火山のリスク管理にあえて踏み込む日本気象庁

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早川由紀夫 @HayakawaYukio

「避難」「入山規制」などの防災対応を実質的に自分に決定権があるようにする通知を気象庁が昨年9月10日に出していたことにいま気づいた。この3月から実施するのだという。市町村長の専権事項だと定めた災害対策基本法とまっこうからぶつかる。 http://t.co/pzTixozGcc

2014-01-11 11:05:47

気象庁が出すつもりの警報文の例

災害対策基本法
(市町村長の避難の指示等)
第六十条  災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、人の生命又は身体を災害から保護し、その他災害の拡大を防止するため特に必要があると認めるときは、市町村長は、必要と認める地域の居住者、滞在者その他の者(以下「居住者等」という。)に対し、避難のための立退きを勧告し、及び急を要すると認めるときは、これらの者に対し、避難のための立退きを指示することができる。

早川由紀夫 @HayakawaYukio

防災対応に不足があって人が死んだら、牢屋に入る覚悟を気象庁長官はほんとうに固めたのだろうか。

2014-01-11 11:07:08
早川由紀夫 @HayakawaYukio

「噴火警報で防災対応を促す用語を記載します」と気象庁が請け負うなら、気象庁が避難しろというまで避難しなくてよいと市町村も住民も考えるだろうことは、容易に想像できる。火山防災はついに完全なパターナリズム(父権主義)に行きついた。

2014-01-11 11:11:12
早川由紀夫 @HayakawaYukio

気象庁は、科学によるリスク評価をすみやかにアナウンスるすることに全力を尽くすべきだ。そこに留まるべきだ。リスク管理に踏み込んではならない。

2014-01-11 11:12:17
早川由紀夫 @HayakawaYukio

アメリカ合衆国地質調査所は、リスク管理にけっして踏み込まない。日本気象庁がほんとうにそうするなら、特異な事例として国際的に注目されるであろう。

2014-01-11 11:13:31
早川由紀夫 @HayakawaYukio

ハワイ火山観測所は、キラウエア火山のリスク評価を定量的かつ具体的にすることに最大限の努力を払っている。立入制限などのリスク管理には立ち入らない。 http://t.co/LOGFGGU6Kv

2014-01-11 11:15:38
早川由紀夫 @HayakawaYukio

役所が父権主義を行使しようとするなら、私は住民に「理論ニ信頼セズ」を説かなければならない。

2014-01-11 11:17:56
早川由紀夫 @HayakawaYukio

気象庁があえて火山のリスク管理に踏み込む動機は、二つあるとみる。1)住民の生活より命が大事だと考えている、2)省庁生き残り策としての業務確保。住民は命と同じように生活も大事だと思っているはずだ。気象庁が永続するかどうかは住民にとって関係ない。

2014-01-11 11:57:24
早川由紀夫 @HayakawaYukio

市町村は、気象庁のこの申し出を歓迎するであろう。火山噴火で住民が死んだときの責任を気象庁に押し付けることができるからだ。避難行動によって住民の生活が劣化しても、市町村行政は(ただちには)困らないからだ。

2014-01-11 12:00:55
早川由紀夫 @HayakawaYukio

気象庁は、雲仙岳1991年6月、三宅島2000年8月、霧島山新燃岳2011年1月の噴火でいずれも適切なリスク評価をすることができなかった。伝達ができなかったのではない。評価ができなかったのだ。唯一できたのは有珠山2000年3月だけ。

2014-01-11 12:24:05
早川由紀夫 @HayakawaYukio

リスク評価の能力を向上することなく伝達部分だけをいじっても、うまくいくはずがない。前より悪くなるだろうとみる。

2014-01-11 12:25:22

以下は、桜島大正噴火(1914年1月12日)百周年記念日に寄せて。霧島山新燃岳2011年1月噴火回想を含む。

Ryusuke IMURA @tigers_1964

村長「避難する必要はないでせふか」 所長「避難する人は其人の随意です。之を止める必要は有りますまい。また、避難のことは他の官憲より示達する筈でして、私から差図する訳には行きません」 1914.1.11日没後に西桜島村長と鹿児島測候所長の電話メモ(桜島噴火記より)

2014-01-12 00:22:11
Ryusuke IMURA @tigers_1964

2011年1月30日夜に、もし高原町が「避難する必要はあるでしょうか」と問い合わせていれば、気象台は「その必要はありません」って言ったのだな。きっと。 http://t.co/noAFUECeKu (南日本新聞2011.2.1)

2014-01-12 00:27:21
Ryusuke IMURA @tigers_1964

しかし、義助の知りうる限り、噴火は必ず地震をともなうが、地震があったからといって必ず噴火をともなうわけではなかった。この段階で軽率に「噴火の恐れあり」と警告を発し、もし噴火しなければどうなるか、その結果を義助は考えた。(柳川喜郎 桜島噴火記より) #桜島大正噴火100周年

2014-01-12 01:11:15
早川由紀夫 @HayakawaYukio

新田次郎「熱雲」(1978)が描いた1902年にサンピール市で起こったこと。 http://t.co/Q4XIoKbVAK

2014-01-12 09:06:20
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Ryusuke IMURA @tigers_1964

100年前の桜島大正噴火の軽石噴火は、あと1時間ほどで始まる。鹿児島測候所は、この日朝の東桜島村の問い合わせにも「噴火のおそれはない」と回答した。(柳川喜郎 桜島噴火記) #桜島大正噴火100周年

2014-01-12 09:09:25
まとめ 立入規制と避難を気象庁長官が決めていいのか 災害対策基本法は、立入規制と避難の判断をするのは市町村長であると定めている。2007年12月の気象業務法改正によって、気象庁長官がそれに口出しできるしくみがつくられた。法律改正前後に、この変更を危惧する火山学者の声がいくつも上がった。霧島山のいまの噴火で、この心配が現実のものとなっている。 私がブログで2007年から2009年にかけて表明した意見 http://kipuka.blog70.fc2.com/blog-category-6.html 6833 pv 42 2 users
早川由紀夫 @HayakawaYukio

2011年1月 30日深夜の高原町避難勧告を私はこう理解した。http://t.co/IP43Xo6WEy

2014-01-12 09:25:41
早川由紀夫 @HayakawaYukio

「30日深夜の高原町避難勧告は、「溶岩ドーム」の直径が500mになった情報で気象庁が浮き足立ったのを好機ととらえた高原町長が、4日前からしたかったことを淡々と実行したのみである。」

2014-01-12 09:30:26
早川由紀夫 @HayakawaYukio

「4日も待って、やっとめぐってきたチャンスがあいにく深夜だった。それでもそのチャンスを使って避難を敢行した。そして、避難する人が不平を言うことなく粛々と動いた。こわくて避難したかったのだ。気象庁はほんとにひどいことをしている。」

2014-01-12 09:30:44
早川由紀夫 @HayakawaYukio

このあと2月10日に高原町で町長とお会いして「30日深夜の避難勧告を全面的に支持します。」と伝えました。 http://t.co/PwW0baDI6w

2014-01-12 09:50:58