新学習指導要領にどう備えるか

先取り研究で次の学習指導要領に備えようという私的な提言。1の平成2016年は書き間違いです。
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いのうえ ゆきのぶ @inonob

新学習指導要領1:一昨日夕刻になって、急に次の学習指導要領についての情報が飛び込んできた。概ね10年周期の学習指導要領改定を前倒しして平成2016年度までに改定作業を行うという、相当びっくりな情報だ。これが真実であるならば(多分真実だろうけれど)デスマーチの始まりだと思う。

2013-12-30 02:05:48
いのうえ ゆきのぶ @inonob

COS2:学習指導要領改定前には、国立教育政策研究所等の基礎研究の蓄積が行われ、それを受けた中央教育審議会を経て実際の改定作業が行われる。そして、全面実施の3年程度前に新しい学習指導要領が公開される。そこから移行期間を経て全面実施へとつながっていく。

2013-12-30 02:08:48
いのうえ ゆきのぶ @inonob

COS3:この公開から完全実施までの期間に、新しい教育課程についての先行研究や新しい指導要領に準拠した教科書が製作される。その研究と教科書によって、各校で新しい学習課程が編成される。その先行研究の期間が充実するか否かが、その後の学校での授業が変わるか否かに大きく関わる。

2013-12-30 02:14:01
いのうえ ゆきのぶ @inonob

COS4:今回学習指導要領が前倒して改定される理由となる問題は、ここ2回の改定でこの「先行研究」の期間が十分に機能しなかったことにあると感じる。例えば現行の学習指導要領は所謂「PISAショック」を背景に、「活用」「言語活動の充実」「思考力・判断力・表現力」などに注力された。

2013-12-30 02:19:01
いのうえ ゆきのぶ @inonob

COS5:しかし、これらが求められた背景にある「PISA型学力」の向上を目指した授業は、申し訳ないけれど、全国のほとんどの教室では実践されていないように見える(少なくとも私の周囲では、相当心ある先生だけが努力を続けている状況に落ち込んでいる)。

2013-12-30 02:22:14
いのうえ ゆきのぶ @inonob

COS6:そのような状況が生まれる背景には「先行研究」「移行期間」の間に、学習指導要領の解釈が安易な方向に行われることがあるように感じる。「学習指導要領のここに書かれていることって、今までやってきた○○で解決できるんじゃない?」という超訳が行われ、現場に広がるのだ。

2013-12-30 02:26:14
いのうえ ゆきのぶ @inonob

COS7:超訳が校内・地域に普及することで、学習指導要領はその改定意図を希薄化される。例えば、現行の学習指導要領になってようやく話し合いによる課題解決を図る学習が多くの教室で意図されるようになったが、それはその前の学習指導要領で「伝え合う力」の育成として求められたはずのことだ。

2013-12-30 02:29:05
いのうえ ゆきのぶ @inonob

COS8:個人的には、今回の学習指導要領の趣旨は、多くの教室でいまだに実践されていないと考えている。16年度までの普及もかなり困難だ。そして、次の「先行研究」「移行期間」での新概念の周知も、これまで通り困難であろう。

2013-12-30 02:34:48
いのうえ ゆきのぶ @inonob

COS9:ならば、次の学習指導要領の内容を見据えて、今から16年度以降を志向した研修・研究にシフトして行ってはどうか。3月に示された国政研の研究報告書では「21世紀型能力」とその下位項目としての諸スキルに重きを置く報告が成されている。

2013-12-30 02:37:32
いのうえ ゆきのぶ @inonob

COS10:来春には、国政研の継続研究(4年次研究)のまとめの報告が出るはずであり、そこに次の学習指導要領のベースとなる情報が散りばめられているはずである。これらを基に、先を見据えた研修・研究体制をつくっていくことが大切だと考える。今回の改定は、多分相当大きい。(了

2013-12-30 02:40:00