タイムスクープハンター code:864192　「抜錨せよ！カレーおつかい奮闘記」 1

伊月遊 @ituki_yu

　 「・・・えー。怪我無し、ウイルス反応無し。 アブソリュートポジション。N208、W516、E834、S027。ポジション確認」 　 　

伊月遊 @ituki_yu

　 「アブソリュートタイム、B0137571年58時76分48秒。西暦変換しますと1941年11月7日13時55分。 えー、今回も無事、タイムワープ成功しました。コードナンバー864192、これより記録を開始します」 　

伊月遊 @ituki_yu

沢嶋雄一。彼はタイムスクープ社より派遣されたジャーナリストである。 あらゆる時代にタイムワー プしながら、時空を超えて名もなき人々を記録していくタイムスクープハンターである！ ディーンディーディーディーディディーディディディディディーデデッデデッデデー！（例のテーマ）

伊月遊 @ituki_yu

　 　 code:864192 抜錨せよ！カレーおつかい奮闘記 　 　 　

伊月遊 @ituki_yu

今回の取材対象者は『艦娘』。 第二次世界大戦時、世界各地で運用されていた生物兵器である。 彼女たちは皆自身の身体を様々な武器に改造し、国のために戦ったという。

伊月遊 @ituki_yu

　 「えー、この時代の人々にとって私は時空を超えた存在となります。 彼らにとって私は、宇宙人のような存在です。彼らに接触するには細心の注意が必要です。私自身の介在によってこの歴史が変わることがありうるからです」

伊月遊 @ituki_yu

「えー、彼らに取材を許してもらうためには特殊な交渉術を用います。それは極秘事項となっており、お見せすることはできませんが、今回も無事、 密着取材することに成功しました」

伊月遊 @ituki_yu

　 艦娘は多忙だ。 彼女たちは通常、鎮守府と呼ばれる場所で日夜忙しく働いている。 鎮守府とは日本海軍の基地のようなもので、所轄の海域の防衛、所属艦艇の統率・補給・出動準備、兵員の徴募・訓練、また、施政の運営や監督などを行うところである。

伊月遊 @ituki_yu

艦娘たちの仕事は非常に多岐に渡っている。 例えば鉄クズ拾いやおつかい。鎮守府自体や他艦隊の護衛、敵との海戦、提督との夜戦など、様々な事を彼女たちは任務として行うのである。 彼女たちは第二次世界大戦時、無くてはならない存在だったと言われている。

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　 （艦娘という仕事についてどう思いますか？） 二番艦隊五番艦　天龍 「ええと、艦娘、かい？うーんそうだねえ、わりと辛い所もあるけど、こんな時代なんだ、御国のために奉公しないとね。ここに居る奴らは大体自分で志願して艦娘に改造された奴ばかりさ」

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三番艦隊旗艦　扶桑 「（この仕事を）とても誇りに思っています。これは御国を守る大切な仕事ですから。そのためには例えこの身が壊されようとも構いませんわ」

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彼女たちは元々はただの女性であったが、改造手術を受けて艦娘になった。 一見非人道的な行為に思えるが、当時は多くの者が富国強兵の思想に乗っ取り、自ら志願して手術を受けたと言われている。

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隼鷹「いやぁー、今日も疲れたぁ！ふっふふー、さあてごっはんごはんー♪」 飛鷹「隼鷹、食事中。もうちょっと静かにしてよ」 隼鷹「なんだよー、堅いこと言いなさんなってー。あたしら補欠の楽しみなんて、ごはん位しかないんだからさー。それに折角だから楽しい方が良いじゃんか」

伊月遊 @ituki_yu

隼鷹「なー、那珂と菊月もそう思うよな！」 菊月＆那珂「どっちでも良い」 隼鷹「おいおいお前らまでかよー。おっ、今日は金曜日か、じゃあカレーだな！弾薬カレー！ひゃっはー！」 沢嶋「あのー。ちょっと良いですか？それ、何です？」 隼鷹「ん？なんだ兄ちゃん食いたいのか？いいよ、一口」

伊月遊 @ituki_yu

沢嶋「ありがとうございます。・・・あ、美味しいですね。ちょっと失礼します」 沢嶋「・・・本部、本部。応答願います」 古橋（はい、古橋です。どうしました沢嶋さん） 沢嶋「ちょっとこの弾薬カレーという食べ物について調査をお願いします」 古橋（了解です）

伊月遊 @ituki_yu

古橋（・・・これは、ナツメグ、コリアンダー、シナモンなどの香辛料と、後は豚肉、ジャガイモなど。普通のカレーの材料ですね） 沢嶋「なるほど」 古橋（特徴といえば弾薬と燃料、それと鉄鋼が入っていること位でしょうか） 沢嶋「なるほ・・・え？ちょ、え？」

伊月遊 @ituki_yu

古橋（データ出します。火薬、船舶用燃料などが入っています。これらは艦娘たちの一般的な食事で、第二次世界大戦時の日本では良くスープなどにして食べられたという記録が残っていますね） 沢嶋「あ、えっと・・・あ、はい。ありがとうございます」

伊月遊 @ituki_yu

金曜日のカレーは彼女たちにとって非常に大切な意味を持つ。 彼女らは長い海洋生活の間に日付や時間、曜日の感覚を失ってしまわぬよう、毎週決められた曜日と時間に同じ物を食べるようにしているのだ。 この風習は２１世紀の海上自衛隊にも受け継がれており、大事な任務のひとつとなっている。

伊月遊 @ituki_yu

また、戦時中は禁欲的な生活を強要され、兵士たちはフラストレーション溜まる。金曜日のカレーは一種のごちそう扱いであり、こうしたストレスを解消させる一環としての意味あいも持っていたのである。

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隼鷹「なー、それにしてもさー聞いたかい？」 菊月「なにをだ？」 隼鷹「なんかこの前新入りが入ったらしいじゃんか、それに合わせて新しい艦隊が作られるらしいよー」 那珂「ええ、本当！？じゃあもし新しい艦隊のメンバーに選ばれたら、遂に那珂ちゃんもメジャーデビューってこと！？やったー！」

伊月遊 @ituki_yu

菊月「気が早いぞ那珂」 飛鷹「根も葉もないただの噂よ噂。今まで何度そんな話があったと思ってるのよ。大体その新入りだって噂で、まだ実際に見たこと無いのよ？」 隼鷹「まーまーいいじゃんかー。ちょっとは夢見ようぜー」