茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1109回【毒キノコがうまいって、マズイんでねえかい】連続ツイート
- riverland_c
- 3660
- 0
- 1
- 6
どま(1)今朝、FacebookのTLを何気なしに見ていたら、ある人が、「これから毒を吐くから(フォロワーが)減る」みたいなことを書いていて、それで、なぜか朝から牛丼を食べて、朝7時前に家を出るとき、「毒かあ」としみじみ思ったので、今朝の連ツイは、毒の話にしようと思う。
2013-12-04 06:56:14どま(2)毒は、もちろん苦手である。特に、毒キノコはこわい。子どもの頃、森の中で蝶を追いかけていると、きれいなキノコが時々あった。「ああ、ああいうのを毒キノコっていうんだろうな」と思って、近寄るとやばい、ましてや口に入れると死ぬ、と思っても、なぜか目が離せなかった。
2013-12-04 06:57:25どま(3)そして、大人になって、日経サイエンスの対談で、私は衝撃の事実を知ることになる。なんと、毒キノコの中には、食べると、普通にうまい、というか、実はすごく美味しいものもあるというのだ。美味しい、おいしいと夢中になって食べているうちに、やられてしまうのだという。
2013-12-04 06:59:14どま(4)毒キノコが、口に入れた瞬間うえーっとなるような不味いものだったらいいけれども、おいしいっていうのは、反則だろう、と思った。具体的にどのキノコが、美味しい毒キノコなのかは、こわくて忘れてしまったが、とにかく、人生にも通じるような、「美味しい毒」のメタファーである。
2013-12-04 07:00:13どま(5)それにしても、前から気になって仕方がないのが、ドイツ語では毒のことをGiftということで、トリスタンとイゾルデにも出てくる。なんで、英語で言えば贈り物が、毒なのか、と気になっているが、ぐぐったことないし、今もぐぐらずに書いている。いずれにせよ、深いやね。
2013-12-04 07:01:11どま(6)昔、臭いものを薄めるといい匂いになるんだ、というようなことを聞いたことがある。薄めた毒は、かえって福音になる、ということがあるかもしれない。そもそも、酸素は、それが地球上に誕生した時には生物にとって(実は今でもある程度は)毒であったと聞く。それが、いつの間にか呼吸に。
2013-12-04 07:02:18どま(7)毒って、薄めれば薬にもなるし、また、生物がそれに適応することによって、進化のきっかけにもなるということで、なかなか侮れない。そういえば、すぐれた芸術作品は、毒みたいなところがあって、気づかないうちに中毒してしまう。ボードレールとかワイルドとか、太宰治とか。
2013-12-04 07:03:29どま(8)殺人事件において、男性はピストルや刃物などの派手な道具を使う野に対して、女性は毒殺みたいなのが多い、と聞く。そういえば『トリスタン』でもイゾルデが盛るのは毒だし、『刑事コロンボ』でも、女性が犯人だと、毒殺が多いように思う(正確な統計はとっていませんが)。
2013-12-04 07:05:06どま(9)毒、というわけではないけど、えぐみ、みたいなものがうまい、と思うことがある。フキとかの山菜はたいていそうだし、ビールを飲む時も、あの苦みが一種の毒のようなものだ。というわけで、今朝は毒について考えました。連続ツイートも、1000回に一回くらいは「毒」でもいいやね。
2013-12-04 07:06:43