学生がユニオンを通じて団体交渉を行うことの意味
今日は首都圏学生ユニオン代表の岩井さんと、首都圏青年ユニオン事務局次長の神部紅さんに授業に来ていただいた。アルバイトが理不尽な目にあっても、損失は比較的少額。その少額のために声を上げると、自分が不利な立場に立たされる恐れがある。さてどうするか。
2013-10-31 15:29:01たいていの学生はあきらめる。岩井さんはあきらめなかった。そして、自分に数千円を支払うことを求めるだけでなく、同じ会社に働くパート労働者ら全員に不払い賃金の支払いを求める交渉を、ユニオンを通じて行った。名前を出し、時間を使い、リスクを冒して。なぜ。
2013-10-31 15:29:13授業後の学生の感想から抜粋(一部要約)。(1)【「私はこれくらいはガマンする」という考え方は自分が損するだけでなく他の労働者にも負担をかけるものだと感じました。】
2013-10-31 15:29:25(2)【学生だから、とか、バイトだから、という理由で理不尽なことをさせられたり言われたりしても、自分の立場が弱いと思い込んで何も言わない、というのは、当たり前のことではなく、とてもくやしいことなのだと感じました。】
2013-10-31 15:29:38(3)【労働者が遠慮してしまったり、おかしいと思っても辞めさせられるかもと声を上げることができない現状であり、私もその一部だけれども、それでは労働者全体の労働条件が引き下がってしまうから、声を上げることが大切なんだと気づかされました。】
2013-10-31 15:29:51(4)【数千円のために行動するのは機会費用が大きすぎないかと懐疑的に見ていた。他のアルバイトを探した方が効率いいんじゃないかと。しかし、「最低限の法律を守らせるだけでない、人道的・倫理的にも(おかしなことは交渉ルートに乗せていく)」という言葉が】
2013-10-31 15:30:06(5)【最も印象に残っているのは、私たちの労働組合に対するイメージについての議論だ。私も店舗前で旗を持って訴えている方をみてあまり良いイメージを持たなかった。だが、その思考こそが労働者側を弱くして、企業側を有利にさせてしまっていたのだと気づいた。】
2013-10-31 15:30:51声を上げること、上げないこと、どちらかが絶対的に正解なわけではない。しかし、「私人が何らかの事情によって――(略)――いつまでも全く権利主張をしないでいるならば、法規は実際に萎え衰えてしまう」(イェーリンク『権利のための闘争』)
2013-10-31 15:31:06そして、「これくらいのことでは学生は文句を言わないだろう」と、働かせ方は改善せずにむしろ悪化してしまう。そういう構造は、多くの学生に伝わっただろうと思う。岩井さん、神部さん、ありがとうございました。
2013-10-31 15:31:22学生の感想つづき(順不同)
(9)○○で働いていたときにも時間は15分区切りだった。スーパーの大手でもこの対応であるならば、何が正しいものなのか、よくわからなくなる。お金の話をすること自体がなんとなくはばらかられるように思われるし、言った後もずっとその職場で働き続けられるのかという不安がある。
2013-11-05 13:55:01(10)私の将来の目標は、人事部で、従業員もお客様も心地よい環境をつくること。内定先は従業員を○○万人も抱えているので、一人一人の生活を守る義務があると思う。
2013-11-05 12:39:34(12)職場の人間関係がいいので交渉しようと考えたことはありません。もっとひどいバイトと比べたら自分は恵まれている方だろうと思っています。
2013-11-05 12:43:57(13)労働組合に入って声をあげるのは、手順的に大変だったり、通念的に怖い、ダメな人がやっているというイメージがあった。自分勝手に行動しているのではなく、不当なことが実際行われているから、声を上げている、と実感できた。
2013-11-05 13:02:29(14)自分がもし不当な扱いをされていても、自分のみの請求でやめると思う。全社的に請求をして、後々その企業がつぶれて、何千人もの人が無職になったら・・・と考えてしまう。
2013-11-05 13:04:32(15)賃金の未払いの請求によって上司との関係はどう変化していくだろうか。そのバイトを辞める覚悟を持たないと行動を起こせないのが、行動を起こさないバイトの人達の心情だと思う。
2013-11-05 13:14:43(16)チェーン店でのアルバイト。1分単位ではあったが残業代が30分間しか出ず、30分以降の分が支払われなかった。当時は時間がかかてしまうのは仕事が遅いからだといわれ、納得してしまっていた。
2013-11-05 13:17:23(17)私のアルバイト先では、その日の仕事が終わり、退勤を切ってから、皆、締め作業をしている。毎日30~40分。疑問なのが、誰一人文句を言わず、むしろ当たり前のように働いていることだ。
2013-11-05 13:22:40(18)声をあげた人が逆に自分の立場を危うくしてしまう、という話があったが、これは非常に難しく、しかし解決しなければならない問題であると思う。オープンな環境での交渉ができることが大切だと感じた。
2013-11-05 13:24:24