのだけど、最初はいきなりの場外乱闘。対立点をさぐっていくと、結局、「国」というもののあり方についての見解の違い、のようなものが見え隠れする。
2013-10-10 07:14:58くあ(2)安倍政権が、東北における医師不足解消のため、1978年? (だっけ?)に出た文部省(当時)の「医学部新設だめよん」という通達を見直すことにしたと報じられた。それ自体はいい判断だと思うのだけれども、そもそも、国が学部新設を「許可」するという発想自体どうなのか?
2013-10-10 07:16:37くあ(3)アメリカの大学事情を調べていて驚愕したのは、「大学設置基準」とか「認可」などなく、要するに勝手につくるのだという。唯一あるのが、大学同士がお互いに「あいつの単位はみとめるよ」みたいな認証で、しかしそこから外れた大学でさえ、堂々と学生集めて運営しているらしい。
2013-10-10 07:17:45くあ(4)「あすなろラボ」で、最初に東大生たちとバトルロワイヤルになったのは、彼らが「偏差値入試やんなかったら、どうやって学力保証するんだよ!」とか言ってたからで、「そうじゃなくて、なんで誰かが(国が)保証しなくちゃいけないんだよ!」という発想そのものを、ぼくは伝えたかったのだ。
2013-10-10 07:19:01くあ(5)今回の「みずほ銀行」の件(ぼくは、たとえ暴力団員でも、乗用車購入時のローンまで拒否する理由はないと判断している)でも、メディアの論調は「国による検査」は善であり、もっと検査を強化しろ、というようなもの。一つの考え方だと思うが、国のイメージが偏っていると思う。
2013-10-10 07:20:27くあ(6)フリードマンの考え方も、偏っているのかもしれないが、スペクトラムの一方として知っておいた方がいい。18歳の時、Free to chooseを(原書で)読んで感激した。国家による規制を最小限にして、民間の活力に任せよう、という思想。日本にも、もう少しだけあったらいい。
2013-10-10 07:21:36くあ(7)問題なのは、新聞やテレビなどのメディアが、日本の独特の国のイメージ(大学設置を許可するのは国であり、認可するのも国であり、検査、通達するのも国である、というイメージ)と結託して、その再生産に努めているという点であり、それで日本が損をしていること、正直たくさんあると思う。
2013-10-10 07:23:14くあ(8)検定教科書もそうで、教科書を国が検定する、という発想が、果たして正しいのか適切なのか、他のソリューションはないのか、ほとんど議論が行われないことが残念。「あすなろラボ」で、東大生たちに伝えたかったのは、君たちは、もっと自由になっていいんじゃないかということだった。
2013-10-10 07:24:54くあ(9)国のイメージの問題は、「公正さ」の問題にもつながる。「あすなろラボ」の東大生たちは、試験の点数で決めるのがいちばん「公正」だと信じていた。ぼくはそう思わない。国家にせよ、試験にせよ、何かに棚上げするのが「公正」なのではなくて、それぞれの人が自分の自由を信じることだ。
2013-10-10 07:27:41