茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1098回【くだらない理由で選挙に金がかかるシステムにしておいて、一方でお金は自分で何とかしろというのは偽善である】連続ツイート

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第１０９８回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、選挙とお金の関係について。

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おさ（１）猪瀬直樹さんのニュースを見ていて、いろいろと考えた。ぼくは選挙に出たことはないし、出るつもりもない（その理由は、大切な仕事だとは思うけど、人生でやらなくてはいけないことが他にあるから。クオリアとか。）ただ、一市民として、公職に就く方を選ぶ選挙のあり方には当然関心がある。

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おさ（２）それで、世間には、「選挙にはお金がかかる」というイメージがある。まずは、供託金というのがあって、法定得票率に達しないと没収される。さらに、お金がいろいろかかる、というイメージがあるが、問題は、何にお金がかかるのか、ということである。

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おさ（３）選挙にお金がかかる、というと、何かダーティーなことに使っているんじゃないか、みたいなイメージがあるけど、実際には、ポスターを貼ったり、チラシみたいなのを印刷したりとか、ある意味ではものすごくベーシックなものでも、積み上げると、かなりの金額になるらしい。事務所費用とか。

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おさ（４）これって、根本的におかしいと思う。例えばポスター。なんで、候補者側が、自分の費用で張るシステムになっているのか、ぼくには一切理解できない。選挙にお金がかかると言っても、それは、ものすごくトリヴィアル（とるに足らない）ことでかかるのであって、そういう制度、愚かだと思う。

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おさ（５）つまり、現行の公職選挙法って、事実上、供託金とか、ポスター張るとかどうでもいいことにお金がかかるようになっていて、そのことが、選挙に出る上での「参入障壁」になっている。お金持ちか、お金持ちの知り合いがいる人か、そういう人しか選挙に出られない。愚かなシステムだよね。

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おさ（６）だから、議員さんに聞くと、選挙で負った借金を、議員の任期中に歳費などで返す、みたいな話を聞く。日本の選挙って、どこかおかしいと思う。マスメディアも、お金のスキャンダルも好きだけど、そもそも選挙にくだらない理由でお金がかかって、それが放置されていることは書かない。

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おさ（７）そんな中、選挙に出る人には、「タニマチ」が出るのだ、という話を小耳に挟む。数千万とか、一億とか、そういうお金を、ぽんと出す人が実際にいるのだという。必ずしも見返りや利権を期待しているわけではなく、ひいきの相撲取りにぽんと祝儀を渡すみたいに出す人がいると、ぼくは聞いている

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おさ（８）もちろん、そういう行為が、さまざまな法律に引っかかる可能性があるのならば、清廉潔白な候補者ならば、タニマチの金には手を出さない方が賢明だろう。その一方で、くだらない理由で選挙に金がかかるシステムにしておいて、一方でお金は自分で何とかしろというのは、偽善であると感じる。

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おさ（９）日本の政治部や社会部の記者は、以上のことを全て知っていて、それには口をつぐんで、スキャンダルだけかき立てる。猪瀬直樹さんのことを擁護しているのではないけれども、そもそもお金かからない選挙にすればいいんであって、おろかなシステムどうして放置しているんだよ、ばーかって感じ。

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以上、連続ツイート第１０９８回「お金が、参入障壁になっている選挙って、おかしいよね」でした。