『お先に失礼』の真偽について
まず、経緯についてから説明させて頂きます。 こちらは、青葉から熊野への「我に曳航能力なし お先に失礼」という発光信号に関係するものになります。
2013-12-26 20:05:00このソースとしましては、学研から発刊されている歴史群像シリーズ2013年10月号のP141、負けじ魂、これぞ船乗りに記載されている内容になります。
2013-12-26 20:06:09それ以外の資料、例えば「重巡熊野の最後」であったり、アジア歴史資料センターの熊野の戦闘レポートなどには 「我に曳航能力なし」とだけ記載されており、「お先に失礼」の部分はなかったため、果たしてこれが本当にあった出来事であるのか。 という疑問があり、編集部に問い合わせたものです。
2013-12-26 20:08:28編集部の方から、文章を書いた作者の方に問い合わせて頂きましたところ、 資料ではなく、熊野の航海士をされていた左近允尚敏さん本人に直接取材して聞いたことだそうです。
2013-12-26 20:10:48当時、左近允氏は熊野の艦橋に詰めており、 熊野被弾時に、即座に青葉が「我に曳航能力なし お先に失礼」という発光信号を即座に送ってきて、 大変カチンときたと話していたそうです。
2013-12-26 20:12:06左近允氏はお亡くなりになってしまいましたが、取材当時に同氏は 今でも熊野の生存者の会では青葉の発光信号の「お先に失礼」の部分が話題になると話されていたそうです。
2013-12-26 20:14:13編集部の言葉を借りると「茶目っ気を出して余計な発光信号を送って、反感を買ってしまったんでしょう」 と話されていました。
2013-12-26 20:15:46ただ、やっぱり記録上には残さないよう、記録を残した左近允氏や、その他船員が配慮したみたいです。 戦闘レポートであったり、記録には残さない理由はそこであると思います(これは私の想像)
2013-12-26 20:17:19事実ではあったみたいですが、青葉船員も悪気があってやった訳ではなく…… ああ、でもその後熊野は沈んでますし、悪気はなくても恨みは買いますわね。 というよりもこっちは被雷して船が傾斜している時に茶目っ気出してるんですかあの娘は……
2013-12-26 20:19:20@rommel_modoki 確執はなかったと思いますよ。少なくとも青葉と熊野でそういう対立が事前にあったとは聞いていません。 むしろその前日までは錨鎖が破壊された熊野船員が夜の間は青葉に移譲したりと、良好な関係だったと思います。
2013-12-26 20:25:33@bot_kumano @rommel_modoki ああ、だから茶目っ気出しちゃったのか…いらんところでいらん冗談を言って後々まで色々言われるってのはよくあることですし
2013-12-26 20:29:24@bot_kumano (・w・;) ピンチの時にも笑いを忘れずジョークを飛ばしたら怒られたのが青葉の発光信号的な話だった訳ですか;
2013-12-26 20:26:21メールでの連絡は埋もれてしまい、本日に電話をしたのですが、 歴史群像編集部の方、そして作者の方には迅速に対応していただき、質問をしてから半日と経たずにご連絡を頂けました。 年末の忙しい時にこのような迅速な対応をしていただけたことに感謝しています。
2013-12-26 20:27:50今、TL上に流れたことで気になった部分があるので、少しばかり内容の補強をさせて頂きます。 発光信号は受け手の意訳によっても内容が変わってきます。ひょっとしたら青葉乗員は「青葉、この有様ですから曳航できません!お先に失礼しま~す」 というニュアンスではなかった可能性も無論あります。
2013-12-26 20:35:19また、当時の船団の航行体形は、熊野のすぐ後ろに青葉が続いていたので、 被雷した熊野をよけながら、「曳航はできないんですよ、申し訳ないけれどお先に失礼します(熊野をよけて前に出る)」 というようなニュアンスだったかもしれません。
2013-12-26 20:39:56熊野の乗員がカチンときたなら、青葉に全面的に非があるとは思いますが、 誤解の可能性もありますし、青葉側の意見を聞かないといけないとは思います。もし続報ありましたらいつかお話させていただきます。
2013-12-26 20:42:56当時、青葉と熊野にいた方ならともかく、私たちはあくまでも後になってから、外から記録を見ているだけです。 なので、余り青葉を悪く言わないであげて欲しいです。大人の対応をして頂ければ幸いです。 青葉を吊るし上げる目的で調べた訳ではありませんので。
2013-12-26 20:45:00@bot_kumano ともかくお疲れ様でした。今回の場合は正解でしたけど、確実な出展もないまま逸話が独り歩きすることは多々あるので、調べて下さってありがとうございます
2013-12-26 20:47:10今回怖いなと思ったことは、この話は作者の方が左近允さんに聞かなかったら、存在しなかったことになるということですね。 記録を取るって本当に重要なことですわ。
2013-12-26 22:31:54