#ごちそうさん 第11週 「大嫌いっていわしたい」ArbUrtlaさんの感想まとめ

市川大河さん@ArbUrtlaの#ごちそうさん感想まとめ。個人的に好きなので忘備録のために作りました。
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第61話

市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 和枝の恋愛の告白に対して、め以子、悠太郎、静、希子が並んで反応する。画面的にはなんてことはないのかもしれないが、この偏った撮り方は今までになかった。今ならではの西門家の構図。

2013-12-09 12:47:57
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 和枝の都合で、静は一家の母で、め以子はれっきとした妻扱いにされる。不自然な空気が流れ、それは夢のような間枯れではあるが、どこか不自然。め以子はそれを感づきながらも、メニューの中で洞察力を発揮する「ぎょぎょぎょ」は「じぇじぇじぇ」のパロディ?

2013-12-09 12:51:52
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 和枝の結婚は悠太郎の職場でも話題に。藤井にまで見抜かれている和枝の本心。和枝とめ以子の台所仕事。そして器磨き。そこへ「ご苦労さん」としか言えない悠太郎。そして「席」が始まる。胡散臭いような、誠実なような。料理への無知識がめ以子の中の勘に響く。しかしそれは明かされる

2013-12-09 12:57:32
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 詐欺でも詐称でもなく、「優しさゆえの嘘」がここでも突かれる。悠太郎と静はその事に気付くが、そんな悠太郎を見つめるめ以子。家族の組み合わせの数だけ関係があり、関係の数だけ気持がある。オレンジの側逆光の中でプロポーズを受ける和枝。そのまま明日へ。

2013-12-09 13:00:47

第62話

市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 安斎の、和枝へのプロポーズには、どこにも光源はなく、遠くに小さなオレンジの灯がぽつぽつあるだけ。そんな中で訥々と自分のバックボーンを語る和枝。人として、女としての本音。それゆえ人は、騙される人生を歩むこともある。め以子が手にしたお守りに当るスポットライト。

2013-12-10 12:47:30
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 翌朝の(フラットな食卓の中)笑顔で「これから」を語る和枝。悠太郎とめ以子の祝言の話で全く反応の違うめ以子と悠太郎。しかしお前実姉に「一筆とらせていただきます」て……。でも心の中では姉の幸せを願う悠太郎。和枝が呼ばれた一室の、いびつなまでの照明設計が生理に危うさを。

2013-12-10 12:50:42
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 和枝の株仲間の話を聞く悠太郎。寒色の白昼灯の中で真っ白な椅子の布地が目に眩しい。ハレーションの中で「和枝ちゃん最近ついとるなぁ」という衝撃の話。この当時の5千円は、現代の数億に匹敵する。暖色の中俯瞰で和枝と悠太郎とめ以子を映し出す不安のアングル。

2013-12-10 12:53:23
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 暖色がさらに強まった中での、西門家の食卓。和枝の想い人への懐疑を隠せない悠太郎。それは完全に騙されているのだと、見抜くめ以子の背景から暖色の光が照らすが、光源は設定されていない。静と語り合うめ以子と静と希子のシーンで、初めて光源がぽつりと。

2013-12-10 12:55:57
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 安斎と向き合う和枝は、やはり寒色の中。「人を信じる事でしか、人は生きて行けず、そこに必ず存在する『裏切』の先ででも生きていかなければいけない」和枝の心意気が家長としての勤めを悠太郎に譲るが、それはまるで遺産分けのようにも見える。め以子にも「託す」和枝。

2013-12-10 12:59:49

第63話

市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 夏の暑さが強調される悠太郎の職場。そこからコントラストを落とした照明で向かい合うめ以子と和枝。恋の終わりを示唆する照明設計とカメラワーク。和枝の人生にも一番の試練が訪れる。この物語世界にもきっと「悪役」はどこにもいないのだろう。

2013-12-11 12:47:12
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん ホルモン爺さんとめ以子のシーンでも、左手前にホルモン爺さんを配置して、右奥にめ以子を配置する演出は、二人の登場人物を丁寧に均等に心理的に刻み込む定番のシーン。そこで描かれる和枝の匂い袋の秘密。和枝の恋は「その先の全て」を察知した自傷行為なのかもしれない。

2013-12-11 12:49:47
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 川面で亡くなった子どもの話をする和枝。心理学で川や深海、水面は「死」を示唆する。その「死んだ子の遺品」があればこそ、次の幸せを求め生きてこれた和枝の物語。強がって生きてきた女の意地とメンタルの強さ、そして愛しいまでの弱さと儚さ。

2013-12-11 12:52:06
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん コメディ調で語られる「焼き氷のシーン」と「安西の正体」その繰り返しで安西が偽物であったことを知る悠太郎。唖然として悠太郎を見守る西門家の女性三人には逆光気味のライティング。悠太郎が気付いたことは、おそらく和枝も内心で気が付いている。認めたくなかったのだ。

2013-12-11 12:54:55
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 一瞬見た夢に、それでも縋り付こうとする和枝。和枝の恋の終わり。窮屈な日常と、呪縛のような過去から「翔んで」みせようと思っていたのだ和枝は。せめて「翔んで」みせれば、自分が生きて来ていた時間が、無駄にならないと信じたかったのだ、和枝は。め以子の苦手な鰯が提案される。

2013-12-11 12:58:42
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 和枝から鰯料理を教わる事で、遡って和枝の人生や時間を肯定する事が出来る。「その時間」が無駄ではなかった事を証明できる。しかし和枝は姿を消す。この物語世界で「家族」と人の繋がりを象徴してきた「強烈なオレンジの照明」だけが輝く無人の部屋を残して。

2013-12-11 13:00:50

第64話

市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん オレンジの灯しかない部屋から始まる本話。奔走して探しあう人々。和枝は分かっていたのだ。全てを分かっていても「騙されている」と分かっていても、すがらなくては生きていけない「幻想」がある。それは森下佳子もクドカンも、市川森一氏も描いてきた人生の真実。

2013-12-12 12:47:13
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 悠太郎も師匠も巻き込んで、め以子の和枝探しが続く。行く先々に絶妙に配置されて輝く灯の下、め以子に「戻ろう」と語り掛ける師匠=和枝の父。一方静もオレンジの灯を背景に「何か」を見つけるが、闇の中の納戸に閉じ込められる。「一家を幸せにする為にひいた文明のガス」が窮地へと

2013-12-12 12:50:02
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 充満したガスの中、マッチを手に、全てを覚悟していた和枝。これを「朝ドラとしては正視に絶えない展開」と受け止めるか。それとも必死に歯を食いしばって強気に生きてきた和枝の、最後の同国の行方のありようを、見つめてあげるべきだと受け止めてあげるべきか。

2013-12-12 12:52:43
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 「20年近う、えぇことなんか何もないんや!疲れたんや……」気丈に生きてきた和枝の弱音。しかしそれに希子が言う。「家の中でも一つもないの?寂しいからつけこまれたんや!」和枝の淋しさを全て抱きしめた上で、和枝を抱きしめる力が籠る。『淋しいのはお前だけじゃない』

2013-12-12 12:55:37
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 再びオレンジの灯の下で、ひとときの安息を得る西門家。父を見送る悠太郎の中に、初めて「父を許す」感覚が発せられる。家族の中でようやくの絆が生まれ、後は互いの傷の摺合せによって、新しい「家族の形」が見え始めたこのタイミングで、め以子の中に新しい命が宿る。秀逸な構造計算

2013-12-12 12:59:14
市川大賀 @ArbUrtla

#ごちそうさん 「誰もが、それは和枝の再生だ『と』思ったのでした」最後の最後に来てのこのナレーションが齎す不安感には、得も言われぬぞっとする怖さを感じるだろう。明日と明後日。まだ最後のハードルを越えるだけの時間は残されている。

2013-12-12 13:01:37