藤川大祐氏の「作文」についての連続ツイート

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藤川大祐 @daisukef

作文(1)作文の種類はいろいろある。が、私にとって作文とは、NHK「伝える極意」第1回の「お礼状」の回に凝縮されている。作家のあさのあつこさんに出ていただいた回だ。サイトで動画全編が視聴可能。 http://bit.ly/9eqIQT

2010-10-12 23:05:38
藤川大祐 @daisukef

作文(2)内容と構成が決まれば、文章は書ける(はず)。内容は、関係のありそうなものを多めにリストアップし、取捨選択してそろえる。長期記憶をたどって出てくる場合もあれば、ひたすら調べてリストを作ってもよい。

2010-10-12 23:07:14
藤川大祐 @daisukef

作文(3)「伝える極意」ではお礼状を書くために、子どもに記憶をたどってもらっている。感謝したいことは「いろいろある」と子どもは言うが、その「いろいろ」の具体例を思い出してもらわねばならない。指導者であるあさのさんとの対話、メモ書きといったことを通して、思い出す。

2010-10-12 23:08:34
藤川大祐 @daisukef

作文(4)記憶をたどっても、いきなり核心には迫れない。しかし、いくつかの記憶がたどれれば、「これだ!」と感じられる記憶がよみがえることがある。このような記憶にたどりついたとき、子どもはとてもいい表情をする。いい表情が次々出てくれば、作文は順調だ。

2010-10-12 23:10:16
藤川大祐 @daisukef

作文(5)構成は、最初は何かの真似でよい。「伝える極意」でも、「印象に残った言葉→変わったこと→気持ち」という構成を、あさのさんに与えていただいた。型を学んでそこから離れて自分の型をつくるプロセスは「守破離」などと言われる。最初は、与えられた型を使えばよい。

2010-10-12 23:13:58
藤川大祐 @daisukef

作文(6)文章の種類によって型が決まっている場合は多い。たとえば、新聞記事(事件報道等)であれば、「いつ、どこで、誰が、何をした」がまず書かれ、徐々に詳しい説明、背景へと進むのが型。新聞記事の場合には、編集で後ろのほうから切られることがあるので、重要な要素から順に書く。

2010-10-12 23:15:18
藤川大祐 @daisukef

作文(7)型にあてはめて書く局面と、全体を眺めて推敲する局面との区別が重要。作文に限らず、創造的な活動では、粗く作っていく局面と、全体を眺めて仕上げる局面との区別が必要で、仕上げに時間をかけることが必要である場合が多い。内容と構成を決めて一気に書いたら、全体を眺める。

2010-10-12 23:17:07
藤川大祐 @daisukef

作文(8)あさのあつこさんの指導では、推敲の際に辞書を活用して語彙を広げる活動が入った。繰り返し使われる表現について、辞書で関連する語を引き、似た意味の別の表現を子どもが探すのである。この作業でも、「これだ!」という表現が見つかると、子どもはとてもいい表情をする。

2010-10-12 23:18:42
藤川大祐 @daisukef

作文(9)推敲で必要なのは、読者の視点をとること。もちろん、自分の文章を読むのに、読者になりきるのは難しい。実際に文章を多くの人に読んでもらいフィードバックを得る経験が、読者の視点で文章を眺めることにつながる。

2010-10-12 23:22:52
藤川大祐 @daisukef

作文(10)慣れれば、推敲を待たずに、書き手の視点と読者の視点との両方を行き来しながら文章を書くことができる。佐伯胖先生龍に言えば、読者の側に分身を派遣して書くことができるようになる。これは、話しながら聞き手の視点をももつということと同様である。

2010-10-12 23:24:07
藤川大祐 @daisukef

作文(11)送り手の視点と受け手の視点の双方をもつことは、作文でも、スピーチでも、メディアリテラシーでも重要なことである。自分とは異なる考え方や知識をもつ人とのかかわりを豊富にすることが前提となる。双方の視点をもてないと、表現が独りよがりになる。

2010-10-12 23:26:51
藤川大祐 @daisukef

作文(12)自分に批判的な読み手を想定して文章を書くことは、誤解を招きにくく具体性のある文章を書くために有効である。批判的な読み手の視点をもちつつ書くことで、緻密に具体的に書く意識をもてる。逆に言えば、自分に共感的な読み手だけしか想定できないのはまずい。

2010-10-12 23:31:01
藤川大祐 @daisukef

作文(13)構成について補足。構成で真似をするなら、内容にはユニークさがほしい。ユニークさは、個々の要素よりも、「これだ!」と思う要素を選択する仕方にあらわれるはずだ。お礼状であれば、何に特に感謝したいかに、ユニークさがあらわれる。

2010-10-12 23:35:13
藤川大祐 @daisukef

作文(14)「伝える極意」では、季節の挨拶も書いてもらっている。早春の町を子どもが歩き、春の兆しをたくさん探してメモし、一部を選択して挨拶を書く。「梅やパンジーの花が咲き…」とユニークで新鮮な表現が生まれ、書いた本人がとても満足そうな表情を見せてくれた。

2010-10-12 23:37:52
藤川大祐 @daisukef

以上、作文についての連続ツイートでした。

2010-10-12 23:38:20