なぜ新規事業は失敗するのか? 〜SkypeAPIの廃止で人生詰みそうな話など〜

 半年以上かけて出来た勉強の質問に大学生講師がいますぐ対応するサービスでしたが、もう使えなくなる事が決定しています。おとといスタッフからそのニュースを受けました。ショックさえ起こらなかった。2013年12月にSkypeAPIが廃止されるからです。つまりオンラインの先生の確認も、質問そのものもできなくなります。
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Naoto Hayashi @nhayashi91

次いこうかしら。これはバズらないでほしい気がするw自分のためのまとめ「なぜ新規事業は失敗するのか? 〜ベンチャーが勝つために必要なのは何か?〜」

2013-11-19 19:23:24
Naoto Hayashi @nhayashi91

ここで新規事業とは何か。ベンチャーとは何かを明確にしておかないと。新規事業というのは、世の中のどこの会社よりも圧倒的な優位性を持って立ち上げる事業のこと。他の会社の物まねをするのは新規事業ではありません。ベンチャーもそう。既存のプレイヤーが既得権とかでできないことをすること。

2013-11-19 19:25:16
Naoto Hayashi @nhayashi91

この部分についてはいろいろと議論があるにせよ、今回はそういうことにしておいてください。私が人生で始めて起こした新規事業は忘れもしない今から四年前の大学一年生のときこのあたりから振り返って話を進めて行きます。

2013-11-19 19:27:44
Naoto Hayashi @nhayashi91

当時の私は大学に入ったばかりでしたが、本当にお金がなかった。悲しくなるぐらいお金がなかったのです。親はガンになっていたし、弟の大学進学も迫っていて、当時私は1日の食費が500円以下。夜だけ松屋に行って、牛丼と白米を注文して、白米の上に肉半分乗せて食べて凌いでました。

2013-11-19 19:30:03
Naoto Hayashi @nhayashi91

首都圏に住んでいましたが、お家の家賃は三万円。夏場なんかごきぶりほいほいをやると二百匹ぐらい出て来るようなひどい家でした。そんな家に暮らしていて、さてバイト探すかと思ったのですが、元来の人と話すのが苦手で、かつ人見知りでどこも受からず。大学も最初一ヶ月通えず友達も出来ず。

2013-11-19 19:33:57
Naoto Hayashi @nhayashi91

大学合格早々、早くも大学生活が詰んでしまいました。私は高校の時も、大学に入り立てた時も、会社を起こしてからも、何度もふつうの神経をしていたら人生終わるような状況に立たされてそこからどうにかすることが結構あったのですが、このときもまさにそういう状況でした。

2013-11-19 19:35:10
Naoto Hayashi @nhayashi91

バイトも受からず、仕送りもなくどうしようもなく貧乏で、大学にも居場所がない。そうなれば後は自分で商売を起こして稼ぐしかありません。しかし、手元にあるお金は10万円を切っていたし(お年玉を貯めていた)、家賃3万円のゴキブリ200匹の住処に人は呼べません。営業なんてした事ない。

2013-11-19 19:37:09
Naoto Hayashi @nhayashi91

どうしようか迷って、私には何が出来るのだろうと思いました。不登校で引きこもりだった高校三年間。そこから世間ではわりかし評判のいい大学に入ることができました。これしかない! そう思って、2chやmixi、twitterなんかを使って、自分の大学受験について書き始めたのです。

2013-11-19 19:38:04
Naoto Hayashi @nhayashi91

すると、予想通り、勉強を教えてほしいというメールをいくつかいただきました。しかし、困った事に、生徒さんはみんな首都圏以外の人でした。新潟の人もいれば、大阪の人も居れば、仙台の人もいました。私は最初、首都圏の人をどうにか捕まえて、出勤して家庭教師ができればと思っていました。

2013-11-19 19:39:09
Naoto Hayashi @nhayashi91

しかし、ようやく掴みかけた教え子様も、首都圏の人ではなかった。もう自分の命運もここで尽きたなと思いました。しかし、忘れもしない。あれは5/1のことでした。新潟の教え子様が日吉にやってきて、スカイプで指導してもらえませんか?と話をして来たのです。

2013-11-19 19:40:09
Naoto Hayashi @nhayashi91

スカイプで、一時間に3000円以上のお金を払う人が居る事が、私にはどうしても信じられませんでした。しかし、それは現実でした。それから半年もしないうちに、私は新卒の社会人の数倍のお月謝をいただけるようになりました。なんということでしょう。これは儲かるビジネスだと、まず思いました。

2013-11-19 19:41:56
Naoto Hayashi @nhayashi91

もちろんこのスカイプの家庭教師だって最初からうまくいったわけではありません。最初は慶應生が教えるインターネット家庭教師ということで、全国の子供たちに東京の学生による最高の指導を提供するというコンセプトで始めたのですが、うまくいきませんでした。いくつか理由はあります。

2013-11-19 19:43:06
Naoto Hayashi @nhayashi91

まず、第一には、東京の学生による最高の指導というのが、多くの教え子様にとっては、自分とはかけ離れた素質をもっている人間による上から目線の指導に写ったことです。これに対する対策としては、自分の元々の境遇がいかにひどい不登校・引きこもりだったかを強調することで乗り切りました。

2013-11-19 19:44:06
Naoto Hayashi @nhayashi91

もう一つは、そもそも東京の学生による指導というふれこみに対して、極めて強いニーズを感じる教え子様がそれほど居なかった事です。教え子様にとっては、もっと自分の気持ちが分かるような先生であることを示す文句が必要でした。そこでターゲットを不登校児に絞り、文句を考えました。

2013-11-19 19:45:00
Naoto Hayashi @nhayashi91

不登校の教え子様には、インターネット家庭教師に対する極めて強いニーズがありました。そもそも学校にいけない、家の中にいるので家の中で勉強したいというニーズがある。さらに、自分がこのまま社会の中で価値のない人間になるのが嫌だという強い想いもある。だからこそ、彼ら向けの商売は良い。

2013-11-19 19:46:44
Naoto Hayashi @nhayashi91

それが分かってからは、私は四六時中、不登校の教え子様をどう早稲田・慶應に合格させるかだけを考えました。できるかぎり効率的な勉強法を立案し、実行し、検証しました。成績が伸び悩んだときは良い部分を見つけ励まし、全国模試で上位になったら強く戒めました。結果、合格を出せたのです。

2013-11-19 19:48:03
Naoto Hayashi @nhayashi91

もはや宗教といってもいいぐらいの学習法、その根底にある思想を確立しました。結果、生徒は倍々で増えて行き、塾をやっていた友達と一緒に新宿に校舎を借りて、リアルの個別指導塾に乗り出したりもしました。勢いに乗っていました。ただ、入会希望が70人になったその年、一つの問題が起こりました。

2013-11-19 19:50:03
Naoto Hayashi @nhayashi91

それは、せっかく体験授業を申し込んでくれた彼らの期待に応えられるだけの講師は本当にごくわずかだったということです。それにそういう講師を体系的に養成するノウハウにも欠けていました。というか、そんなものはほとんどありませんでした。ある時期までは講師は全員不登校経験のある慶應生でした。

2013-11-19 19:51:02
Naoto Hayashi @nhayashi91

そういうこともあって、教員の資質の源泉は、それぞれの教師の極めて属人的なものでした。集団指導も模索しましたが、質の面で東進に勝てる訳もないし、そもそも問題として生徒のあいだに絶対にいじめが生じてしまう集団指導が私は嫌いでした。

2013-11-19 19:52:03
Naoto Hayashi @nhayashi91

人間というのは業が深いもので、いじめられっこ・引きこもりをあつめても、集めて教室にぶちこんだら、またその中で比較が生まれ、いじめが生まれるものなのです。困ったことでした。拡大に限界を感じ始めていました。

2013-11-19 19:53:03
Naoto Hayashi @nhayashi91

たしかに不登校・引きこもりの子向けのインターネット家庭教師は、良い商売でした。切実な需要のある不登校・引きこもりの教え子様に価値ある指導を提供し難関大学に合格していただく。これには社会的な意義がありました。しかし、そのうちの何人かは慶應に入っても大学になじめませんでした。

2013-11-19 19:54:03
Naoto Hayashi @nhayashi91

自分がやっていることの意味をもう一度考え直さなくてはならない。いくつかの出来事から強くそう思うようになりました。ここでベンチャーとは何か、新規事業とは何かをまた考え直す機会を得ました。

2013-11-19 19:54:57
Naoto Hayashi @nhayashi91

新しいビジネスが、古いビジネスに勝てる条件は、それが既存のビジネスに比べて「最高の品質」であるか「最速のスピード」であった場合のみです。たとえば、東進は最高の品質を持つ集団指導の塾です。

2013-11-19 19:55:50
Naoto Hayashi @nhayashi91

しかし、個別指導塾では一人の生徒に一人の先生がつきますから、最高の指導を実現するために1時間あたりの時給を10万円にし良い講師を確保するというのは不可能でした。大学生の非常勤講師を使っていますから、教務品質の向上にも限界があります。

2013-11-19 19:57:08
Naoto Hayashi @nhayashi91

必然的に個別指導で勝負するにはスピードが大事になります。最速のスピードを持つ個別指導とは、勉強の質問をしたら24時間365日世界中のどこにいても5分以内に返答が帰ってくるようなサービスです。企画段階で1000万円ほどを集め、私個人が稼いだ数百万円もそこに加えました。

2013-11-19 19:59:05