水飴の功罪、あるいは難解な科学をどう伝えるか
水飴の例えってそんなに悪いかなあ
Higgsを一般向けに説明する水飴モデル、そんなにマズいかなあと思う。比喩だから多少不正確なのは仕方ないし(その旨を断るべきだとは思うが)、ちゃんと物理を学んで疑問に思うような人は、水飴モデルを単純に理解すれば一階微分に係数が付くが、その二階微分版だとすぐ自己解決できるのでは。
2013-10-13 22:14:20@mac_wac おれもそれ思う。水飴モデルというか、有名人が会議で移動するときに周りから話しかけられて動きにくいというか。よくナンセンスと言う人が居るが、イメージをつかむ導入としてはいいと思うんだけど。
2013-10-13 23:13:41@ntakahiro1027 そんなに潔癖に、All or Noneにならなくてもいいと思ってる。多少不正確な点があったとしても、全く何も言わないという選択肢に流れなければならない必要はないよね。
2013-10-13 23:39:20@mac_wac それじゃ正確じゃない!もっと正確に言うと、、、って説明はだいたいプロ向けすぎて理解不能だと思う。あの水飴/会議モデルは非常によく出来ていると思うんだけどなぁ。正確性に重きを置きすぎて、伝わるかって視点が乏しい気が。
2013-10-13 23:41:29どんな人に読んでもらうかにもよるよね
科学の話を自然言語でわかりやすく、というか、雰囲気だけでも伝えようと思って無理やり書くと、必ず不正確になる。その不正確さをどこまで許容するかは、個々の研究者によってものすごく違う。「専門家」と一括りにはできない。
2013-10-13 22:30:11書き手が専門家であっても同じことが起きる。弊誌に書いて下さった研究者の方は、しばしば同じ分野の人から「ここはミスリーディングではないか」と指摘されている。そうした批判を一切招かないようにしようと思えば、非専門家に向けて解説すること自体を諦めるしかない。
2013-10-13 22:39:19うちみたいに文章量が多く、かつ科学の話が好きな読者を想定できる雑誌は、落としどころが比較的探しやすい。逆に新聞は短い取材時間、限られた字数で、科学に全く関心のない読者にヒッグス機構や不確定性原理の何かを伝えなくてはならず、ものすごく大変だ。
2013-10-13 23:32:45一番安全なのは、科学の中身を書かないことだ。実際、新聞の科学記事は、結論と社会へのインパクトだけで、中身にはあまり触れていないケースが多い。だがそのために、研究の意義がとかく「役に立つ」部分に矮小化され、「面白い」部分が伝わりにくい。科学記者には、それを残念に思っている人が多い。
2013-10-13 23:56:44いや,やっぱり誤解を招くと思う
僕個人としては、水飴理論に(大抵)含まれるヒッグス粒子とヒッグス場の混同が一番引っ掛かる。そこは丁寧に違いを解説しないといけないところじゃないの、と。
2013-10-13 22:32:51@mac_wac @ntakahiro1027 @ayafuruta 蒸し返し・横槍になりますが、関心ある話題ですので、つぶやきます。
2013-10-15 17:16:16「真空を満たしているヒッグス場の中を通る粒子は、水飴の中にいるかのように動きにくくなります、これがヒッグス場による質量生成機構です」みたいな説明は、聞く人の想像は掻き立てますが、物理学的には、ぶざまな説明でしょうね。
2013-10-15 17:16:53これでは慣性質量や重力質量に次ぐ、第3種の「粘性質量」みたいなものがあるかのようなイメージを与えます。「動いている粒子は、水飴の粘性のせいで、いつかは止まってしまう」ような運動観では、アリストテレス物理学に先祖がえりしてしまう。
2013-10-15 17:17:51質量の説明が問題だ
なんでこんなぶざまな説明になってしまうのかというと、質量とは何か、質量があるとはどういうことか、もしも粒子に質量がなかったらどんな世界になっていたか、ということを順を追って説明せずに、
2013-10-15 17:18:58…ということを順を追って説明せずに、いきなり「ヒッグス場がすべての粒子に質量を与えた」と言い出すので、手っ取り早いアナロジーに飛びつくはめになるのです。
2013-10-15 17:19:40@tani6s 全くごもっともなのですが、「(慣性)質量とは何か」(一階でなく二階微分に関連する量だということ)というのは初等力学の大きな関門の一つで、理解している一般の方は(記者も?)決して多くないと思うのです。私自身職業柄工夫して話しているつもりですがどうにも伝わりません。
2013-10-15 23:12:37@tani6s 質量とは何かを真に理解するまでHiggsの話を聞いても無意味というのも一つの考えですが、折角興味を持ってくれる人がいるのに勿体無い気はします。であれば、「重いものほど止まりやすい」という素朴な直観を質量の第零近似として説明するのも一つの策なのではと思う次第です。
2013-10-15 23:17:10私は非専門家に "一言で" ヒッグス機構を説明することは無理だと思いますが、順を追って2時間くらい説明すれば、たいていの方には納得してもらえると思っています。ただ、聞く方にもそれなりの忍耐を持ってもらわないといけないですが。
2013-10-15 17:20:58@mac_wac @tani6s それは仰るとおりなのですが、中々2時間じっくり耳を傾けてもらうことは容易では無いと思います。その場合において、(慣性)質量とは、(i) ”動きにくさ”であり (ii) ヒッグス場との相互作用によって獲得される ということを説明するには十分かと。
2013-10-15 17:41:14@mac_wac @tani6s その上で、「じゃぁ、動いていたら段々止まるの?」という質問には、「いいところに気がついたね、それは、、、」ともっとちゃんと説明すればいいのではないでしょうか?
2013-10-15 17:42:16@ntakahiro1027 @mac_wac @ayafuruta う~ん、慣性質量は "動きにくさ(位置を変えにくいこと)" ではなく、"動き方の変えにくさ(速度を変えにくいこと)" だと言わないと気が済まないのが物理学者だと思います。
2013-10-15 19:59:55